前科者のレビュー・感想・評価
全242件中、41~60件目を表示
寄り添う者
犯罪や非行を犯した人たちの更正や社会復帰をサポートする“保護司”。
本作と同時期に公開された『ノイズ』でもチラッと登場したものの、すぐ殺される散々な扱いだった為、本作が作られて良かったと本当に思う。
ここまで真っ正面から題材にした作品は多くなく、仕事内容や保護司そのものについても漠然としか知らず、詳しくは知らない。本作で初めて存在を知った人も多いとか。
一応は国家公務員。が、非常勤で、何と無給! ボランティアに等しく、二足のわらじで生計を立てなければならない。
信じられなかった。こんなにも大変で、こんなにも稀有な存在が無給だなんて…。
もっと陽の目が当たっていい存在だし、お金の事ばかり言って恐縮だが、報酬は出てもいいし、国は見直すべき。
でも、ただお金が目的だったら務まらないだろう。ベタで臭い言い方だが、お金には代えられないもの。
だから、もう一度言おう。本作を作ってくれた事に感謝。本作を見れて良かった。
同名コミックの映画化。前日譚に当たるTVドラマがWOWOWで放送された事も知っていた。(未見)
本作を見たかった理由は幾つかあった。
題材は勿論の事、
『あゝ、荒野』の岸善幸監督作。
近年飛ぶ鳥を落とす勢いで、女優としてますます目が離せない有村架純主演。
衝撃的だった『ヒメアノ~ル』以来の映画出演となる森田剛。
期待に違わぬ見応え。力作であり、秀作。
WOWOWドラマは新人保護司としての奮闘と、“前科者”との向き合いや関係に焦点が当てられているよう。
映画版を作るに当たって悩んだだろう。勿論それらを描きつつ、それだけだったらドラマ版の二番煎じになってしまう。
そこで並行して描かれるのは、事件サスペンス。
保護司・阿川佳代。コンビニでバイトしつつ、前科者の更正の為に熱心に取り組む日々。
彼女の保護観察対象の前科者に、元受刑者の工藤誠。職場のいじめが原因で同僚を殺し、服役。仮釈放され、車の修理店で働く。物静かだが実直な態度で、社会復帰間近だった。
社会復帰したら、工藤が好きなラーメン屋でお祝いを考えていた。
そんなある日、警官の銃が奪われ、その銃による連続殺傷事件が発生。
と同時に、工藤が姿を消す。工藤は何か事件に関わっているのか…?
工藤は犯人なのか…?
…いや、犯人はすぐ判明する。
ある日、工藤の前に現れた青年。工藤の弟、実。
この兄弟、壮絶な過去を持つ。
幼い頃、DV義父が母親を殺す場を目の前で目撃。以来、施設での虐待、職場でのいじめ、この社会も決して手を差し伸べる事無く、陽の当たらぬ人生を歩んできた。
実が殺傷した人物には、共通点が。
殺される前助けを求めるも、何もしてくれなかった警官。
相談するも、力になってくれなかった福祉職員。
虐待した施設職員。
動機は、母親や自分たちを苦しめた者たちへの復讐。
実はもう一人、復讐をしようとしていた。その人物とは…。
実の犯行にショックを受ける工藤。弟の犯行を止めようとするが、その人物を見て…。
前科者はまた罪を重ねてしまうのか…? 真に更正は困難なのか…?
ならば、保護司の存在は…? 救う事は出来ないのか…?
事件捜査サスペンスとして、粗や難も目立つ。
事件を追っているように見えて、結構ご都合主義。
工藤ばかりマークして、もう一人(=弟)の存在に誰も気付かなかったのか。
撃たれた警官から過去の経緯を聞き出す為に、オイオイ!…の暴力。昭和のTVの刑事かよ!
事件を追うベテランと若手の刑事コンビ。若い刑事の滝本は、佳代の中学時代の同級生で、元恋人。思わぬ再会を果たし…って、何かちょっとチープ。
二人の過去にはある“影”があるものの、その設定って絶対的に必要…? あの唐突のラブシーン、いる…?
