前科者のレビュー・感想・評価
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浅い話、浅い脚本
自身が他人によって護られ、恨みを買い、自責の念を感じつつも保護司になる話。
人を更生させたいと言う割には、その人のことを知らない、バイトはすぐに切る、危険も顧みないほどにフットワークが軽い。
子供が転んで「立ちなよ」?何をもって「寄り添う」なのか。
冒頭の浜辺のキスシーン、部屋での濡れ?シーンの意味とは??
最後2人で話すシーン、口下手と言われていた男めちゃくちゃ喋る。かと思えば保護司のあくび?のようなもの。垂れ続ける鼻水。
そして詩集に書かれた「なぜお前は生きている」
勝手に読まれ「人には触れてほしくないモノがある」?じゃあなぜそこに置いている?
なぜ中原中也?なぜ持って帰った?なぜ大人になって高校に入れる?図書室で惚れるだの会話するな。
所々にあった雄叫びのシーン。彼女の鬱憤は誰によって解消されるのか。人を支えるには幾分かは支えられてなければいけないと思うが、家族や親しい人の描写が一切ない。
映画で何を伝えたかったのか?保護司を取り上げたかっただけの脚本にしか見えない。
追記•追追記を書きました
wowowで1~4を複数回観ても良かったので
是非劇場版もと、鑑賞した。
有村架純の演技は上手いし、違和感ないのだが、保護司としての言動として考えると、年齢的に若すぎるように思った。
特に今回、
特に終盤森田剛が待つ病室に乗り込む場面でのセリフは、20代の女性が殺人の犯罪歴があり担当弁護士を殺す可能性のある年上の男に言えるものではない。半年顔を合わせていたからといって連続殺人犯の弟と行動を共にしていた男である。病室から出て来る時も若きヒーローのように映されていてますます違和感。
どんな犯罪でもちょっとしたきっかけで大きくなるかとも思うが、TVドラマ版ぐらいの保護司ならぎりぎり身の丈に合ってそうだが、映画版だと5,60代の人生経験豊富な俳優が適していると思った。不勉強だが、若さの弱さより人生の様々な事を経験した包容力の方が必要ではないか、と感じた。ただ、保護司という無報酬の人助けを理解するきっかけとしてはいい作品だと思う。
有村架純の花で観客動員を狙ったのだろうか。年配の男性が多かった。
追記:
ドラマで渡瀬恒彦さんが保護司を演じてられるのを観ました。元刑事だったので事件も絡んでいました。保護司として担当している方が事件に巻き込まれるのを次々と解決していき、殺人事件の犯人になりそうな人をも真犯人を見つけ救います。
有村架純さん渡瀬恒彦さんお二人共私生活の出来事が原因で保護司になり真面目に真摯に対象者の更生を願い援助しています。
しかし、人生経験が違います。辛い事苦しい事をたくさん経験して人の辛さ苦しさを深く理解して諭したり助けたりしています。
やはり、保護司という人助けには年齢が大きく影響すると思いました。
追追記:
原作漫画を読んでられるレビュアーの方に教えていただきました。原作漫画の主人公が、
若い女性であったこと。漫画の主人公なら、
その方がいいですよね。
現役保護司を担ってくださっているレビュアーの方に教えていただきました。
実際に保護司をしてくださっている方の年代は
4,50代以降であるとのこと、20代は、まずいないという現実。
正義の歪みが根底に見られる
映画の出来は、素晴らしい。
だが、正義の歪みが根底に見られる。
決して忘れてはならないこと、最も悪いのは犯罪者であり、最も報われないのは被害者であることだ。
