「文のそばにいる時だけありのままの更紗でいられる」流浪の月 大吉さんの映画レビュー(感想・評価)
文のそばにいる時だけありのままの更紗でいられる
主人公更紗を演じた広瀬すずと、更紗の少女時代を演じた白鳥玉季。似ているようで似ていない二人が全く重なって見える瞬間が何度もあった。
文のそばにいる時のありのままの更紗、引いてしまうくらい自由な誰のものでもない更紗。15年後の広瀬すずが演じている更紗はまるで10歳の少女のようだ。
月は欠けてもまた満ちてくる、その繰り返しであるが二人には幸せになってほしいと願わずにいられないラストだった。
昨年、吉永小百合の引き立て役で誰が演じてもいいような役柄で共演していた広瀬すずと松坂桃李。才能のある、そして映画スターとして華のある二人がこのような重く切ない作品で再度共演して素晴らしい演技を見せてくれた。映画ファンとして幸せを感じる。
もっともっとスクリーンで活躍してほしい。
内田也哉子さんはあまりにもお母さんに似てきすぎてなかなか普通の役は難しいだろうな。注意がそっちへいってしまう。
原作では更紗と文が「トゥルー・ロマンス」を見ていたと、今サイトのレビューで教えてもらったので、鑑賞前にDVDを借りて見た。見てよかった。本当によかった。ありがとうございました。
> 鑑賞前にDVDを借りて見た。見てよかった。本当によかった。
うわ。偉いですね〜。そういうことが、観る映画への感想を分厚くしてくれますよね。さすが!
俺は今でもなお観てないので、ちょっと反省します。
大吉さん、ありがとうございます。
トゥルー・ロマンス…原作では、更紗の両親が好きな映画でもありました。
無垢なアラバマの、理不尽な暴力に屈しない根性が私は大好きで、更紗の芯の強さとダブって見えるのです。
余談ですが、フミが更紗と一緒にレンタルした映画のひとつは『シザーハンズ』。
なかなか深いですよね。
この作家はかなり映画へのリスペクトの気持ちを持った方なのだと思います。