オールドのレビュー・感想・評価
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命短し恋せよ乙女
あのお姉さんは、青春時代に誰しもが通る、あの甘酸っぱい恋心を経験せずに大人(初老)になってしまった。(ラッパーに恋心を抱いていたのがせめてもの救いかな)
以下、本編とはズレてしまいますが、ふと思ったこと…。
Lifeを日本語にすると「命」と「生活」という意味になります。生きることは生活をすることであり、また、生活を送ることは生きることでもあります。
「命」はストックの概念であり、「生活」はフローの概念とも捉えられます。言い換えると「命」は結果であり「生活」は過程(プロセス)となるでしょうか。
となると、あのビーチで過ごした家族たちは、その「過程」をごっそり奪われたことになります。
「命」を奪われたことと同等(に近い)かもしれません。
「思い出」って「命」に潤いを与える大切な要素なんだなぁって思いました。
対比がすごい!
プライベートビーチという美しいものの中でどろどろとした人間関係が進んでいくことで、気持ち悪さが増されていると感じました。最終的なまとめとして、人類の科学の進歩のための実証実験に対しての否定を感じさせられました。
そして多くの場面に対比を感じました。
・プライベートビーチという視覚的に美しさに対し人間の追い込まれた際の醜さの対比
・子が大人に成長することに対し大人が高齢者に老化することの対比
・時折ビーチ全体が映る引きの絵が映ることに対し、登場人物の顔がスクリーン全体に映る程の寄りの絵の対比
わかりにくいレビューですみません🙇🏻♂️
鼻血垂らして幾年月
離婚前最後のバカンスとしてやって来た夫婦とその子供達が、ホテルの所有するプライベートビーチで謎の時間経過に苛まれる話。
4人家族2組+夫婦&カップルが訪れたプライベートビーチでは、30分で1年の時間が経過するという設定ながら…。
さすがに子供は自覚あるだろうにとか、その理屈で言ったら死体が風化する理由は?とか、ナイフが錆びた理由は?とか他にも???なツッコミどころというか矛盾というか、一応ミステリー的な流れだし、そういうのをヒントに先のことを考えながら観る訳だから、そこの辻褄が合わないのはがっかり。
まあ、結果としてそんな謎解きみたいなものは無かったし、理屈は良くわからないままだったし、何でそこはOKなのかも判らず、それはどうでも良かったけれどw
崖の上のヤツに纏わる展開としては面白かったし、登場人物達の狂気染みたリアクションや無情さは良かったけれど、映画のプロットとしてビーチで起こること自体は既知な訳で、観賞前の想像をを超える程のものは無くあまり盛り上がらなかったかな。
よくまとめたなあ。
「老い」と「死」というモンスター
シャマランさん、毎度思いがけない角度から変な映画を撮ってくれますね。
相変わらず、出たがるねぇ〜。映画の前のメッセージで顔を出す事による刷り込み効果で、あの運転手が怪しげに見えます。
生き物に等しく与えられた「老い」と「死」が徐々に徐々に迫ってくるというアイデアはとても新鮮でしたね。
肉体と同時に精神も老化(成長)するが知識が伴わない事で起こる悲劇というのも面白い。
その事で子供達を責め立てるようなヒステリーを起こす人がいないのも良かった。出来の悪いパニック映画は闇雲にヒステリーを起こして事態を悪転させがちなので、その辺がシャマランの上品な部分でしょう。
特殊メイク(VFX?)もとても自然で加齢による喋り方の変化も見事でした。
オチは、、、
まぁこの際どうでもいいでしょう。
悪い奴らに与えられる制裁が逮捕ではなくて、あのビーチの事象によるものだったらもっとカタルシスがあったのにな。
でも、ビーチにいる間のあれやこれやで十分楽しめた。
シャマランの演出力によるものでしょう。
シャマランよ、俺たちは『エアベンダー』の事はもう忘れた!どんどん変な映画を撮ってくれ!!
