BILLIE ビリーのレビュー・感想・評価
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ダメ、その男、絶対!の繰り返し
凄かった。 『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』と間違えて観始めたのだけど、面白くて最後まで観てしまったよ。 なんという壮絶な人生!! 要所要所で挟まれる当時の黒人差別に怒りを覚えつつ、彼女のどうしようもなく誰かと一緒にいて自分の存在を確認したいという欲望になんかこっちまでおかしくなりそうになった。 才能を支える感性が、現実の彼女の生活面での心の安心感や豊かさをぶっ壊すような男性ばかり選んでいくのがもうなんとも言えない。 ルイ・アームストロングみたいに歌いたいっていうのがものすごく納得だし耳に残った。 この感動を持ったまま、次は『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』を観る!
これは彼女の歌を知る人にとっては衝撃であり、いつまでも残したい宝で有る。
生ぬるい時代ではなかった。 と、感覚では知っている。 映画は彼女を知る人のインタビューを中心に行われる。 同じ人間でありながら、人種で分けられた時代。 同じ人種でありながら、男女で分けられた時代。 インタビューで分かる光と影の部分がやりきれない。 他人の言葉は「噂」であり「うわべ」でもある。 これが実際の彼女でも無いし誰も知る由もない。 アメリカの光と影。 人間の光と影の記録。 この映画は宝だと思う。 今日も変わらずビリーの歌を愛している。 ※
全身全霊で歌う事で社会に抗議
リンダと言う記者が亡くなり膨大なビリーホリディ関係のインタビューが発見された。教師でもあったリンダは記者としても伝記をまとめたりもしていた。 ビリーホリディなる名は有名だが、この映画で初めてビリーホリディの歌を聴いた。すごい歌手として名を馳せたのだが、正直ダイアナロスやロバータフラックの様なインパクトは感じられなかったね。ボルティモアで生まれたビリーホリディは貧乏だった様で、14歳でニューヨークへ出た。人種差別も激しかった様で客は正面から入ってもビリーは裏口だった。黒人歌手が歌えないホテルもあった。全身全霊で歌う事で彼女は社会に抗議したのだった。しかし麻薬にも手を出し警察はビリーホリディ逮捕に向けて努力していた様だ。何度も逮捕されたビリーは心不全のため44歳で亡くなった。偉大な記録映画かと思うが、感動作ではなかったね。劇場で観なくて良かったかも。
「天邪鬼」は「あまのじゃく」って僕も人からアマノジャクって言われる...
「天邪鬼」は「あまのじゃく」って僕も人からアマノジャクって言われるけどね。自分から相手を怒らせる行為はしないけどね。
アマノジャクって言われても無視すれば良いのさ。
ビリー・ホリデイの歌い方は独特で泣くように聞こえる。映画の中でも『泣く』話をしていた。日本にも形態を真似た歌手がいた。美空●ばりさんだ。しかし、我がオジキ曰く。美空ひば●の方がビリー・ホリデイよりも歌がうまいって言っていた。実際に聞くと確かにひばりさんは歌がうまかった。
『ラヴァーカム・バック・トゥ・ミー』とか『クライ・ミー・ア・リヴァー』は英語の発音も含めて、あの演歌歌手とは思えない。今はAmazo●で聞けると思うので、是非。
追記 『チャールス・ミンガス』が登場した。大阪公演のサイン持っている。我が愛するJAZZMAN。奇妙な果実の時にピアノ弾いているのはまさか『マル・ウォルドロン』じゃないか?『レフト・アローン』って曲で有名。母が唯一聞けたJAZZだった。
また、話が身内話。アマノジャクって言われる。
レディ・デイとリンダ