工藤誠も実も最初は被害者ご遺族だった。
犯罪者も始めは何かの被害者だ。
だから、まず寄り添うべきは被害者である。
それを決して忘れるべきではない。
〝更生〝した父親は許される。
全ての殺人を引き起こしたのは、彼だ。
悪に、被害者に、犯罪者の生い立ちなど関係ない。
悪は悪で、目には目、歯には歯、命には命を。
これが唯一の人間の公正である。更生してる場合じゃないよ。
人は人を裁けないので、世の中に公正は永遠に存在することはないだろう。
後、保護司って危険すぎる。女の子が殺人犯の家にのこのこ夜行くとか、ありえない。
あとほぼデートやん。牛丼美味そすぎた。
映画としては楽しめました。
保護司と殺人前科者の人間ドラマ
・復讐(更なる殺人の可能性)によるスリリングな展開
・警察捜査による真実の追及、謎解きサスペンスの要素
・隠された恋愛/禁断の恋愛の可能性(保護司と警官/保護司と殺人者)
・殺人者の正当性論理(法と情)の問いかけ
・更生とは?の問いかけ
・ネガティブポイント
保護司の越権行為が多く、リアリティをなくしてしまっている。
弁護士が身元調査なしで刑事事件を引き受けるわけがない。
更生
犯罪を犯した人の更生。
そしてそれをサポートする保護司の物語。
有村架純演じる保護司の阿川が本当にまっすぐで良い人だった。
弁護士も、警察も、それぞれの信念で動いている。
被害者たちに悪いところはあったけど、それぞれに家族がいて、その死を悲しむ人たちがいることだろう。
メインの流れは救いのないストーリーで観ていて辛くはあったけれど、最後、復讐を止められて良かったなあと、それは救いだった。ラーメンを一緒に食べてほしい。
しかし、保護司が無償で働いているということは知らなかった……。お金を出すべきなのでは……。
病院でペンぐりぐり、怖ない?
あのシーン怖すぎない?
んでこいつらも悪者だったんかい〜って思ったらそれは違うんかい…
牛丼とラーメンが食べたくなる映画。
言い方悪いけど低所得?の象徴なのかなあ。
終盤。病院で補聴器を外して高音が響く場面。緊張が高まる。入り込みました。
「これ以上被害者を産んではいけない
これ以上加害者を産んではいけない」
はっとさせられるセリフ。
本の落書きを消しゴムで消したあと。
『友達』を驚かせたときに初めてでる阿川の満面の笑みにどこか安心しました。
ストーリー 84点
配役 93点
音楽・映像 82点
全体 87点
見せ方によっては、、
保護司。初めて知りました。
フィクションもあるだろうけど、
生計はコンビニバイトのみ。
無償でこんなにも人のために?しかも犯罪者のために時間や時には(食費とか交通費)お金を使う仕事、、。すごいですね。
もし再犯してしまったらその責任を負うかもしれないのに。。。普通の人じゃ到底できないですね。
見せ方によっては、『弟』の存在を最後まで隠して引っ張ればどんでん返し系のストーリーになりそう。
職場で殺したのもきっと、弟なんじゃないの?と思ったし、兄は弟に利用されてた。(弟が精神的におかしかった、とか兄が自分より可愛がられてたから、とか理由なんていくらでも付けられそう)なんて。。
でもきっとこの映画は、それをしたいわけじゃなくて
保護司の仕事を見てほしかったんでしょうね。
それにしても森田くんはヒメアノ〜ルで役者として、衝撃を受けましたが、今回もスゴイ。
本物みたい。無口で、話す間や表情が怖い、、、
当然人殺しは決していけないことだけど、
じゃあ、あの警官や、児童相談所の対応は?
