劇場公開日 2021年11月12日

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「障害者を取り巻く環境をリアルに扱った作品」梅切らぬバカ ガゾーサさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0障害者を取り巻く環境をリアルに扱った作品

2021年11月28日
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自分は障害者の通う生活介護事業所で働いていて、家族からはグループホームの建設をずっと要望され続けていますが、人手不足で建設の目処が立たない現状を抱えています。
この映画がそういった内容だとは全く知らずに観てそういう題材なのかと驚きました。
ドキュメンタリーでは割と地域に歓迎されている事が多いのですが、そうでないと映画として成り立たないという事はあるのでしょう。グループホームを描いたフィクション映画としては「くちづけ」がありますが、あれは障害者に関わっている人全員を絶望に突き落とすクソ映画なので観ないほうがいいです。
この作品で描かれるグループホームと近所の関係や隣人との関係はリアルで、あそこまで露骨に反対運動までいくことはレアケースとは思いますが概ねああいう説明会のような事は日常茶飯事ですし、市役所もグループホームが運営できなかったら行き場のない人が出てきて困る割には法人任せという所もリアルでした。
この映画の惜しい所は「えっ、ここで終わるの?」というところでしょうか。この数年後に確実に起こるであろう事になんの解決も指針もなく終わってしまったのが残念てした。結局グループホームは親亡き後でも子供が生きていけるという安心の為にあるものなので・・・。

ガゾーサ