「ほどよくライトでほどよく深刻。」元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
ほどよくライトでほどよく深刻。
原題は「HORIZON LINE」で、水平線を意味する。チャラめの邦題がかなりネットで批判されていたが、この映画のほどよくライトでほどよく深刻なノリには結構合っているような気がする。原題をそのままカタカナにして『ホライゾン・ライン』だとよくわからないし、直訳して『水平線』だと硬すぎる。チャラいノリの恋愛パートをサクサクこなし、その後はワンシチュエーションのパニックムービーに転じるのもいいサイズ感で、実際ポップさも感じられる。
どんなにありえない無茶な展開でもいちいち真面目に全力で対応する主人公カップルには応援する気持ちしかないし、結果、ほどよいジャンル映画として可愛らしくすらある。深夜にたまたまテレビで流れていて、「ああ、最後まで観ちまったよ、これ映画館行ってもよかったな」と思う。そんな出会い方がよく似合う。ジャウム・コレット=セラ組がいろいろ関わっているので、傑作『ロスト・バケーション』の空版としてもおすすめ。
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