劇場公開日 2022年4月23日

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「インフルでらりってるペトロフ家と巻き込まれた周りの人達の因縁今昔物語。」インフル病みのペトロフ家 masayasamaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5インフルでらりってるペトロフ家と巻き込まれた周りの人達の因縁今昔物語。

2022年4月26日
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鑑賞方法:映画館

なかなかの怪作。ペレストロイカ直後のロシア、インフルで現実と幻想の境目がなくなっている漫画家のペトロフ氏とストレス溜まりまくりの奥さんの殺人衝動を中心に、それだけでも複雑なのに彼らに巻き込まれた人達との過去の因縁まで話は広がる。
だから時系列ていどのストーリーを追うより人を追う方が見易いと思うし、楽しい群像劇だと思う。モノクロの回想シーンは当時の懐古と批判が埋め込まれていてなかなか重いし、ペトロフ家の話しだと思ったら当時のロシアの状況の話だった、、、と理解しました。落ちもエゲツないよ。ロシア映画ってこういうちょっと怖い土俗的ユーモアあるよね。裸の老婆が箒持って踊ってたり、、、。
アニメやサイキックホラー的表現や、タルコフスキーやカラックスがやるミニチュア表現など外連味多いのは監督が演劇畑の人なので映像ならでは表現を楽しんでいるんだろうなぁ。Blu-ray出たらたぶん買う。

2021製作、ごちゃごちゃして見づらいけど、かなりインパクト。日本で作ると怒りと混沌のエネルギー密度が全然足りないから、もっと軽くなってしまうと思う。

因みにタミフルは当時米国でまだ開発中であった。

masayasama