「2時間半…⭐︎」流浪の月 ☆ムーミンさんの映画レビュー(感想・評価)
2時間半…⭐︎
上映時間が長いので、正直 若干鑑賞を迷ったが、映画の配役が発表された時点で原作を読むことにした作品。
しかし、短く感じないまでも緩やかに まさに流されていくように物語は進む。
広瀬すずは、やはり何を演じてもそつなくこなす。
松坂桃李は、まさに原作の文そのもののような暗い洞窟のような目をして佇み、
おそらく相当 体を絞っての参加。
この二人が主役になった時点でこの映画のイメージは確立されているように思う。
映像が冒頭からとても美しく引き込まれてゆき、省略された場面ももちろんあるが、
沙羅が働くファミレスや文のカフェの様子もぴったりでほぼ原作に忠実に物語が語られる。
横浜流星が、DVに自分自身も苦しめられる役を熱演。
こういうタイプの彼を見たことがなかったので、すごく新鮮に感じることが出来た。
この原作だと、もう少し若い人が主役になり恋愛映画になってしまいがちだが、
さすがに、李相日監督、とても深い善悪の境界が滲み出ている。
本人達以外に誰にもわからない世界は、やはりある…
それは、誰にもジャッジ出来ない。
引き抜かれた木(原作ではトネリコ)に、自身を重ねる人は多いと思う。
でも、この物語は二人が出逢ったことが救いになっている気がしている。
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