「社会派というより文芸作品かな」流浪の月 あやこさんの映画レビュー(感想・評価)
社会派というより文芸作品かな
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まず、広瀬すずちゃんの彫刻の様な美しい顔立ち、目力が、感情表現を増幅させていた。
テレビインタビューで、自信のなさを吐露されていたが、そんな内省的な彼女だからこそ、この役を好演できたとも思う。
松坂桃李くんは普段の飄々とした奥ゆかしいイメージと違って、役作りも作品選びもストイックですね。本当にカメレオンだし、これから長きにわたって映画界を牽引するんだろうなぁと確信。
横浜流星くんも、どうしようもない感じがダダ漏れで素晴らしかった。新境地開拓。
原作未読ですが、私はこの映画は映画で1つの作品として受け止められました。
文は人格形成にも影響を及ぼす性的疾患を抱えながら、母親から真の愛情を受けられず、闇を抱え続けている。更紗も母親に捨てられ性的虐待のトラウマを抱える。亮も複雑な家庭環境で育ち、DV気質に。それぞれが内面に負のマグマを持ちながら、安息を求めている。ある意味とても純粋な彼らに対し、強権力バリバリの警察や暴力的なSNS、マスコミは違う次元で必要悪として描かれる。正直、あまりに世界が違うため、混乱した。文芸作品の中に薄汚い現実世界の暗部が乱入してきた感じ。
陳腐な表現だが、人間の魂は分かり合える相手を探すもので、それは年齢性別等を超越することも、ままあり、そんな多様性をみんなが理解できれば、人間はもっと幸せになれるってことかな。
映像もとても美しくて、李監督とホン撮影監督の相性の良さを感じた。
備忘録のつもりが、レビュー長、、、
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