「エンディングを変えれば、別のジャンルの映画になってたか(完全ネタバレ)」ノイズ 熱帯雨林さんの映画レビュー(感想・評価)
エンディングを変えれば、別のジャンルの映画になってたか(完全ネタバレ)
殴り倒したのは子供を守る父親として当然の行動なんだから、正直に警察に行けば罪は軽い、大丈夫だよと思っていたら・・・。あらら、正当防衛のはずだったのが、変態男が子供に何ら関係してなかったのが判明して、単なる殺人に。ま、実際には過失致死だけど。でも島発展のためには捕まるわけにはいかないと言われ、なんとか変態男の遺体を隠さなければならない、隠蔽して何も無かったことにしようと。しかし、その後どんどん状況が悪くなっていく。偶発的なトラブルでますます死人が増えてしまう、という、書くだけなら、ブラックコメディーにもなりそうな題材。これが本なら笑えそうなストーリー展開で楽しめそうだな。でも、演者のいる映画だと、主人公らと一緒になって、どうするんだ?どうすれば良い?とハラハラ。でも、どんどんドツボに向かっているのがわかる。また、それぞれの演者も上手いわ。で、島民も協力してなんとか成功するのか、え?バレてしまった?どうなるんだろうと思ってたら・・・。
まさかのどんでん返し。このどんでん返しは私には全く予想外。あの男は邪魔者を排除できるかもと、主人公が誤って殺してしまったのを見てから気づいたのね。でも始まりは、何かの役に立つかと履歴書を見つけた時だから、映画のオープニング近くからだわ。実際にはもっと前から執着していたらしいことが暗示されるけど。こわっ。ある執念を燃やし続けていた粘着男だったのか。なら、あの部屋の病的な壁を写した場面でエンディングにしてれば、もっと良かったと思う。で、ニヤリとでもしてたら。ドス黒い変態が実は別に居たという、予想もしてなかったサイコストーリーで星の数増やしてたと思う。
ところで、終盤でのあの、主人公がわかってたんだよ、なにかしていれば良かったみたいなセリフを言うところ、ホントか?実はハメられてたのがわかる機会は無かったじゃないの。履歴書がよそから庭に持ち込まれていたのを知らないじゃないか。また、この場面で今までのサイコ犯罪映画ででもいけた話がなにかごちゃごちゃした印象に変わってしまったなぁと感じる。主人公は勘ででもお見通しでした、としなきゃならん?この場面は不要だわ。むしろ、無いほうが良かったんじゃないか。繰り返しになるけれど、あの壁の場面で終わっていれば、全く違った印象の映画になっていたと思う。惜しい。ちなみに、最後の最後の場面は絞首刑台へ行く途中だったのかな。町長死亡のを余分にかぶったわけだから。しかし、執行は明け方らしいから、単なる面会からの帰りか。あれが行く途中なら、それはそれで印象的なエンディングだけどね。
確かに、確かに、あの黒木さんだらけの壁面は衝撃的でした。私がめっちゃ黒木さん押しでもありますから 笑。でも、大変に奇妙な感想ですが、映画はどこで終わるか分かりませんね。