未だに児童相談所が訪問に来ていたけど、子供が殺された、というニュースは、時々ありますが
DV被害者や子供にとって頼みの綱があれじゃ、ある意味殺人に加担してることになりませんかね。
ごめんなさい、じゃ済まないよ。
警官の鈴木さんが病棟で警官に怒ってくれて、少し救われました。
保護司は、やったことに否定はしませんでした。
だって、どうしようもないから。否定も肯定もできない。
ただただ、待つ事と、信じる事だけしかできません。
保護司の過去も、蓋を開ければ全然深くなくてあの立場なら逆に犯罪者を憎んだりしそうだなぁと。。。恋愛要素は本当に要らなかった、、
あの兄弟に焦点を当てるか、保護司に焦点を当てるかで映画の印象が変わってくる映画でした。
(個人的には、保護司はほとんど要らなくて兄弟の救われないノンフィクション、ドロドロの映画の方が好みだなぁ。)
森田剛の演技力
森田剛はV6で歌ったり、バラエティに出演しているアイドルのイメージしかなかったけれど、ラストの演技力が俳優として素晴らしかった。
無防備に何人も銃殺したり、リリーフランキー演じる元受刑者と有村架純が演じる保護司が簡単に接触できたり、不自然な展開だと思う点もあるけれど、このストーリーは保護司という職業にスポットがあたることに意義があるので、鑑賞する価値はあった。
現実には、森田剛兄弟の生い立ちのように同情できる背景のある元受刑者ばかりではないと思うので、より大変な職業だと思う。ボランティアだというのなら尚更だ。
寄り添う者
犯罪や非行を犯した人たちの更正や社会復帰をサポートする“保護司”。
本作と同時期に公開された『ノイズ』でもチラッと登場したものの、すぐ殺される散々な扱いだった為、本作が作られて良かったと本当に思う。
ここまで真っ正面から題材にした作品は多くなく、仕事内容や保護司そのものについても漠然としか知らず、詳しくは知らない。本作で初めて存在を知った人も多いとか。
一応は国家公務員。が、非常勤で、何と無給! ボランティアに等しく、二足のわらじで生計を立てなければならない。
信じられなかった。こんなにも大変で、こんなにも稀有な存在が無給だなんて…。
もっと陽の目が当たっていい存在だし、お金の事ばかり言って恐縮だが、報酬は出てもいいし、国は見直すべき。
でも、ただお金が目的だったら務まらないだろう。ベタで臭い言い方だが、お金には代えられないもの。
だから、もう一度言おう。本作を作ってくれた事に感謝。本作を見れて良かった。
同名コミックの映画化。前日譚に当たるTVドラマがWOWOWで放送された事も知っていた。(未見)
本作を見たかった理由は幾つかあった。
題材は勿論の事、
『あゝ、荒野』の岸善幸監督作。
近年飛ぶ鳥を落とす勢いで、女優としてますます目が離せない有村架純主演。
衝撃的だった『ヒメアノ~ル』以来の映画出演となる森田剛。
期待に違わぬ見応え。力作であり、秀作。
WOWOWドラマは新人保護司としての奮闘と、“前科者”との向き合いや関係に焦点が当てられているよう。
映画版を作るに当たって悩んだだろう。勿論それらを描きつつ、それだけだったらドラマ版の二番煎じになってしまう。
そこで並行して描かれるのは、事件サスペンス。
保護司・阿川佳代。コンビニでバイトしつつ、前科者の更正の為に熱心に取り組む日々。
彼女の保護観察対象の前科者に、元受刑者の工藤誠。職場のいじめが原因で同僚を殺し、服役。仮釈放され、車の修理店で働く。物静かだが実直な態度で、社会復帰間近だった。
社会復帰したら、工藤が好きなラーメン屋でお祝いを考えていた。
そんなある日、警官の銃が奪われ、その銃による連続殺傷事件が発生。
と同時に、工藤が姿を消す。工藤は何か事件に関わっているのか…?
工藤は犯人なのか…?
…いや、犯人はすぐ判明する。
ある日、工藤の前に現れた青年。工藤の弟、実。
この兄弟、壮絶な過去を持つ。
幼い頃、DV義父が母親を殺す場を目の前で目撃。以来、施設での虐待、職場でのいじめ、この社会も決して手を差し伸べる事無く、陽の当たらぬ人生を歩んできた。
実が殺傷した人物には、共通点が。
殺される前助けを求めるも、何もしてくれなかった警官。
相談するも、力になってくれなかった福祉職員。
虐待した施設職員。
動機は、母親や自分たちを苦しめた者たちへの復讐。
実はもう一人、復讐をしようとしていた。その人物とは…。
実の犯行にショックを受ける工藤。弟の犯行を止めようとするが、その人物を見て…。
前科者はまた罪を重ねてしまうのか…? 真に更正は困難なのか…?
