「余計な仕掛けで、わざわざ悲惨な話にする必要はあったのだろうか?」流浪の月 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
余計な仕掛けで、わざわざ悲惨な話にする必要はあったのだろうか?
世間から非難と好奇の目に晒される主人公たちの苦悩が、あまり心に刺さって来ない。それは、もっときちんと説明すれば、司法だって、マスコミだって、理解してくれるはずと思えてしまうから。
二人がきちんと説明できない理由として、「知られたくない秘密」という仕掛けも用意されているが、それを明らかにしなくても、理解は得られると思えるのである。
恋人の男がクズであるとか、身体的なハンディキャップがあるとかの設定にも疑問がある。もし、そうした事情がなければ、再会後に、二人が関係を深めることはなかったかもしれないと思えてしまうからである。
たとえ「未成年者略取」の加害者と被害者であっても、優しくて理解のあるお兄さんと、明るくて屈託のない少女が、お互いに好意を寄せるのは自然なことであるし、いつまでも、その気持ちが変わらないことだってあり得るだろう。そして、大人になった二人が、どんな関係を結ぼうが、他人からとやかく言われる筋合いはない。話としては、それだけで十分ではないだろうか?
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REGZA521さんのコメント
2022年5月31日
原作では最後、2人は幸せになります。
最初に幸せな4人家族のシーンを全カットしている様に監督は不幸なシーンだけを盛り込もうと…
広瀬すずと松坂桃李持ってくりゃそれなりのヒットは約束されてますしね。
いぱねまさんのコメント
2022年5月14日
"話せば分る"という幻想は、今の世界にはかなり困難で、まるで水と油の状況が横たわってます
映画はそれをイメージとして投影し、鑑賞した人間がそれを持ち帰って宿題として考え続けるのです 勿論、提出義務はありません
人と違うという現実の前に、人は戦くしか術がないのです・・・