関係者が登場して偉人を語るインタビュー映像ばかりな定番のドキュメンタリー映画に飽き始めた昨今、カラー映像で蘇るビリー・ホリデイの歌唱シーンが鮮烈でそんな彼女の生い立ちから生涯の全てに暗い影が幸せの一欠片でさえも望めない、ジャーナリストであるリンダが1960年代から10年間に及ぶビリー・ホリデイに関わる人物にインタビューをした録音テープの音声で構成された本作、ジャズに詳しい訳でもビリー・ホリデイについて無知過ぎるので入り乱れる人物に混乱してしまう複雑さ、これをリンダ自身で世に出せなかった無念と音楽映画として明るくて楽しく鑑賞することは出来ないビリー・ホリデイの生き様に驚くばかりで。 人種差別や薬物依存、ダイナミックに思える男関係や同性愛、付き合う男性からの暴力や虐待に対するあの時代の考え方が今では全く通用しない、少しニーナ・シモンとも似たような境遇で、男から搾取される女の図だけは今も変わらない事柄なのかもしれないが、生きることに不器用すぎて痛々しい。
激しく、あまりに短い人生
誰もが知るjazzシンガー、 ビリー・ホリデイのドキュメンタリー。 独特な歌声が魅力的な彼女の代表曲とも言える 『Strange Fruit(奇妙な果実)』 何気なく聞いていたこの曲に込められた意味を知って 愕然とした。 「私の為に作られた曲です」と感情を押し殺しすように歌い上げる彼女の姿に、震えた。 そして『God Bless The Child』は14歳で家を出る時 母に言われた言葉をそのままタイトルにしたのだそう。 〜神のご加護を受ける子は自分の力で稼ぐ〜 そうしてやがてアメリカ1と言われるjazzシンガーとなったビリー。 けれど、ビリーは黒人だった。 多くの黒人jazz men達がそうであったようにビリーもまた人種差別と薬物との戦いに翻弄される人生だった。 私が知るビリーのポートレートはほっそりとした高齢女性のイメージだったが、なんと、 その姿はふくよかだった彼女が44歳で亡くなる数年前のものだったのだ。 あまりに短く、壮絶な人生。 今作はビリーの伝記の為に10年以上に渡って関係者へのインタビュー取材をしながらも、 突然謎の死を遂げた若きジャーナリスト、リンダが残したテープが発見された事で、 インタビュー音声と実録フィルムを合成して制作されたドキュメンタリー作品。 最後に姉の死に不信感を抱くリンダの妹が語る。 警察は飛び降り自殺と断定したが、 路上で発見された遺体は姉がいつも寝る前にやっていたフェイスマスクをしていた、と。 奔放に激しく生き、歌った、 ビリーの伝記の出版を何者かが阻んでいたのだろうか?
What's True…Nobody khows.
周りが、どう見ていたのか? 何を感じていたのか? それも、語った人の真実かもしれない。 当事者がなくなってから、周囲の語りを真実とするのは、難しい気もする。 ほんとのことなんて、時間の経過ととに意味が変わっていくもの。 ビリー・ホリデーを知ろうと取材していたリンダの死が、何を物語っているのか。 人種差別の歴史も絡み、アメリカの闇がまた浮き彫りになったような。 不都合な真実が、そこにはあるのだとスッキリしないモヤモヤが残ったかな。
【“二つの奇妙な果実”ビリー・ホリデイの波乱万丈な人生と、彼女の生き様を追っていた女性ジャーナリストの不可解な死をミステリータッチで描いた作品。】
ー 冒頭、若き女性ジャーナリスト、リンダの不可解な死が告げられる。 彼女は、ビリー・ホリデイの多くの関係者にインタビューをしていたのである。 可なり、立ち入った内容まで・・。 今作は、彼女のインタビューの録音テープを再構成して製作されている。ー ◆感想 1.冒頭から、物凄い人数の、ビリー・ホリデイに対する想いが映像もしくはテープで語られる。 2.そこで、語られるのは ・ビリー・ホリデイが13歳の時から、売春していた事。 ・異様なほどの、男好き且つレズビアンでもあり、多数の男とフツーに寝ていた事。 ・ろくでもない男達との付き合いの中、麻薬に溺れ、麻薬捜査官により、逮捕勾留された事。 ・マゾヒストだったらしい事。 ー付き合っていたろくでもない男から、殴られてもその後すぐに体を交えていた事。ー ・精神的に不安定な人間だった事。 □今作では、ゴシップ雑誌のような、真偽不明な事が多数語られる。 だが、今作の重要さは、黒人への人種差別が横行していた時代に、彼女が歌一つで、富を築いた事と ”奇妙な果実”を、ステージで歌い続けた事実である。 