ならば、保護司の存在は…? 救う事は出来ないのか…?
事件捜査サスペンスとして、粗や難も目立つ。
事件を追っているように見えて、結構ご都合主義。
工藤ばかりマークして、もう一人(=弟)の存在に誰も気付かなかったのか。
撃たれた警官から過去の経緯を聞き出す為に、オイオイ!…の暴力。昭和のTVの刑事かよ!
事件を追うベテランと若手の刑事コンビ。若い刑事の滝本は、佳代の中学時代の同級生で、元恋人。思わぬ再会を果たし…って、何かちょっとチープ。
二人の過去にはある“影”があるものの、その設定って絶対的に必要…? あの唐突のラブシーン、いる…?
不満点が多くなってしまったが、決して否定レビューではない。寧ろ、絶賛レビュー。
サスペンス・パートもエンタメ性があり、お陰で物語に引き込まれた。
ドラマ性も充実。
佳代は何故、こんなにも前科者の為に奔走するのか…? それにはある“過去”が…。彼女自身も壮絶な過去があり、保護司を目指した理由も語られる。
前科者の更正は『すばらしき世界』。社会的弱者の苦しみは『護られなかった者たちへ』。それらと通じる点あり。
同じテーマなどではない。我々が何度も何度も、向き合わなければならないテーマなのである。
岸善幸監督の演出は『あゝ、荒野』ほどKO級ではなかったものの、真摯にドラマを語っていく。
やはり特筆すべきは、キャストの演技。
有村架純はいつからこんなに巧くなったのだろう。
…いや、元々巧かった。それがさらに増して、最近は絶頂期もしくは円熟期にいる。
本作での、真っ直ぐで、ユーモアを交えつつ、苦悩をも抱えた熱演。そこから滲み出る、前科者との触れ合い、時には母性。あるシーンのビンタは、見ているこちらの目をも覚まさせ、気付かせてくれるほど。
“可愛い”から、絶対的な信頼ある女優へ。次は一体、どんな魅力や演技を魅せてくれるだろう。「惚れんなよ」なんて言ってたが、惚れてしまう!
そして、森田剛。
私が“役者”としての森田剛に衝撃を受けたのは、『ヒメアノ~ル』一本。それ以前にもTVドラマや舞台で活動していたようだが、ほとんど見ていない。V6時代もよく知らない。
ミーハーと思われてもいいが、あの『ヒメアノ~ル』一本で森田剛の実力を知るに充分だった。そして本作で、それは確信を得た。
前科者としての悲しみ、苦しみ、弱さ、怒り、人としての本来の優しさ…。それらを有無を言わさぬ圧倒的な演技力で体現。しかもそれを、台詞は少なめに、表情や佇まいで体現。
相当な複雑難演だったろう。かなりの演技巧者しか出来ない。
舞台で鍛え上げられた賜物か、役者として秀でた実力あったのか。
岡田准一は演技力ありつつ主演スターの華と風格だが、森田剛は凄みと存在感ある演技派。
他キャストでは…
若葉竜也の危うい雰囲気、今にも壊れそうな弱さ。
マキタスポーツのベテラン刑事のハマりっぷり。
宇野祥平のユーモア、人の良さ。
リリー・フランキーのさすがのインパクト。
中でも、石橋静河。重たいテーマの中で、あっけらかんとした癒し。さすがは名優夫婦の娘。TVドラマからの続投で、佳代と彼女の出会いが綴られているとか。機会があったら見たい。
役の必要性があまり感じられなかった為か、磯村勇斗だけ一人浮いてた気がする。決して大根役者ではないのだが。
実が復讐しようとしていたのは、義父。この兄弟の転落の元凶。
義父は刑期を終え、社会復帰している。
工藤はまだ社会復帰果たしていないというのに…。実に至っては未ださ迷い、苦しみ続けているというのに…。
いや何より、母親を殺しといて、自分だけのうのうと生きている。
勿論決してこの義父も恵まれた生活は送っていない。義父も“前科者”として苦難はあった事だろう。犯した罪への後悔や反省も感じているだろう。
が、犯した罪の“余波”。自分が原因で息子が今殺傷事件を起こしているとは、そこまで思わなかったようだ。
銃を突き付けた息子と“再会”した時の表情がそれを物語る。
愚かであり、哀れでもあった。
それは義父以上に、この兄弟。
復讐でしか悲しみや苦しみを晴らす事は出来ないのか。
結局、実を救う事は出来なかった。あまりにも残酷過ぎる。
ならば、工藤は…?
