劇場公開日 2021年8月27日

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「目に見えないもの」オールド 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5目に見えないもの

2022年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

時間とはなにか。実はそもそもよくわかっていないなと思った。時間は目に見えない。見えないものは怖い。時間の進みが異常に速いというのは、わかりやすい物理的な恐怖ではない。そういう恐怖を描くのは、ウイルスとかそういうもので阿鼻叫喚している現代にはマッチしているのかもしれない。人は生まれた瞬間からゆっくりと死に向かっているわけだけど、普通の時間の進み方の時にそんなことを意識している人が多くない。しかし、数時間で子どもが大人になってしまうような中では、時間て恐ろしいなと思えるようになる。そういえば、自分はいつも死に向かって歩んでいるんだなと改めて考えてしまう。
家族の物語としてもなかなか秀逸だった。ものすごい勢いで時間が進むので、子ども時代はあっさり終わり、大人になってしまうが、心はそれに追いつかない。親は老人になり、記憶が薄れていく。時間が進むというのは色々と残酷で哀しいことなんだと改めて認識させてくれた。

杉本穂高