「タイトルなし(ネタバレ)」牛首村 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
都内に暮らす女子高生の雨宮奏音(かのん。Koki,)。
あるとき、クラスメイトの漣(れん。萩原利久)から、ある心霊動画に出ていた女子高生が瓜二つであることを知らされる。
しかも、動画の女子高生は行方不明であり、動画撮影場所の心霊スポット「坪野鉱泉」で行方をくらましたという。
妙な胸騒ぎを感じた奏音は漣とともに、「坪野鉱泉」のある富山県に向かうが・・・
というところからはじまる物語で、奏音は自分の出生の秘密、そして一族郎党の秘密を知ることになる・・・と展開します。
『犬鳴村』『樹海村』と比べると、物語のグルーヴ感に乏しく、上手くまとまった感じ。
物語のキーワードの「牛首」が牛頭天王だったり、双子を忌み嫌う風習だったり、「七つまでは神のうち」という言い伝えなど、因習要素を巧みに(ただし曲解して)盛り込んでいるあたりが、東映のアナログ的発想(これは誉め言葉)。
宣伝でも使われているので、これはバラしてもいいでしょうが、奏音が双子の妹と出会ってからのダークファンタジー的展開は、『リング』の貞子のデジャヴュのようで、もう一捻り欲しかったところ。
個人的には、「牛首」は「生首」の文字が変化したもので、かつての合戦の地、落武者たちが村人たちに狩られ、村の至るところに生首が晒されていたのが謂れ、と予想していたのですが、外れました。
次回作も期待したいところですが、そろそろヒットは厳しいかもね。