「新感染 ファイナル・エクスプレス」を絶対的な下地に、「シン・ランペイジ 巨獣大決戦」を経て、どことなく「もののけ姫」な「ザ・ハロウ 侵蝕」を醸し出しつつも、だいたい「アナコンダ2」。
都会から田舎へと、今当に現在進行形で森が切り開かれ開拓が進む地域へと向かう、老若男女士農工商学生軍人様々な人種が乗り合わせた列車が、蛇の大群に双頭の大蛇に襲われたことが縁で交わることとなった、本来交わることの無かった者たちが繰り広げるドタバタ珍道中から人間様の業を見つめる。
様々な人種が乗り合わせる列車然り、頭が2つありながらも体は1つ故、1つの方向にしか1つの目的地にしか進めない双頭の大蛇が象徴するモノは「男と女」「人と人」「人と自然」...etc といった地球に生を受けた以上切っても切れない、決して切り離すことのできない、目に見えぬとも目を背けてもそこにある、共存と共生の関係(サイクル)だろう。
自身の行いがいずれ自身に牙を向けるかもしれない。人間の勝手な都合で行われている自然破壊への警鐘というメッセージは前面に押し出されているし至極簡潔且つしっかりしたものである。
しかしそこに行き着くまでのプロセスが他作品のオマージュパロディいやパクリの応酬に次ぐ応酬であるのと、十八番なのだろうが正直しらけてしまうコミカルなやり取りがそんな本来の意図を薄れさせてしまっている様に映ってしまうのは多少というかものすごく残念だった。
「もののけ姫」(1997)...「アナコンダ2」(2004)...「グランド・ジョー」(2013)...「ザ・ハロウ 侵蝕」(2015)...「新感染 ファイナル・エクスプレス」(2016)...「シン・ランペイジ 巨獣大決戦」(2020)...