劇場公開日 2022年1月28日

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「オールキャスト」ノイズ R41さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5オールキャスト

2024年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

オールキャストでこの作品に挑んでいる。
物語の流れには違和感は、ない。
島というそこに暮らす人々特有のものの考え方に焦点が当てられている。
そこに来てしまった「要因」と、主人公らの思い込みによって「事故」は起きた。
そしてその処理方法もまた特徴的だが、そこに新人警官が絡むことでより一層問題が複雑化してしまう。
ある種のドタバタ劇のように事故が事件へと雪だるま式に膨れ上がってしまう。
この作品のタイトルノイズについて、町長は「島を乱すノイズを排除しなければ」というが、これは島で起きた不要な出来事という意味だろう。
それを象徴するかのように要所要所の場面で不適切なモーツァルトの曲が流れている。
町長はジュンに対してとても不快な言葉を遣う。「あなたが全部やったことにすればいいのよ。そうすればこの島は守られるわ」
この瞬間、ジュンの心は大きく揺れ動いた。その後続く葬儀で、皆ケイタを持ち上げている。この時ジュンは一人寂しく縁側で酒を飲んでいた。
カナはそれに気づき、ケイタばかりが持ち上げられていることに気味悪さを覚える。
この時これが大きな伏線であり、描かれないジュンの心の闇を平行線としていることがわかる。
「島を守るため」 これが主人公ら島民のすべての認識であり、彼らの動機だ。
永瀬刑事らが一番うざいと感じていることだ。
やがて嘘をついていることに我慢できなくなったシンイチロウ警官が自殺する。
彼は全部自分一人でやったことにしたが、永瀬刑事にはそれが嘘だとわかっていた。
そこに島民すべてに対して一斉メールが届く。死んだ町長のケータイからだ。
「犯人は泉圭太」
島に現れた「要因」の死体発見で、すべてはケイタがやったことに変わる。
シンイチロウの墓の前で鉢合わせた刑事とジュン。
刑事はそれでも納得はしていない。「お前はそれでも幸せか?」
刑事に謎の言葉に反応するジュン。
そして大どんでん返しだ。
個人的には、この作品においてジュンの回想だけでジュンの気持ちは十分わかると思う。刑事が余計なことを言いすぎている感がした。それにジュンがカナの写真をサイコパスやストーカーのように壁一面に貼っておく必要はないだろう。
カナがケイタの帰りを待って二人が抱き合うシーンがあるが、助手席のジュンは降りてこない。それで十分伝わる。履歴書の工作を回想するシーンも不要だと思った。
その反面、冒頭の女児のナレーションを最後に持ってきて、女児が「みんなで一緒に」と言っているのは、家族ではなく母とジュンと一緒という意味をオブラートしている。
ケイタは面会でカナからジュンとのことを聞かされたのだろう。
ジュンがしたことは二人は知らない。この辺も分かりにくくなっている。
ジュンの回想と最後の面会ではわかりやすさが違いすぎている。
最後に狩猟するジュンの姿があるが、それは単純に狩猟だが、その獲物は間違いなく「ケイタ」だと思う。
島に来た「要因」の扱いと、それを導いてしまった保護官が少し軽すぎたかな。
それでも全体に面白く良くできている。

R41
Don-chanさんのコメント
2024年4月30日

R41さん いつもコメントありがとうございます。
今作は表面の軽さの裏に
深い人間の重い感情が潜んでいて
予想外のきっかけによって噴き出してしまい
大どんでん返しの展開になりましたね。
くどいシーンや大袈裟なところもありますが
最後まで飽きずに楽しめますね。

Don-chan
琥珀糖さんのコメント
2024年4月29日

共感ありがとうございます。
スター(藤原竜也、松山ケンイチ、黒木華、
永瀬正敏、神木隆之介)
主演級をずらりと揃えると、凄い悪人には出来ない。
そんな忖度がありますものね。
またまた脇役陣も豪華で、推理に説得力の無いのが
残念でしたね。

琥珀糖