梅切らぬバカのレビュー・感想・評価
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もう一歩進めて欲しかった
成長した自閉症の息子と母親が2人で暮らしていた。息子は自立を目指してグループホームに入ることになった。
2人が寄り添って生きている姿は優しい気持ちにしてくれる。母親が自立を望みながらも寂しさに挫けそうになったり、グループホームで慣れない集団生活にストレスで爪噛みを始めてしまう息子。事件があってどう成長するのか、どんな一歩があるのかと思ったが、残念ながらそれはなく、元に戻って終わってしまった。
たしかに隣の家との関係はいい感じになり、幸せな雰囲気で終わるのだけれど、この親子のもう少し進んだ一歩が見たかったなと思う。
知的障害がないと?
知的障害と自閉症がセットのように思われると困ります。自閉症やADHDなど抱えていても知的障害がない人もいます。複合的に鬱やPTSDなど発症していても普通に声を掛けられれば傍から見れば問題なく話せてるように見えますし障害がないように見えます。結構誰と話しても言いたい事が何だったかわからなくなりチャンと伝わったか不安になります。知的障害は確かに大変だと思いますが知的障害なく誰にも気付いて貰えない人もまた大変です。健常者として扱われ「上から目線」「偉そう」「生意気」「一匹狼」など言われ本人が考えた事もないような気持ちのギャップに悩まされますから。なかなか目線が合わないのが「無視してる」て判断されるみたいですし。仕事は出来てもコミュニケーションが取れずに仲間外れそして嫌がらせに発展します、この映画を観るとお隣さんと和解してもご近所さんは偏見を持ったまま。これでは現実に苦しい状況に変わりはない、それに巻沿いをくう事はありがちです。映画でポニーを檻から出した事を忠さん一人のせいにして自分が勝手にした事なのに責められるのが怖くなってその場から逃げ出した事を泣いて反省しているけど現実は計画的な事も多く全部人になすりつけたり嫌がらせをする大義名分を作るため情報操作する人もいてます、ていうかそっちの方が多い。障害がある=怖い、気持ち悪いは唯の偏見。人を殺傷したり未成年に悪戯・虐待、老人虐待などは障害があるかどうかではなく性格です。それでも今は偏見をもって更に本人に投げつけるのが普通みたいなんで現実無くなる事のない問題ではないかと思います。
50歳の知的障がいの息子と暮らす母親。 いわゆる8050問題を正面...
役者は名優、タイトル好き
50歳になる自閉症の息子とその母親。隣人、地域、年齢、抱える問題達...
ほっこり
自閉症の息子を抱えて、年老いた母と二人。
社会の偏見と無理解の中でほっこりと、ユーモラスに生きていく親子の物語。
加賀まり子の雰囲気が良い。他の映画やドラマの加賀まり子はプライド高く、気が強く。嫌みな女性のイメージがしていたが。(あくまで主観ですが)
中年の自閉症の息子を抱えて、日々格闘しながら周囲や地域社会に理解を得るため、頑張っている母親役の加賀まり子は、凛としていながら謙虚で素敵だ。
今までの印象がガラリと変わり、温かみのある懐の広い女性に見える。
自閉症役の塚地さんも、いつもながら自然体で良く研究された演技であった。
この親子が地域の人々に偏見と、差別にさらされながらもやがて理解と協力を得ていくという内容で。普通に良い映画でした。
二人の演技が素敵だったのと、障害者とその家族を持つ方々に対する。謝った見方が胸に、刺さりました。
忠さんが愛おしい
人は誰しも梅切らぬバカな面がある
自分自身の日常にはない人々の生活を
切り取った良作でした。
描かれてるものは、事実に基づいてるの
だと思います。その面では考えさせられる
ことばかりでした。
「感動ポルノ」と呼ばれる某テレビ局
の番組をもてはやすのではなく、我々はこの作品で描かれる、世間の目の優しさと厳しさが存在する現実をもっと知らなくては、理解しなくてはならないのだろうなと思います。
決して大上段に構えるわけでもなく、
お説教じみた話でもなく、ある事情がある
家族の生活を簡潔に描いた作品。
けど、演者さん達の実力があるからでしょうが、雄弁にかたりかけてきます。問いかけてきます。
(あの事件の件はちょっと無理がありますが)
登場人物それぞれの立場になってかんがえると、頭がごちゃごちゃになってしまうほど、それぞれの正義は決してわがまま正義ではないと思うからです。
きっと、議論を重ねながら少しずつ進んでいくのでしょうね。
梅切らぬバカとは「対象に適切な処置をしないことを戒めることわざ」だそうです。
本編は障がいを持つ人、家族を通して描いていましたが、どんな場合でも当てはまること。僕は家族含め周囲の方々に適切な対応ができてるのかな?なんて考えちゃいました。
根気よく相対し続ける。
めちゃくちゃ大変だけど、それしかないのでしょうね。
軽い語り口で社会的包摂について考えさせられる
自閉症を持つ50歳を迎える息子とその母との暮らしを軸に、引っ越してきた隣人一家、支援者たち、地域の人々の関わりが描かれる。
フィクションだと思うが、障害を持つ人々への眼差しや地域社会で起こる問題は現実をなぞっており、それについてはフラットな目線で語られていると感じる。劇中でも解決しない問題が多いが、隣人との相互理解や、乗馬クラブの人が次第に自分の考え方に疑問を持つようにもとれる描写には希望も見える。一方、(主題ゆえのPC的思考かもしれないが)母親が売れっ子占い師で年老いても経済的に自立しているという設定には若干の都合のよさを感じた。
軽い語り口だが、社会的包摂についての重い問題を考えさせられた。個人の努力で周りの一人ひとりの理解を得ていくしかないのだろうか?
親がいなくなったら
ディティールがあり、友達のいない小学生、ポニー、乗馬場等、地域の要...
自閉症を持つ老母の話
母と息子の日々の喜び
自閉症の息子を抱える母の日々と喜び、そして将来を考える物語。起伏に富んだ展開ではないけど、何処か身近に感じられる家族。
その家族の周りの人物も間違ってない言動や行動なんだけど、誰もがもつ思いやりと人付き合いの大切さを感じさせてくれます。
近隣住民と疎遠になり壁を作りがちな今の社会だからこそ、人に寄り添い進む道を一つの家族から学ばされました。
思いを込めてそぎ落とされている
ご都合主義にならないように、過度にドラマチックにならないように、抑制をきかせたストーリー展開で、しみじみいい映画だった。書いたものや、ひょっとしたら撮ったものを、たくさんそぎ落としてこの形になっているんだろうなと想像できて、その丁寧な作り込みに感動する。なんでもない映画も好きだけど、どうしても伝えたいことがある映画もやっぱりいい。
みんなで晩ご飯を食べるシーンすごくよかった。そこを山の頂にするために、廃品回収車のアナウンスが聞こえるあのシーンは、泣かない演出になったんだろうな。NHKの番組で、加賀さんが涙を流したテイクはNGになったと紹介されていた。
その番組で加賀まりこさんがこの映画の宣伝をしていらして「(自閉症を患う人に)手を差し伸べなくてもいいから、微笑んで」と涙を浮かべながらおっしゃっていた。
障害を抱えた人が、周囲の無理解のために、単なる障害の影響以上に生きづらくなっているということ。私たちが知るべきたくさんのことの一つだなと思う。
火曜日にこの映画を観に行って、雨が降って寒い日だったけど、映画が終わって建物を出たら、完全にではないけどほぼ降りやんで、空も格段に明るくなっていて、何か特別な体験をしたような気持ちになった。映画館で観られてよかった。
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