彼女が”奇妙な果実”を歌い始めると、白人の客がゾロゾロと、会場を嫌な顔をしながら出て行く姿・・。 彼女が、ステージで”奇妙な果実”を歌うシーンはキチンと、見せて欲しかった。他の曲も・・。 ドキュメンタリー作品として、構成が勿体ないなあ・・、と思った作品。 <それにしても、享年44歳とは、麻薬過剰摂取も原因なのであろうが、早すぎる死である。 彼女も、リンダも”奇妙な果実”として、木に括られた犠牲者であったのであろうか・・。> <2021年10月10日 刈谷日劇にて鑑賞>
知らなかったビリーがいた
これはビリー・ホリデイのアンソロジー。 ジャーナリストのリンダ・リプナック・キュールが1960年代から10年かけて行った関係者に対するインタビューを基に構成されたとのこと。リンダが謎の死を遂げ、インタビューのテープも永い間眠っていたようだ。 知らないエピソードが一杯あった。 知らなかったビリーがいた。 凄く勉強になった。 何よりビリーのライブ映像が貴重だ。 映像、音とも過去一のクオリティ。 それだけでも観る価値がある。
これではレディ・デイが浮かばれない。
久々に見た超胸糞悪い映画。
何故なら全く彼女の芸術に対して踏み込んでいるところが無いからだ。
誰でも彼女の私生活が滅茶苦茶だった事くらいは知っている。
それなのに何故彼女がヤ◯マンのセ◯クス中毒で
男も女もいける両刀使いでドMで
薬はやりーの、金には汚いの、男には騙されーの
黒人だから白人に差別されーの、子供の頃にはレ◯プされーの。
まあありとあらゆるどうでもいいと思われる情報をあげられ
そんなゲス野郎だから歌が歌えたんだと言わんばかり。
それどころかベイシー翁やシンバル・レガートの創始者であるパパ・ジョー・ジョーンズをまるで嘘つきや
悪人同然の描き方をした罪は重い。
彼女が根っからのヤ◯マンだろうがヤク中だろうが
彼女の崇高なる芸術に焦点を当てるべきで
そこに全く焦点が当たっていないところが
自分はかなりの欲求不満を感じた。
それにまたこれはレディ・デイの生涯に焦点を与えてはいるが
インタビュアーの人生に掛けてもいて
それが明らかに蛇足。
そもそもレディ・デイをことほど左様に露悪的な仕打ちをしたヤツの生涯なんて聞きたくも無いし
知りたくも無い。
おまけに最後これは誰かにインタビュアーが殺害されたのだと言うしめ方で
おいふざけんな!と制作サイドに一言言ってやりたいほど頭に来た。
ビリーの歌は歌詞を噛み締める。
レスター・ヤングのサックスに影響を受けていると言われるくらいなので
歌い方は非常にシンプルでゆったりした歌い方をする。
その歌い上げ方はレスター・ヤングそのものと言っていいほど似てる。
ただ彼と違うのは歌詞をまるで1音1音を口に含めるかの様に歌詞を噛み締める。
そこが彼女の真骨頂であるのに
時折彼女の歌うシーンが挿入されるだけで
彼女の何処が素晴らしいかとか
普段の生活はボロボロでも彼女の歌は燦然と光り輝いていたと言う言葉が欲しかった。
晩年のベイシー楽団との演奏「言い訳しないで」では
クスリ着けなのかろくに食事も取ってないから痩せ細って妙に老けた姿と
酒焼けして皺枯れたのか彼女の声が聞こえる。
左様にコンディションは最悪なのに
彼女の悲しいほどの可憐な恋心が聞こえてくる。
「貴方言い訳はしないで。わたしが貴方を愛してるのは知ってるんでしょ?他に女がいるのは知ってるのよ。でもそれでいいの。貴方がいてくれればそれだけでいいの。でも言い訳されると私が惨めになっちゃう。だから言い訳しないで!。」
最後にピシャリとDon't Explain!と彼女は言い放つ。
それを聞くと此方がドキリとする。
「奇妙な果実」も名唱ではあるけれど
黒人が人種差別されたと言う話とグロテスクな歌詞の内容ばかりで辟易する。
確かに彼らは差別をされただろう。
でもそれと同時に彼らの作り上げた音楽は輝きを放っていた事には間違いない。
何故その差別されたと言う方ばかりを取り上げて
彼らの偉大な芸術に光を当てないのだろうか?
