劇場公開日 2022年2月11日

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「中田秀夫に漫画原作映画を演出する能力は皆無!!」嘘喰い バフィーさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5中田秀夫に漫画原作映画を演出する能力は皆無!!

2022年2月17日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

「嘘喰い」の映画化企画自体は2016年頃から、ヤングジャンプの中でも発表されてきたが、なぜか延期が続き、忘れたころに製作された今作。

映画化までに時間がかかった割には、今年公開作品の中で、群を抜いての問題案件。褒めるところが、ラスト以外何もない……。

まず今作、驚くほどに俳優たちの演技が酷い。特に白石麻衣と三浦翔平だ。
別に今までの作品での演技が悪かったふたりではない……つまり演出の問題なのだ。俳優は、指示を受けて演技をしているだけに、その指示が悪いと、俳優自体が悪く見えてしまうのだ。

三浦翔平はもちろん、アイドルの白石麻衣も今までドラマや映画に出演しているが、ここまで酷い演技をしていたのは珍しいし、セリフも棒読みのようでぎこちない。

演出というものは、恐ろしいもので、時に俳優の価値を殺してしまう…….

またネタも今更といった感じがしてならない。90年代の映画なら良かったかもしれないが、今は「カイジ」もあれば、『賭ケグルイ』や『イカゲーム』もあったりと、ギャンブル&デスゲームの構図は全く珍しくもない。だからこそ、どうやってアプローチするかの試行錯誤に時間がかかって、映画化がここまで遅くなったのではないだろうか?

独自性を出すのが難しかっただろうが、結果的にその壁を越えられていない。

試行錯誤の結果がこれなら、そのままボツ企画にした方が原作のためにもよかった。

一応、後追いのような番外編がdtv作品とし配信されるが、テレビシリーズの続編、完結編として位置するような内容を、テレビシリーズがないというのに、やってしまっている力業感があって、謎の組織や、敵対する存在、主人公の過去、キャラクターの設定など、とにかく詰め込み過ぎていて、話が散らかりすぎている。まるで長いダイジェストを観ているようだ。

ゲームらしいゲームが、ラストにしかなく、間の茶番が妙に長い。演出も悪いが、脚本も酷い。というよりドラマ畑のスタッフが多いだけに、ドラマ臭がぬぐい切れていない。

だいたい中田秀夫にホラーとエロ以外の作品が撮れるはずがない。最近は得意であるはずのホラーもブレブレだというのに、漫画原作なんて到底無理。『L change the WorLd』の災難を忘れたのか!!

作品の中にも叩いたらいけない作品と良い作品があるのだろうか。これ『大怪獣のあとしまつ』と同等の作品だけど.......

バフィー吉川(Buffys Movie)