「心はどうやって老けていくか」オールド masakingさんの映画レビュー(感想・評価)
心はどうやって老けていくか
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わずか1日のうちに人生で起こりがちな大半のイベントを経験すると、朝6歳や10歳だった子どもも、肉体の年齢相応の心の成長を遂げるものだろうか。
鑑賞中、ずっとそのことが頭から離れなかった。
子どもたちが、老いていく自分の両親の最期を看取ることに対する受け入れの姿勢が、どうしても解せなかったからだろう。
シャマラン監督の十八番である伏線は、もう20年来の経験により、緩やかに慣れてきたせいか、「あ、それ飲むと…」とか「その暗号」とかなんとなく予想できた。
だからもうつまらない、ということではなく、いいよいいよ、そうその調子!という温かい目で観ることができている。
それは、登場人物を救う鍵になるアイテムには監督独自の愛情のあるメッセージが感じられたからだろう。単に観客をあっと言わせてやろう的な野心ではなく、からくりを知ることによって愛や命、地球のことを考えようねと優しく語りかけてくるような意識の変化を感じた。もしかすると以前からこの監督はそういうことを伝えようとしてきたけれど、我々の方がどんでん返しや伏線に気を取られて、見過ごしてきたことだったかもしれない。「ハプニング」とかもそういう映画だったはずだ。
監督も年齢を重ねて、そのへんの見せ方が熟練の域に達してきたのかもしれない。
そのうち、ものすごく文芸的なスリラーでもつくりそうな、そんな新境地を期待してしまう。
今はその過程にあると考えよう。
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はなもさんのコメント
2021年9月11日
こんにちは。「心はどうやって老けていくのか」 題名に惹かれました。まさしく、この映画はその点が全くありませんでしたね。ただおどろおどろしくしていただけだったと。