「いちじくの樹の下には。 愛する故郷は楽園か、それとも牢獄か?」ノイズ たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
いちじくの樹の下には。 愛する故郷は楽園か、それとも牢獄か?
離島の田舎町を舞台に、故郷を守るために殺人を隠蔽しようとする男たちの顛末をスリリングに描きだすクライム・サスペンス。
島の期待を一身に負うイチジク農家、泉圭太を演じるのは『DEATH NOTE デスノート』シリーズや『カイジ』シリーズの藤原竜也。
圭太の幼なじみで親友、田辺純を演じるのは『DEATH NOTE デスノート』シリーズや『怒り』の松山ケンイチ。
圭太や純の幼なじみである島の駐在、守屋真一郎を演じるのは『千と千尋の神隠し』『君の名は。』の神木隆之介。
圭太の妻、泉加奈を演じるのは『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』の、名優・黒木華。
島へとやってきた不審者、古御坂睦男を演じるのは『勝手にふるえてろ』『見えない目撃者』の渡辺大知。
島を徘徊する老人、横田庄吉を演じるのは『シン・ゴジラ』『万引き家族』の、レジェンド俳優・柄本明。
事件を追って島までやってきた刑事、畠山努を演じるのは『64 ロクヨン』シリーズや『パターソン』の永瀬正敏。
原作コミックは未読。
”イチジク”がキーワードであることからもわかるように、本作は旧約聖書の挿話「失楽園」の変形。サタンの侵入により楽園が崩壊する…かのように見せかけて、実は最初から楽園など存在していなかった、というのがミソである。
無邪気で素朴な島のように見えて、実はその内部はグチャグチャのドロドロであり、これは作中度々登場する「イチジクの中身は気持ち悪い」というセリフが暗に示している。
横溝正史作品などに見られる「田舎は怖い系サスペンス」の系譜に連なる作品であるが、ジメッとした嫌らしさのようなものはない。
気候の良い離島が舞台であることも影響しているのかもしれないが、全体的にカラッとした思い切りの良い作風であり、サスペンスというよりはむしろブラックコメディに近い。
余貴美子と柄本明の乱闘なんて完全にギャグ!幼なじみ三人組の「コイツらホンマいい加減にしろよマジで…_| ̄|○」というリアクションも含め、めっちゃ笑ってしまいました😂緊張と緩和を巧みに利用したこのシーン、お笑いの教科書に載せるべき名場面です!
開始5分で人が死ぬテンポの良さ。次から次へと湧き起こる厄介ごと。鬼刑事との緊迫の心理戦。予想のつかない展開の応酬に、最初から最後まで全く退屈せずに鑑賞することが出来ました♪
ただ終盤の展開はあっさりしすぎというか、ちょっと粘りが足りない気はする。
松山ケンイチが裏切り者だった、という展開には意外性が欠けており、「まあそうだよね」という感想しか湧いてこない。松ケンが黒木華に片想いをしていることや藤原竜也に複雑な感情を抱いていることは、映画を観ていれば誰でも気付く。ここがわかりやすく描かれていたせいで、終盤の衝撃が弱くなってしまっていたように思う。うーん、勿体無い…。
実は娘が裏切り者でした…、くらいのトンデモオチを用意してくれていた方がまだ驚きはあったかな。
あとあのひまわりがどうたらこうたらの件、あれ意味不明。せっかくカラッとした印象だったのに、あの最後のポエムのせいで一気に辛気臭くなってしまった。最後の最後までブラックコメディっぽい雰囲気は維持して欲しかったっす。
とまぁ諸手を挙げて大絶賛!🙌…というテンションではないが、十分に楽しむことが出来ました〜。お気楽すぎず、深刻すぎずな、ちょうど良いお湯加減のサスペンス。こういうので良いんだよこういうので。
共感有り難うございます。
そう。おっしゃるように、ブラックコメディと言う解釈が正解だったんですね。
そしてイチジクが象徴していたものは、切り離し難いドロドロの、でも割にサッパリにも感じられるような混沌だったと言う訳ですね。
たなかなかなかさん
ひぇーー。
未だコメントが打てず、一時的で、ずっとそんなパターン。。
それは困惑するレベルですね。
573件ものレビューを投稿されているのに、いったいどういう事なのでしょう?? 早く元通りに使えるようになるといいですね。
たなかなかなかさん
コメントへの返信を頂き有難うございます。
新たな戦略かもしれませんね 🤔 …どういう 😵💫
映画界を牽引していくだろう若手俳優さん達の競演にワクワクしました。
たなかなかなかさん
しつこくてすみません。
本作も ! ですね。まるで神隠しのよう 👀
なんだか面白い!と思いつつ観ていると、突然B級作品のような展開に … 。なんとも言えないおかしみがある作品でした。