老いへの恐怖
エンタメミステリー
常に古くなっていく
M・ナイト・シャマラン作品は「アンブレイカブル」、「スプリット」、「ミスター・ガラス」の
シャマランユニバースしか観ていない。
「シックス・センス」もオチは知ってるけどちゃんと観ていない。
どんでん返しや奇抜な展開で語られるシャマラン作品だけど、
一時低迷してからの原点回帰してホラー、ミステリーで復活したというのは頷ける。
今作も原案というかほぼ原作(ピエール・オスカル・レヴィー、フレデリック・ペータースの
グラフィックノベル「サンド・キャッスル」)があるらしく、それを踏襲していったというけど、
【1日で一生(約50年)経つビーチ】っていうアイディアがまず良い。
SFないしミステリーとして引き込まれる。
細かいディテールでツッコミどころはあれど、そこまで気になるほどではなく、
ちゃんとビーチという閉じていないはずのところに
閉じ込められている感覚はあった。
後々で考えるとどのくらいの範囲が影響受けているのかは気になったが
観ているときにはそれは気に留めなかった。
閉じ込められて徐々に人々がおかしくなると同時に
刻一刻と年齢を重ねて子供は成長、大人は老化が進行するから
余計に厄介である。
医者であるチャールズ一家がそれらを如実に体現していて
高齢の母は真っ先に亡くなり、飼い犬も寿命で亡くなり、
チャールズは医者だが記憶障害や精神を病んで幻覚が引き起こされ、
妻のクリスタルは自身の老化と娘カーラの急成長についていけず、
互いに悲惨な結末となる。
ホラー的な要素は二人が担っているとも言える。
最初からビーチにいたミッドサイズ・セダンの不穏さ、
特に何かしたわけでもないのにそういう目で見られてしまう、
チャールズからは蔑視の眼差しを向けられ、ついには錯乱した彼に刺されてしまうのは
BLM(ブラックライブズマター)を想起してしまう。
娘のカーラも一番年が若い愛らしい女の子(設定上は6歳とあるが
もう少し下に見える)だったのが、大きくなって空腹に耐えれず
手づかみで食料を食べる様、
うっかり主人公一家の長男のトレントと関係をもって妊娠し、
出産するも赤ちゃんは急速な変化に耐えれずに亡くなってしまうし、
自暴自棄になって壁を上るも途中で意識を失い落下して亡くなるという、
一番悲惨だと感じた。あれぐらいのこの一生が数十分で終わってしまうのは、
現実の身にも来るものがあった。
主人公のキャパ一家の夫婦、ガイとプリスカは
お互いに未来、過去に囚われていて
プリスカの病気がきっかけで距離が生まれ、
プリスカには気になる相手もできて離婚前の思い出作りの旅行のはずが
一気に人生を駆け巡る流れになったが、あっという間の流れの中で
今を見つめてそこから過去にふけったり未来を考えることが大事なんじゃないかと
小難しくなく教えられた気がした。
そもそもシャマラン監督が娘たちからプレゼントされたのが原案の「サンドキャッスル」、
その娘たちの一人はセカンドユニット監督、もう一人がアーティストとして楽曲提供
しているというから、いろんなジャンルを横断した人生の映画なんだなと思った。
そのシャマラン自身も当然出演しており、送迎車の運転手というチョイ役かと思いきや
ビーチの様子を監視する役割も担っていてそこそこ重要という(笑)。
結局ホテルの経営が製薬会社という序盤の伏線から、
その製薬会社が秘密裏にあの発見したビーチで新薬開発のために、
いろんな持病を抱える被験者を選んで送り込んで人体実験を行い、
亡くなった被験者の情報は抹消して痕跡を消すということをしていたというオチ。
ホテルの支配人が新薬開発にかかる時間をここで大幅に短縮することができ、
1人の犠牲によって同じ病気を持つ何万もの人を救えると演説ぶっていたが、
サンデル教授の著作でも引用されたトロッコ理論で権力者とか
優位に立つ側から浴びせられる言葉だけどもジレンマだよぁ。
新薬開発に時間がかかるのは仕方ないけどそれが短縮できるならという
科(化)学者なら魅力に駆られるけども。
気になったのは職員が淡々と研究していて、誰も被験者に対して考えている
様子が見られないこと。ドラマが広がり過ぎるのもあるのかもしれないけど。
ラストは初老となったトレントとマドックス姉弟が
トレントが仲良くなった現地の子の手紙にあるメッセージから
サンゴ礁がビーチの影響を受けないことに気づき、
そこを泳いで脱出し、ホテルにたどり着くという。
序盤のトレントたちが遊びで大人たちの職業を聞きまわっていたことで
休暇中の警官に過去の被験者が残した日記を渡せるという伏線回収、
演出では序盤のプールだか一般のビーチでドクターフィッシュのいるところにいて
