「本筋より脇役のキャラクター設定が非常に生きている作品」モンタナの目撃者 徒然草枕さんの映画レビュー(感想・評価)
本筋より脇役のキャラクター設定が非常に生きている作品
何やら大がかりな犯罪組織らしきものに狙われる子供をアンジェリーナ・ジョリー扮するヒロインの森林消防隊員や、周囲の人々が山火事の中を助けるというお話。
ストーリーには特筆すべきものはない。ヒロインの役柄も、過去の山火事で子供たちを見殺しにしてしまった心的外傷を妙に強調するものの、あまり意味があるとは思えない。
しかし、この作品は脇役のキャラクターがとてもいいのである。
とくに生きているのが殺し屋コンビで、ごく普通の実直な会社員のような外見なのに、実はタフで冷酷で頭がよくて決して諦めない真面目な殺し屋ぶりが何とも面白い。
次いで、保安官のその奥さん。保安官は面倒見のいい兄貴タイプで、ヒロインとのやり取りが楽しいし、奥さんは殺し屋相手に逆に手ひどい火傷を負わせたり、馬で追跡して鹿狩り用の銃で一人を仕留めるというのだから、痛快である。
そのほか、保安官の上役らしき人物の朝食、ステーキを細かくナイフで切って食べる仕草も魅力的だ。
本作のセールスポイントは大がかりな山火事シーンで、実際にかなり広い面積に植林して、撮影用の森を作って撮影したそうだ。なかなか大変だったと思うが、さてそこまで苦労した効果はどれほどあったのか、ちょっとクビを捻ってしまう。
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