彼らは別に差別されたからジャズができる様になったわけではない。
そこがなんともイライラしてきてたまらないのだった。
正直映画の出来は一つ星でいいと思う。
しかし意外とふんだんにビリーの歌唱シーンは使われている。
そこだけは良かった。
イライラしてるとまるでオアシスの様に彼女の歌が挿入される。
ほっと一息つくと「彼女はヤ◯マンで薬中だった。」みたいな話の連続。
久々映画を見て怒りを覚えた。
なお文章中不適切な表現があると思うが
「ビリーはBitchでSex Addict」みたいな書き方では伝わらないと思った為に
敢えて日本語で近い言葉を選んだ。
他に他意はない。
許して欲しい。
ジャズ界の闇
ビリーホリデーは次々と現れる魑魅魍魎のヒモ達のDVに遭いながら薬に溺れていく。
ハードMだった模様、、、
ビリーを取材した女性ジャーナリストは謎の死を遂げる。
インタビューをした関係者たちが事件に関係あるようなジャズ界の闇を示唆するような結びだった。
ドキュメンタリーとしては掘り下げ不足で全体的に薄っぺらい。
彼女の人生を追った記者の執念に脱帽
ビリー・ホリデイという黒人女性歌手については、数々のアメリカものの本で名前を見てきた(記念切手にもなっている)し、FMで流れた特徴ある声を覚えていたが、どんな人かは本質的には理解していなかった。 彼女の伝記を書こうと8年も取材中だった白人女性ジャーナリストが謎の死の後に残した関係者のインタビュー録音や取材メモで作られた素晴らしいドキュメンタリーで、これまで見たどんな伝記映画よりも素晴らしかった。このジャーナリストは黒人公民権運動を見て、その前の時代に生きていたビリーの伝記を書くことに没頭したようだ。 南部での黒人へのリンチを歌った「奇妙な果実」は初めて聞いたが、凄い曲である。証言も生々しく、黒人差別の実情や、ドラッグとセックス漬けの日々まで明らかにされた、文字通り丸裸の伝記だった。ビリーその人も凄いが、一人の人間の人生にここまで肉薄し、文字通り命がけの取材をした記者の執念に感服した。
ビリーホリディのドキュメンタリーであると同時に、ビリーを10年に渡...
ビリーホリディのドキュメンタリーであると同時に、ビリーを10年に渡って追いかけた作家のドキュメンタリーでもある。ビリーの人生が壮絶であったことは本や雑誌などでも知ってはいたが、まだまだ知らなかったことも沢山あった。貧しい幼少期、人種差別が酷かった時代を生き抜いたミュージシャン。映画の中で歌うシーンが出る度にビリーの歌が今まで以上に心に響いた。もっと早くに出るべき映画だったと映画の中でも語られるが、まさにその通りだと思う。
とても良い映画
この作品は、ビリー・ホリデイの伝記ドキュメンタリーであると同時に、この作品の元となった大量の取材テープを残して謎の死を遂げたジャーナリスト、リンダ・リプナック・キュールのその謎の死因に迫り、音楽業界の裏側を告発している。その構成は見事で、ビリー・ホリデイの人間像に迫りながらも、同時にビリーの周辺の人々が彼女の事を語る事で、自らの立場をも赤裸々に白日の元にさらしていく。そういった部分は、まるでミステリー作品を観ているかのようで、2時間全く飽きない。もしジャズに興味があったり、彼女の歌を聞いたことがあるなら、ぜひ劇場へ…。 一人のジャズ・シンガーのドキュメントならず、アメリカの暗黒の音楽史でもある。 *ジャズ・シンガーのドキュメントではあるが、彼女の音楽的な面での事はあまり語られていなかった…と思った。どちらかと言うと、スキャンダラスな面に偏っていたかも知れない。そういう意味では、少し物足りなさがあるかも…。
Strange Fruit の衝撃
1959年に44歳で亡くなったビリー・ホリデーの生涯を彼女の歌の歌詞と大勢の友人、関係者のインタビューの証言をかぶせて描かれるドキュメンタリー風映画でした。彼女の歌は彼女の身近の人ことを感じさせるものが多い。シンガーソングライターといえるも、当時は一曲300ドル程度の契約で、著作権もなく、搾取されていたといってもよいだろう。
Strange Fruit の衝撃。
Don't Explain の重み。
ビリーのファンで伝記作家のリンダは膨大なインタビュー音源を残して、1970年に不審な死にかたをしている。作家でありながら、遺書もなく、毎晩欠かさなかった顔パックをして、パジャマ姿で、飛び降り自殺として処理された。リンダの姉の証言には当時(公民権運動後)のワシントンDC警察の闇を感じざるを得ない。ビリーの麻薬捜査担当官はいかにもイタリア系マフィア風。