彼自身は、この事件に直接的に関わっていない。
が、少なからず加担し、罪は免れない。せっかく培ってきた更正と社会復帰の道をフイに…。
どうする事も出来なかった。が、同情はするが、“仕方ない”では済まされず、それは自分の愚かさと弱さでもある。
真に更正は困難なのか…?
自分の弱さや社会の不条理に呑み込まれたら、それはそれは困難だろう。
…一人では。
自分の力で努力しろ! 社会や他人に甘えるな!…と言う人もいるだろう。
ならば聞きたい。そう言う人は、誰の何の助けも無く、人生を歩んできたのだろうか…?
そういう人はほとんど居ない。
人は必ず、助けられて、助け合って、支えて、支え合って生きている。
前科者でなくとも、前科者であっても。
手は平等に差し伸べられる。
助けを求める相手も重要だ。
偉そうな権力者、事務的な職員…そんな世間の“代表面”は断じてお断りだ。かえってイライラを助長させるだけ。でもほとんどが、そういうのしか居ない現実…。
私も苦い経験ある。『護られなかった者たちへ』のレビュー参照。
全てが全員が、そうではない筈だ。
この救いの無い社会の中にも、きっと、必ずいる。
同じ目線になってくれる人。
時に親身になって叱り、自分の事以上に心配してくれる人。
牛丼やラーメンを一緒に食べてくれるような人。
自らも傷付き、悩み、懸命に向き合ってくれる人。
佳代が保護司を目指した理由。
中学生の頃、暴漢に襲われそうになった。
その時ある人物が助けてくれたものの、その人は刃に倒れた。
(その人物こそ滝本の父親なのだが、赤の他人でも成り立っていたと思う)
以来、トラウマに。
そんなある日、かつての暴漢のようなフラフラの男を目撃する。
一人の女性が手を差し伸べる。後で知った事だが、その女性は保護司。
その時女性が言った言葉が忘れられない。まるで、自分に言った言葉に聞こえた。
保護司という存在が居て、加害者は立ち直れる。犯罪だって止められる。
被害者も救われる。あの時の自分のように。
そうありたい。そうなりたい。
自分が救われたように。
今度は自分が手を差し伸べる。
人は過ちを犯す。が、それを悔い、やり直す事が出来る。
その助けになりたい。
人の為に。
それを“偽善”と呼ぶ輩も社会にいる。
いつか必ず恥じ、感謝するだろう。
“偽善”と貶していた“善意”に救われる事を。
人が人の為になるシンプルで尊い行為を、どうして社会は素直に受け止められないのだろう。
そういう社会や人間関係であって欲しくない。
理想的かもしれないが、理想的な社会や人間関係であって欲しい。
当初は“前科者”というタイトルに違和感を感じた。
保護司を題材にしているのだから、“保護司”の方が合っているのでは…?