魚が寄ってくるのが、脱出後に正常な時間の流れる海で魚が生きて寄ってくる描写に
なっていたりとツッコミどころはあれど演出がいいと思う。
成長したトレントを演じたアレックス・ウルフが「ヘレディタリー継承」で
とんでもないことに巻き込まれる役で役回りなのかなと思ったり。
一番驚いたのは鑑賞後、成長したマドックスを演じたのが、
「ジョジョ・ラビット」で主人公と仲良くなるユダヤ人少女エルサを演じた
トーマシン・マッケンジーだったに気づき、2年くらいしか経ってないけど
凄く成長したなぁとこの「オールド」を観た影響かと一瞬戦慄した(笑)
オープニングデザインがすばらしい!ソール・バスへのオマージュに涙。
M・ナイト・シャマランの映画の良さは、友達とワイワイと語り合いをすることができるような独特の構成のゆるさや論理の余白があることだと思います。「あの映画、観た?」「観た!」「あそこのシーンで...」といった会話を広げる装置としてのパワーとユーモアとツッコミをシャマランは提供してくれます。
それでね、やっぱりアイツらは自分たちでコミュニティを作って、そこで家族を人工生産させればよかったんじゃないかなあと。他人を巻き込むから、ああいうことになっちゃうんだよ。人道的問題は大ありなんですが、そうすれば自分たちの所業は続けられたのに、と思いました。。。
あとは、アイツらをあの場所にヘリで落としてさようなら、というのも良かったかも。。。
昨今の時事ネタを思いついたんですね
今回もなにか引っかかったというか、ツッコミ処満載のシャマランっぽい作品でした。
ワクチン開発急いでやってるけど、安全性担保はどうするんだろう?そうだ、こんな不思議な場所があったらいいよね!って感じで思いついたのかな?
にしてはちょっと無理ありすぎで、ミステリー要素入れようとして破綻した感じでしょうか。最初どうやって発見したの?シャマランは毎回発想は最高なんですが、なんか詰めがもう一歩なんですよねぇ。まあわかって見に行ってるのですが。
金髪奥さんの殺し方は無理クリホラー要素入れて逆に笑いました。で、ビーチの端までいって山肌つたいに脱出とか思いつかなかったのかなあ。というより敵側も、もっと合法的に納得づくでやれる方法考えれば??って思ってしまいました。一応人類のためにやってるんだから。
でもまたシャマラン作品は見に行きます。
好奇心を大満足させるどんでん返し!
治験のカメラマンは監督?30分が1年であるという驚異的な時間の経過は、人間の未熟さゆえに様々な事件を引き起こします。その魂レベルの低さ、というより、ビーチに来た人間はほとんどがなんらかの病気を持っているので、致し方ない面もあります。この恐怖のビーチで10人余の人間が亡くなり、1匹のわんちゃんも亡くなります。そしてたった二人の人間しか生き残りません。二人には病気はありません。6歳の子供があっという間に50歳になるのですから、奇想天外というしかありません。ネタバレしたくないのですが、何故こんなことになったのかという理由を知らないと、全く意味がありませんので触れます。製薬会社が薬の研究には何年も時間をかけますが、このビーチでは一生があっという間ですから、寿命を時間換算して薬が効くかどうか確かめることができるのです。そのためのビーチでした。完全なる企業の犯罪です。家族愛、兄弟愛、親子愛、夫婦愛が急速な年齢進行の中でどう変化していくか、その皮肉な設定に心が痛みましたが、愛情あふれるシーンでは感動もありました。好奇心を大満足させてくれた2時間でした。
裏切られるストーリー展開
海岸に取り残された全員が年を取りながらも力を合わせて脱出するのかと思ってたら・・・。あっりゃー、なんと片っ端から死んでいく。主役みたいだったのも死んでしまう。ということは、不条理な設定の上にイヤミスみたいな、何ら解決されるものがなく救いようのないバッドエンド映画かぁと思ってたら、再度裏切られる。ちゃんとオチはあるのね。海岸のそんな使い道、思いもつかなかった。口、あんぐり、あまりに驚きの展開だった。でも、その後の生還のところ、要るか?「そして惜しいところで誰も居なくなった」の方が良くない?さらに、警察官が出てくる場面以降、必要?ま、どおりで、前半に子どもたちがビーチでくつろぐ人に名前だけでなく職業まで聞き回っていたわけだ。とても不自然だったけど、ここにつながるのか。
繰り返すと、製薬会社がほくそ笑むところで終わってくれてた方が良いと思う。そこで終わっていれば、星4つにしたかもしれない。会社にとってはメデタシメデタシの驚かせられたオチの、その場面での映画終了の方が衝撃的だったはず。次の対象も来ましたぜ、で舌なめずりのエンディングじゃダメ?なぜ勧善懲悪にしなきゃならんの?
