「子供たちを襲ったおぞましい運命」オールド Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
子供たちを襲ったおぞましい運命
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少女を見ていられない
岩山と海流が生成する恐怖の海岸。肉感的な娘になってしまった主人公一家の姉と、薄く口ひげが生えてくる弟の姿に身が震えました。
更に恋に落ちてお腹が膨らんできた少女は、視覚的にはこの作品一番のスリラー。シュールですらありました。
助からない
「謎解きタイムスリラー」とキャッチコピーにあったから、何人かは命を失うものの、ギリギリ謎が解けて、元に戻るんだと踏んでいたのですが大ハズレ。むごい最期が待っていた。
複雑な事情や持病を抱えた大人たちは、皆、発作や、脱出のための事故で死を迎えてしまいます。
諦める
主人公一家の夫妻は、夜更けの海岸で脱出を諦める。どちらかは子供と必死で生き抜くはずと言う予測もハズしました。ここで二人は結局、誰も永遠には留まれないのだからと悟って、静かに天寿を全うする。遣りきれない哀しみ。
諦めなかった姉弟だけが、辛うじて悪事に鉄槌を下して物語は終わりました。
ところで、冒頭シーンで勢揃いするリゾートホテルのチーフとスタッフは怪しげな雰囲気を醸し出し、そのホテルは医療関係の会社と繋がっている。チーフの息子は何かを口封じされていて、家族向けの特別ビーチには岩山から監視の目が光っている。ビーチが医療の実験場と推測させるための、かなり露骨な伏線が張ってありました。
ただ種明かしはアッサリでも、その後のビーチでのスリリングな急展開に、シャマラン監督は自信があったのでしょう。美しかった波が、やがて悪意を持って大きくうねり出すのが、めちゃめちゃ怖かったです。
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