だが、見ていて気付いた。
前科者の更正。あくまで保護司はそのサポートをする。
広く知られていない。報酬も無い。日陰のような存在。
だが、居なくてはならない尊い存在。この社会と人々の為に。
劇中で度々“先生”と呼ばれているが、そんな大層な存在じゃない。
弱くもあり、真っ直ぐな信念を持った温もりを持った人。“友達”のような。
寄り添う者。
保護司と前科者
“保護司”と“前科者”のストーリーだけでなく、“保護司”の阿川さんと“保護司”になった阿川さんの物語がしっかりと描かれていた。
悲しいけれど、加害者や被害者をこれ以上増やさない強い思いが、ラストに向けて響いてくる。
誠さんと実さんの兄弟の絆。
実さんと離れ離れになり、そのまま放置してしまっった罪悪感だけでなく、兄として実さんに何かしてあげたいと動く行動はとても人間らしく、喪ってしまったことにより、それを埋めるように動いたところに阿川さんがしっかりと支えるのもよかった。
弟を演じた若葉竜也さんの演技がすごくよかった。
そして彼女は好きだった、真司くんの父を事件に巻き込まれ目の前で亡くすという、辛い過去を持つのだけど、同様苦しんできた真司との再会。
違った意味でも阿川さんは傷を追うけど、それがある事件をきっかけに少し前に進める
物語は重めだけど、最後に少し日が差す終わり方がよく、いい映画を観たなと感じた。
怨念を晴らす・・その情熱だけが歪んだ生き甲斐になる、人たちが居る事実!
若葉竜也と森田剛の兄弟は幼い日に、最愛の母親を実の父親が刺し殺す、
その現場を目撃する。
その後の人生は悲惨そのもの。
若葉竜也は母親を救おうとしなかった警官や、福祉の担当者、養護施設の施設長などに
恨みと怒りの矛先を向け復讐してゆく。
奈良市襲撃事件の犯人もそんな恨みを爆発させることに生き甲斐を見出した人で、
まったく弁護の余地のない犯罪ですが、犯人の余りに不幸な生い立ちに声を無くしてしまいました。
社会的弱者に寄り添う有村架純の保護司。
彼女もまた犯罪事件の被害者であり、恨まれる立場でもある。
有村架純のひたむきな演技に胸打たれました。
悩みの中で彼女が見つけた答え。
それは弱い立場の人に寄り添い味方になる保護司の仕事を選ぶ事でした。
一番の悪人はリリー・フランキーさんの演じた実の父親だと思います。
奈良市の事件でも実母ではなく怒りの矛先は他者に向かう。
そこにも社会の歪み、弱者の怒りを感じます。
《なんとかしなくては!!》
と、思うけれど困難な事です。
影がある役…
森田剛の熱演が素晴らしい。実際に前科者の社会生活での更生は相当厳しいと思う。この映画で初めて保護司という仕事があることを知った。非常勤の国家公務員でありながら、ボランティア。何でそんな仕事を引き受けるのか。。有村架純演じる新米保護司の阿川は自身の過去の出来事から本職についた。ストーリーは近しい人物が偶然出会うなど、出来すぎている部分が否めないが、実力派俳優陣が派手な演出をせず、静かで温かみある演技に徹している。
抜け出せない不幸を考えさせられる映画
保護司から見た視点で、刑務所から出所した者の心の更生と葛藤が描き出される。保護司も未熟であり、出所者との関係に翻弄される日常が見え隠れする。登場する前科者のキャラクターにリアリティがあり、物語の世界に引き込まれた。
保護司の住む町で起きた「警官が銃を奪われる事件」をきっかけにして、ある前科者の生い立ちと、その家族の生い立ちが浮き彫りになる。また、その前科者が幼少期に父親から受けたこと、その父親が母親を死なせてしまった過去が見えてくる。前科者が過去に経験した事実が丁寧に描かれていて、その前科者の感情を読み取りやすく、この境遇に置かれた不幸が鮮明に感じ取れた。
また、その家族は警察や役所に救いを求めていたにも関わらず、警官や役所の人達が仕事の手抜きや体裁を繕うだけの扱いでそのことが見過ごされ、結果としてその母親の死に繋がった事情も描かれる。物語であるが妙にリアルである。