メリーランド州のボルチモアで生まれで母子家庭で育ったビリー。父親はバンドマン(ギタリスト)だった。15歳の若さですでにニューヨーク、ハーレムの非合法クラブでのステージを踏んでいたが、故郷のストリートでは少なくとも13歳で売春をしていた。しかし、それは彼女がふしだらなのではなく、極めて刹那的に生きていたからだと語られる。刹那的とはその頃、その場所では当たり前のことだったと言いたいのだと理解した。禁酒法時代のハーレムのクラブには裕福な白人が押し掛けていた。純粋にクラブの音楽ショーだけを目当てに訪れるものは少なく、ショーがはねたあとの買春目当てのものがほとんどだったらしい。
南部の州での地方営業でのエピソードはグリーンブックを思い出す。
彼女を見出だしたいかにも紳士然とした白人のレコード会社のディレクター(ジョン・ハモンド)とも寝たとの証言。当時、彼女は18歳。ショービジネスマンの役得にしても、黒人への差別はありながら、することはするみたいな話しには嫌悪感を禁じ得ない。多数の恋人の多くはバンドマン。優しい音を出すアーティストにとくにぞっこんだったビリー。本当は刺激ではなく、優しさに餓えていたのではないかと思った。しかし、年をとってからはとっかえひっかえ。最後のレイ(ヒモ)との関係はDVがメイン。それゆえ、マゾ的気質や精神病的気質、衝動性のせいだとするまとめかたにはちょっと違和感というか疑問を感じてしまった。アルコールや大麻、コカイン、ヘロインもやって、痩せ細って、年齢不相応に老けてゆく映像は痛々しかった。
時代はちょっと違うが、大腿骨頭壊死(原因はアルコール)を発症し、52歳で亡くなった美空ひばりと似ているなぁと思ったりした。
リンダが亡くなった年は1970年、38歳の若さだった。ユダヤ系で美人。プロポーションも抜群。ビリーの取材を通して、大物ミュージシャンとも親しくなったリンダ。いい女が志し半ばで亡くなるのはとても忍びない。
生まれも境遇も全く違うリンダがビリーに共鳴し、しかしながら、なかなか伝記を仕上げられなかったのはリンダの完璧を希求する性格が災いしたかもしれないと姉は言う。どちらも変わり者と言ってしまうのは簡単だけれども、この二人の鎮魂にこの映画の果たす役割はとても大きいと思った。合唱。
ファンは十分に楽しめると思います。
ドキュメンタリーと言ってよいのかな? 未公開(かな?)の彼女に近かった関係者のインタビューで構成されたビリーホリデイの生涯をたどる作品です。インタビュアーの不可解な死や、ビリー本人の決してハッピーではない生涯もあり、ダークな印象です。当時のアメリカの国、ショービズ界の闇を見せてくれます。 僕はビリーホリデイについては詳しくないです。wikiで読んだ程度の生涯の情報です。多分知られていた事実に証言が重なっている程度なのかな?と。きっと、良く知った方であれば、あ、あの人が話してる!って盛り上がるのかもしれません。 ただ、全体的に掘り下げ度が少ないかなっておもいました。長年取材をしていたわりには、浅いイメージ。もしかしたら、公にできないことが山ほどあるのかもしれません。取材者が怪しい最後を迎えてるって辺りがきな臭いです。にしても、あまりにも彼女を浮き彫りにできていないかなぁ。人種差別がひどい時期の話が大半なので、この時期に作ったのかな。物足りなかった。 なんか、bsか、csの番組みたいだったな。 けど、JAZZファン、ビリーファンは楽しめるのではないでしょうか?
単なる音楽映画ではない、哀しいパーソナルヒストリーでした。
ビリー・ホリデイのドキュンメタリーであると同時に、その人生の真実に迫ろうとして志半ば、謎の死を遂げた作家リンダ・リプナック・キュールのドキュメンタリーでもあった。(アメリカのちょっといいお家は60年代でも8ミリ映像が結構残っているのだなあと、感心してしまった。)全編、明るいアメリカにおける闇が出ている。録音テープの中で、諸般の事情でお蔵入りになっているものもあるのだろうか、と勘ぐってしまう。 生育歴の最初がそもそも悲惨だったのを知った。彼女は「不幸である時にしか幸せを感じない」運命にあったのだと思う。だからこそ、歌の中の「言葉」が真実として人々に届いたのだろう。偶々天賦の歌の才能があったことで歴史に名を残したけど、同じ時代を生きた無名のビリー・ホリデイたちにも思いを馳せて見た。 個人的体験としては、昨日見た「ビリー・アイリッシュ」(2001年生まれ)との対照がすごかった。
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