ツッコミどころとしては、体の成長は良い、許す。そういう設定なんだから。しかし、頭の中身・考え方は6歳のままのはずじゃないのか。あと、ナイフは無機物なので短時間での老化劣化なし。ということは、初めから錆びていたのか。最初に切りつけられたラッパーは頬の傷口がふさがってたけど。さらに、リゾートでのんびりしてたあの警察官はあのへんに住んでいるのね。でなきゃ、お前は誰だ?どういう権限で緊急要請しているのか?って言われるわ。もう一つ、爪や髪が伸びないのは死んでいる細胞だからということなら、死んだ人間の体が異常に早く劣化したのはなぜ?最後に、一つのメモ帳にどうやって歴代行方不明者が書き込まれていたんだ?閉じ込められてからでは無理、前々から調査してなきゃ不可能。そういう不審な事実が判明してたなら、警察に連絡しとけよ。以上、説明求む。あら探しを書き連ねて私も意地が悪いなぁ、ウハハ。でも、脚本の段階で辻褄合わせをしておいて欲しかった。ところで、この監督は運転手役で出ていたけれど毎回出演してるの?ヒッチコックみたいに?
こんな島絶対やだ(ó﹏ò。)
感想!! 面白いー!!
老化が進む島、それには隠された秘密が!!
人を救ってるようだが、一部の人間がそれの犠牲になっていた。
子供達の老化のスピードは凄まじい、
大人の、老化はゆっくりゆっくりじんわり
役者さんの自然な老化の演技が素晴らしく
本当の老夫婦になってました。
さすが、M.ナイトシャラマン監督!!!
今日も素晴らしい作品に出会えて感謝致します☆
たまにオチがないシャマラン監督だけど
うちの娘をキズモノにしやがってと言うヒマもない
早すぎる❗
だいたい、普通の妊娠自体が10ヶ月で、あんなにでかくなるんだから、すごいと思うのにだよ。妊娠以上に早く大きくなる腫瘍なんかないんじゃないかとも思っているのにだよ。
それが3歳ぐらいの女の子があっという間に思春期になり、親がちょっと目を離した隙に6歳だった坊やの子を生んじゃう。おいおい、初潮が来るヒマもないじゃないか。排卵日いつだよ。えー、お赤飯炊くヒマもないぞ。早老症じゃなくて、早漏症じゃないと間に合わないぞ。チロウだとタイミングを逃すな。閉経しちゃうかもよ。
早すぎて、ついていけないよ。
わたしの若草物語の三女、ベビー・ティースの女優さん(エリザ・スカンレンちゃん)がまた観られてよかったけどね。
OLDっていうわりに、老けるのはそんなに早くなかった。閉経したのに気が付かない程度。早老症の急激な容貌の変化を特殊メイクで綿密に撮るのは大変なんだろうね。
傷が直るの早すぎ。ナイフで切った脇からふさがっていく。消毒しないで、人のお腹にみんなで手を突っ込むのやめてよ~
年取って骨が折れやすくなってんのに治る方が早くて変形したまま怪物化するシーンは作りたいだけですよね。若い人の骨折でならわかるけど。変形したままくっついちゃうの。
白骨化も早すぎて、葬儀屋いらない。
時間がものすごく早く過ぎているだけなのだから、てんかん発作を押さえるクスリの効果がものすごく長くなったって、喜ぶのどうなんでしょう。クスリの代謝はあんまり変わっていないんじゃないの?だってさぁ、代謝が亢進しているんだったら、どんどん水飲まないとすぐ熱中症で死んじゃうし、水飲んだら、オシッコばっかり行ってなきゃならんよ。セリフ言ってるヒマもないよ。みんな紙オムツだよ。だいたい、てんかん持ちの心理療法師(カウンセラー)に診てもらうの、こっちの方が不安だわ。
ルーファス・シーウェルは気持ち悪くて、いいね👍 ファーザーの不気味な介護福祉士だか精神科医師役からコブつき愛人とバカンスに来ているアブねーサイコパス外科医の役。
これは中学生がみんなで観てワイワイするのがいいような感じ。R18マイナスって感じ。
【僕は、シックスセンス病】
僕は、”シックスセンス病”だ。
これは、映画「シックスセンス」を観て以来、ナイト・シャマラン作品を観続けてしまう病なのだが、原則、ヒトヒト感染はしないことになっている。
しかし、誰かに強く勧められて発生した場合、ヒトヒト感染と同じではないかと主張する人もいる。
多くの人が似たような症状で、ナイト・シャマランは何か驚かすような仕掛けを考えているに違いないと過度に期待してしまうのだ。これが、シックスセンス病の根幹を成す症状だ。
まあ、僕の場合は「アンブレイカブル」は大好きだし、「ヴィレッジ」も、”そう来たかー”と思って観て良かったと思ったものの、その他は「シックスセンス」ほどの驚きはないし、まあまあかなみたいな感じなのだ。
んで、今回。
ナイト・シャマランは、やっぱり、発想力なんだと思う。
何故とか言う疑問は寄せ付けないのだ。
関係ないのだ。
だから、この場合、シチュエーションの推移をドキドキしながら見守らざるを得ないのだ。
ナイト・シャマランが、映画開始前に、ちゃっかり挨拶用フィルムに出てきて、ずっとスリラーを撮り続けてきたと言っていたが、そう、そのまんまなのだ。
あれ?これ、逆・浦島太郎じゃん?
