「人間の想像力とは」流浪の月 るんさんの映画レビュー(感想・評価)
人間の想像力とは
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映像は絵画ように美しく、主要な登場人物から語られる言葉は少ない。
そのため全体的に澄み切った冷たい池のような印象。
しかし内容は、人間の深みに入り込むような、観終わった後、心に重くのしかかってくるような作品。
画は美しいのに、テーマは重く暗い、このアンバランスさがこの映画の素晴らしい点だと思います。
先に小説を読んでいたので、ある程度、役のイメージはあったのですが、本当に役者の方々がお見事でした。
私の想像をはるかに超えて役を生きてらっしゃる、文や更紗や亮がそこで生きているのをみて、感動しました。
横浜流星さんの、弱くすがるような目と、愛情が憎しみと怒りに変わる目のギャップにはゾッとしました。
松坂桃李さんの顔つき、身体の線の細さも、想像する文そのもので、ラストの服を脱ぐシーンでは自然と涙が流れていました。
人間の想像力はなんと乏しいのか、と人間という生き物の悲しい限界をみたような気がしました。
そして、、、
文が池の上で浮いている姿がミレーのオフィーリアの絵とリンクして見えたのは私だけではないはず、、。
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