この映画は、前科者は「その暗い生い立ちの世界」から抜け出せない葛藤で終わる。劇中の前科者自身もその自覚があり涙したのだと思う。こうした不幸の複雑さは、我々の身の回りに現実にあっても、当事者の周辺の者同士でしか共有されない。作品化されたことで、人々に共有されていくのだろう。
寄り添い
ドラマから好きで見てました。今回は有村架純扮する阿川の保護司になった理由が明らかになる。森田剛扮する工藤誠の生い立ちに泣ける。いろいろな前科者との出会い。みどりとの関係が好きです。ラストは泣けました。犯罪を犯した人に、社会は厳しい。ましてや殺人は…。それでも、寄り添って人間になってほしいと奮闘する阿川に、期待してしまう。
良い役者揃い
豪華です、最近見る映画に連続で
リリーフランキーさんが出てきて
出てきたの全部クズ役だったので延長みたいな気持ちで見てました。
幼少期にされた虐待、施設での虐待、母親を助けなかった警察官、など、小さい頃ひどいことをした人を復習する話です。
犯人じゃないのに犯人と思われながら追われてたけど
犯人は、弟。
森田剛さんの演技を見るのがヒメのアール以来でしたが、やはりこの人の演技はすごいです。
引き込まれます、リアルすぎます。
有村架純のラブシーンあるの知らなくて
結構びっくりしました、ちゃんと1人の女性でした。
が過去にあんな事故があったから、今の職務についたんですね。
本に書かれた、なぜおまえはいきてる、
最後には成仏と言うか、気持ちの整理がしっかりついて学校に本を返せててよかったなと思いました。
ドラマを見て映画も見ましたが裏切らない良さでした。
見てよかったです。
出てくる人ぜんいん演技がうまくてすてきでした。
有村架純先生
…保護司という職業
前科のある人を更正させて
社会復帰させるお仕事。
とても重要なお仕事なのに無償です
ボランティアに近いですね
有村架純の柔らかさと森田剛の硬い表情が学校の先生と生徒の様です
…不条理の多い世の中
再犯を犯す背景には恨みによって起こされる事が多いのかも
…断ち切れない思い
最後のところまで突き進んでしまう
やりきれない思いがあります
そんな中刑事役のマキタスポーツさんが出てくるとこれはコメディかな
と思ってしまう笑ってないけど
石橋静河さんも先生を
励ましたりして和やかな雰囲気です
人間が出来ていない
と思ってしまいますが…(有村)
先生はダメダメだからいいんだよ(石橋)
と言っていました
そうなのかもしれません
…同じ人間だもの
つきあい方は皆それぞれ
…頑張らないでね
阿川先生も
誰でもそう
犯罪を犯した人達が社会に更生する為にその手助けとして働く保護監査人が存在する。ただそれはボランティアでしかなく誰かにやらせられているものとは違います。それでもその人に対する責任に重大性は、とても重いかもしれない。ドラマからの映画版でしたがとても良かったです。
人を殺めた事で社会的には、人間として受け入れられる事が出来ない前科者を社会に復帰させようと奮闘している保護官の姿がとても良かった。
犯罪者が犯罪を繰り返すのには、今までとの関係性が断ち切れないからこそ起こりうるものかもしれない。
そこで新たな関係性を築こうとしても誰にだって難しいと思う。
保護官という仕事は、世間的には認知度が低いかもしれないけど、この映画をきっかけにもっと多くの人が知ってほしいと思う。
そこで犯罪を犯してしまった人を犯罪だけではなく、もっと心の弱い部分にも目を向けてほしいと思う。
そうすれば、全てを受け入れる訳ではないけど、その人にとっても自分にとってもより良い社会になるような気がする。
誰かの悲しみは、また他の誰かの悲しみでもあるのかなって感じる作品でした。
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