「罠にかけられた気分」ノイズ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
罠にかけられた気分
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生真面目に頑張っている人々が運命のいたずらによって屈折し、幸せな家庭が崩壊してゆく様を淡々と描く、なんとも後味の悪い悲劇、こんな話なら観るんじゃなかったと思うが後の祭り・・。
冒頭から「家族で行った遊園地で食べたアイスクリームがおいしかった」という幼い女の子のモノローグ、ベートーベンの田園が町内放送でかかる中をフェリーから出た軽自動車が走ってゆく、なんとなくほのぼのとしたムードに心が緩んだのも束の間、いきなり殺人シーン、あらら、このギャップは何なのだろう、監督はただものではないと嫌な予感が見事に的中、ラストシーンでもアイスクリームのくだりが流れる悪趣味にはもはや唖然。
まあ、原作者、筒井哲也の人生観なのだろうが人間の弱さ、暗部をちまちまと描き、崩落してゆく平凡な日常を追うことに作家としての生きがいをもっているので致し方あるまい、観ようとしたのは自分の選択だから悪いのは自身の不見識、まるで罠にかけられた気分です。
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