とか、
まあ、人間は長生きし過ぎてるって皮肉っているんじゃないのか?
とか、
人は極限状態にならないと思慮深くならないもんな、
とか、
でも、本性が現れるのも極限状態だな、
とか、
あれこれ考えながら、そんな自分が勝手に設定した”伏線”がまったく回収されない作品に戸惑い、しかし、裏で暗躍していた〇〇(業種)企業を見せられて、なんとなく満足させられて席を立つ、これもシックスセンス病の症状のひとつだ。
僕はシックスセンス病を患ったまままだ。
ツッコミ所が満載のストーリー
美しいプライベートビーチが実は○○でしたというオチまでの怪現象がイチイチ微笑ましい、『ダークシティ』ミーツ『キャビン』みたいなニヤニヤ笑えるシャマラン印の不条理バカスリラー
仲良し姉妹のマドックスとトレントは両親とともに穴場の観光地、アナミカ・リゾートにやってくる。リゾートの雰囲気は最高でドリンクバーとキャンディバーが常備されていて二人は大はしゃぎ。しかし彼らの両親は実は離婚寸前でありこれが家族で最後の旅行であることを子供達に内緒にしていた。翌朝リゾートのマネージャーに薦められてもう一組の家族と共にプライベートビーチに案内される。余りにも美しいビーチに二人は大興奮、早速遊び回るが、そこでマドックスは女性の水死体を発見してしまう。しかしそれはそのビーチに起こる惨劇の序章に過ぎなかった。
結論、これはオモロイ方でした。しかしそれはシャマラン監督の作家性を予め承知してるからそう思うだけ、要するに「また、それか!」ってやつです。『シックス・センス』以来ずっとやってる、Aと思ってましたが実はBでしたというオチ。ということでその意外を楽しむための予定調和をニヤニヤしながら眺めるのが正。毎度毎度登場するシャマラン本人は今回はプライベートビーチ行き送迎バスの運転手、その顔がアップになった瞬間に弾けるまた始まった感がハンパないです。次から次へと起こる怪現象はどれも全然怖くないのでホントバカだな、シャマランと顔が綻びますが、どんどんと成長する子供達がついにあることをやっちゃったところでシャマランメーターがレッドゾーンに到達、あとはとにかく最後までニヤニヤ。要するにどこにもオリジナリティがない『世にも奇妙な物語』を2時間かけてやってるだけです。
それでも満足度が高いのはガエル・ガルシア・ベルナルの重厚な演技とトーマシン・マッケンジーの素朴な美しさ、それに加えてビーチのゲストの一人である外科医チャールズを演じるルーファス・シーウェルの怪演。SFスリラーの名作『ダークシティ』の主人公マードックを演じたルーファスが物凄く神妙な顔で「マーロン・ブランドとジャック・ニコルソンが共演した映画のタイトルって何だっけ?」ってしつこく訊くシーンが放つ狂気は最高に美しいです。というか、結局シャマランがやりたかったのって『ダークシティ』ミーツ『キャビン』だったってことですね、ご馳走様でした。
予告にあったバカっぽいセリフは本編にありませんでした。流石にカットされたんでしょうね、余りにもバカっぽいので。
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