不満点が多くなってしまったが、決して否定レビューではない。寧ろ、絶賛レビュー。
サスペンス・パートもエンタメ性があり、お陰で物語に引き込まれた。
ドラマ性も充実。
佳代は何故、こんなにも前科者の為に奔走するのか…? それにはある“過去”が…。彼女自身も壮絶な過去があり、保護司を目指した理由も語られる。
前科者の更正は『すばらしき世界』。社会的弱者の苦しみは『護られなかった者たちへ』。それらと通じる点あり。
同じテーマなどではない。我々が何度も何度も、向き合わなければならないテーマなのである。
岸善幸監督の演出は『あゝ、荒野』ほどKO級ではなかったものの、真摯にドラマを語っていく。
やはり特筆すべきは、キャストの演技。
有村架純はいつからこんなに巧くなったのだろう。
…いや、元々巧かった。それがさらに増して、最近は絶頂期もしくは円熟期にいる。
本作での、真っ直ぐで、ユーモアを交えつつ、苦悩をも抱えた熱演。そこから滲み出る、前科者との触れ合い、時には母性。あるシーンのビンタは、見ているこちらの目をも覚まさせ、気付かせてくれるほど。
“可愛い”から、絶対的な信頼ある女優へ。次は一体、どんな魅力や演技を魅せてくれるだろう。「惚れんなよ」なんて言ってたが、惚れてしまう!
そして、森田剛。
私が“役者”としての森田剛に衝撃を受けたのは、『ヒメアノ~ル』一本。それ以前にもTVドラマや舞台で活動していたようだが、ほとんど見ていない。V6時代もよく知らない。
ミーハーと思われてもいいが、あの『ヒメアノ~ル』一本で森田剛の実力を知るに充分だった。そして本作で、それは確信を得た。
前科者としての悲しみ、苦しみ、弱さ、怒り、人としての本来の優しさ…。それらを有無を言わさぬ圧倒的な演技力で体現。しかもそれを、台詞は少なめに、表情や佇まいで体現。
相当な複雑難演だったろう。かなりの演技巧者しか出来ない。
舞台で鍛え上げられた賜物か、役者として秀でた実力あったのか。
岡田准一は演技力ありつつ主演スターの華と風格だが、森田剛は凄みと存在感ある演技派。
他キャストでは…
若葉竜也の危うい雰囲気、今にも壊れそうな弱さ。
マキタスポーツのベテラン刑事のハマりっぷり。
宇野祥平のユーモア、人の良さ。
リリー・フランキーのさすがのインパクト。
中でも、石橋静河。重たいテーマの中で、あっけらかんとした癒し。さすがは名優夫婦の娘。TVドラマからの続投で、佳代と彼女の出会いが綴られているとか。機会があったら見たい。
役の必要性があまり感じられなかった為か、磯村勇斗だけ一人浮いてた気がする。決して大根役者ではないのだが。
実が復讐しようとしていたのは、義父。この兄弟の転落の元凶。
義父は刑期を終え、社会復帰している。
工藤はまだ社会復帰果たしていないというのに…。実に至っては未ださ迷い、苦しみ続けているというのに…。
いや何より、母親を殺しといて、自分だけのうのうと生きている。
勿論決してこの義父も恵まれた生活は送っていない。義父も“前科者”として苦難はあった事だろう。犯した罪への後悔や反省も感じているだろう。
が、犯した罪の“余波”。自分が原因で息子が今殺傷事件を起こしているとは、そこまで思わなかったようだ。
銃を突き付けた息子と“再会”した時の表情がそれを物語る。
愚かであり、哀れでもあった。
それは義父以上に、この兄弟。
復讐でしか悲しみや苦しみを晴らす事は出来ないのか。
結局、実を救う事は出来なかった。あまりにも残酷過ぎる。
ならば、工藤は…?
彼自身は、この事件に直接的に関わっていない。
が、少なからず加担し、罪は免れない。せっかく培ってきた更正と社会復帰の道をフイに…。
どうする事も出来なかった。が、同情はするが、“仕方ない”では済まされず、それは自分の愚かさと弱さでもある。
真に更正は困難なのか…?
自分の弱さや社会の不条理に呑み込まれたら、それはそれは困難だろう。
…一人では。
自分の力で努力しろ! 社会や他人に甘えるな!…と言う人もいるだろう。
ならば聞きたい。そう言う人は、誰の何の助けも無く、人生を歩んできたのだろうか…?
そういう人はほとんど居ない。
人は必ず、助けられて、助け合って、支えて、支え合って生きている。
前科者でなくとも、前科者であっても。
手は平等に差し伸べられる。
助けを求める相手も重要だ。
偉そうな権力者、事務的な職員…そんな世間の“代表面”は断じてお断りだ。かえってイライラを助長させるだけ。でもほとんどが、そういうのしか居ない現実…。
私も苦い経験ある。『護られなかった者たちへ』のレビュー参照。
全てが全員が、そうではない筈だ。
この救いの無い社会の中にも、きっと、必ずいる。
同じ目線になってくれる人。
時に親身になって叱り、自分の事以上に心配してくれる人。
牛丼やラーメンを一緒に食べてくれるような人。
自らも傷付き、悩み、懸命に向き合ってくれる人。
佳代が保護司を目指した理由。
中学生の頃、暴漢に襲われそうになった。
その時ある人物が助けてくれたものの、その人は刃に倒れた。
(その人物こそ滝本の父親なのだが、赤の他人でも成り立っていたと思う)
以来、トラウマに。
そんなある日、かつての暴漢のようなフラフラの男を目撃する。
一人の女性が手を差し伸べる。後で知った事だが、その女性は保護司。
その時女性が言った言葉が忘れられない。まるで、自分に言った言葉に聞こえた。
保護司という存在が居て、加害者は立ち直れる。犯罪だって止められる。
被害者も救われる。あの時の自分のように。
そうありたい。そうなりたい。
自分が救われたように。
今度は自分が手を差し伸べる。
人は過ちを犯す。が、それを悔い、やり直す事が出来る。
その助けになりたい。
人の為に。
それを“偽善”と呼ぶ輩も社会にいる。
いつか必ず恥じ、感謝するだろう。
“偽善”と貶していた“善意”に救われる事を。
人が人の為になるシンプルで尊い行為を、どうして社会は素直に受け止められないのだろう。
そういう社会や人間関係であって欲しくない。
理想的かもしれないが、理想的な社会や人間関係であって欲しい。
当初は“前科者”というタイトルに違和感を感じた。
保護司を題材にしているのだから、“保護司”の方が合っているのでは…?
だが、見ていて気付いた。
前科者の更正。あくまで保護司はそのサポートをする。
広く知られていない。報酬も無い。日陰のような存在。
だが、居なくてはならない尊い存在。この社会と人々の為に。
劇中で度々“先生”と呼ばれているが、そんな大層な存在じゃない。
弱くもあり、真っ直ぐな信念を持った温もりを持った人。“友達”のような。
寄り添う者。
話の内容がリアルだった
保護司さんのイメージとは?
この作品に森田剛さんが出ている事で…この人の演技も気になっていた作品。
WOWOWドラマは観てなくて。
森田剛さんと言えばV6で歌っているイメージしかなかったので…
最初そのオーラが全く無く、あの髪型だったし誰かわからない感じすらあり、演じている役柄もだいぶ暗いイメージだったから余計に誰なの!?という感じでしたが…
話が進むにつれて役者のイメージに変わっていき、あのラストのシーンには泣かされました。
保護司さんのイメージは、もう少し年配の方では無いのか…と頭をかすめました。
それなりに人生経験のある方がされているイメージだったので、そこは少し違和感。
それでも有村架純ちゃんも地味な保護司さん役をしっかりと演じていました。
なかなか重たい内容だったけど、キャストの方々もよく、少し尺が長く感じたが磯村勇斗くんも観れて良い作品でした。
丁寧に描かれていてとても良い作品です。
保護司と前科者
“保護司”と“前科者”のストーリーだけでなく、“保護司”の阿川さんと“保護司”になった阿川さんの物語がしっかりと描かれていた。
悲しいけれど、加害者や被害者をこれ以上増やさない強い思いが、ラストに向けて響いてくる。
誠さんと実さんの兄弟の絆。
実さんと離れ離れになり、そのまま放置してしまっった罪悪感だけでなく、兄として実さんに何かしてあげたいと動く行動はとても人間らしく、喪ってしまったことにより、それを埋めるように動いたところに阿川さんがしっかりと支えるのもよかった。
弟を演じた若葉竜也さんの演技がすごくよかった。
そして彼女は好きだった、真司くんの父を事件に巻き込まれ目の前で亡くすという、辛い過去を持つのだけど、同様苦しんできた真司との再会。
違った意味でも阿川さんは傷を追うけど、それがある事件をきっかけに少し前に進める
物語は重めだけど、最後に少し日が差す終わり方がよく、いい映画を観たなと感じた。
とにかく森田剛さんの演技の上手さに驚きました。ついこないだまでアイ...
人を救うのもまた人
怨念を晴らす・・その情熱だけが歪んだ生き甲斐になる、人たちが居る事実!
若葉竜也と森田剛の兄弟は幼い日に、最愛の母親を実の父親が刺し殺す、
その現場を目撃する。
その後の人生は悲惨そのもの。
若葉竜也は母親を救おうとしなかった警官や、福祉の担当者、養護施設の施設長などに
恨みと怒りの矛先を向け復讐してゆく。
奈良市襲撃事件の犯人もそんな恨みを爆発させることに生き甲斐を見出した人で、
まったく弁護の余地のない犯罪ですが、犯人の余りに不幸な生い立ちに声を無くしてしまいました。
社会的弱者に寄り添う有村架純の保護司。
彼女もまた犯罪事件の被害者であり、恨まれる立場でもある。
有村架純のひたむきな演技に胸打たれました。
悩みの中で彼女が見つけた答え。
それは弱い立場の人に寄り添い味方になる保護司の仕事を選ぶ事でした。
一番の悪人はリリー・フランキーさんの演じた実の父親だと思います。
奈良市の事件でも実母ではなく怒りの矛先は他者に向かう。
そこにも社会の歪み、弱者の怒りを感じます。
《なんとかしなくては!!》
と、思うけれど困難な事です。
森田剛の良さ
フライヤーの儚げな少女感のある有村さんに惹かれて
なのに劇場には足を運んでいないのですね。
観もしない作品の数々のフライヤーばかりをもらってくる、ある意味映画泥棒なのね・笑
コレクターなんだよ!無駄には捨てないよ!
いえ、公開前の有村さんの美しくて儚げな表情の写真に惹かれていたのは本当なのですね。
なのにしょっぱなからバイタリティ溢れる人の好いオバサンみたいに描かれているギャップにも惹かれました。
ギャップ萌え。
あと、眼鏡萌え。
眼鏡萌えの元祖といえば、あの伝説のセイントフォーの板谷祐三子さんですよね♡
バク転担当の。
Take a big Chance♪Like a flash Dance♪ですね。
↑
また余計な情報を…
余計と言えばね私、未成年時代に保護観察処分になったことあるの。
バイクのスピード違反が度重なって。簡単な裁判を受けたの。
しかも処遇期間中に、またスピード違反を犯したものだから
半年の処分で済まずに丸々一年のお勤めをしたことあるの。
この映画のように、月に二度、観察員さんだか民生委員さんだかの元を訪れていたの…
でも、その人って、当然有村さんじゃないの。
ごく普通のおばちゃんだったの(。´・_・`。)
有村さんだったら確実に恋してた自信しかないです♡
てか、リアルにあんな観察員さんなんていらっしゃらないですよね。
フィクション眩しい。リアル現実厳しい。
ごめんなさい、いつもの悪いクセで。
とっととレビュー行きますね。
私この作品、原作漫画も知らないし、読んでいないし。
テレビドラマも一切観ていないのですね。
なので、あくまでも一本の映画という観点のみで語らせていただきますね。
えーっとね、まず軽~く戦犯を挙げてみようか。
しいたけを頭にのせてるっぽいヘアスタイルの磯村勇斗さんの演技が微妙だったのね。
ヘタとまでは言わないけれど、なんか妙な違和感があったと思ったのは事実で。
正直ウザいと感じました。
めーっちゃいい味出してるマキタスポーツさんとの絡みのあるシーンならなおのこと、それが浮き彫りになるのですね。
コンビニ店長の宇野さんも、阿川さんの“別のお仕事”に理解のあるいい人の味出してるじゃないですか。そこも含めて。
もちろん森田剛さんの、元ジャニーズアイドルの片鱗も垣間見えなくなった、不器用なしょぼくれ男感溢れる演技も含めて。
リアル鼻水垂らしながら泣くシーンの迫真の演技だとか。
それらの対比で。
なので、言っちゃ悪いけれど、磯村さんの演技は、ちょっと一本調子で浮いてるなぁ…と思っちゃったです。
でね、私なら、あれこれ余計なこと考えずに、阿川さん(有村さん)と一緒にラーメン食べる道を選ぶね!って思ったね!ラーメンデートちょううう美味しい♡
てかね!誠が『前科者』なら実は『邪魔者』すぎ!兄の幸せ奪うなし!ですよ。
阿川さん(有村さん)とのラーメン奪うなし!ですよ。泣きながらのひとりラーメンさせるなし!ですよ。
いえ、真面目な話はね。肉親との愛情は不純な♡よりも強しなんですね。
私も弟がふたりいるので、よくわかるですよ。
劇中でちょっと笑っちゃったのがね、阿川さんが「警察だったら何をやっても許されるんですか!」と吠えるのにに対して
『孤狼の血』的に「警察じゃけぇ、何をしてもええんじゃ!」の台詞がソッコーでに浮かび上がったのですね。舞台が岡山じゃなくてよかったね。
銃殺の件もね、岡山的には「弾はまだ残っとるがよ…」を思い出しちゃったの。
余計なことばかりフラシュバックせずにレビューに戻れよ!
そうですよね、これレビュー書いてるんでしたよね。
閑話休題。
ヒューマンドラマパート。
皮肉なのが、事の発端を作った犯罪者の義父は、とっくに更生の道を歩んでいたことなのね。
大切にとっておいたホームビデオを眺める“父”の表情にうる…っときちゃいました。
実の凶行を前に一瞬で全てを悟った時の表情といい。
でもね、物語の根幹を成す、佳代が何故保護司の道を選んだのかの動機がちょっと希薄にすぎると思って。
これだけかよ!
いえ、ここは皆さんのレビューを拝読した限り、既に多くが語られていたと思うから。
あえて私ごときがさら駄文で語って汚さない方がよいかもと思い。
(一番肝心なところを投げ出しやがった!・笑)
有村さん萌えパート。
この映画、有村さんを余すことなく堪能することのできる映画だと思ったです♡
誠が更生していく様に寄り添って、幸せげな微笑みをこぼす様だとか、
そんな誠がまたもや堕ちてい様に悲しみをぶつける表情だとか
みどりの独白に泣き顔を見せるシーンだとか
有村さんの様々な表情の魅力大爆発でした。
実は私、本作以前には有村さんのこと、それほど意識していなかったの。
『あまちゃん』で、若き日の春子さんを演じたイメージしかなくて。
でも、どうやら本作で有村さんファンになったっぽいの。
本当に惚れっぽいのな!自分。
サスペンスドラマパート
ちょっと不思議だったのは、実の殺害方法。
母親がそうであったのなら、その逆恨みとも言える殺害方法は、刺殺に拘るんじゃね?思っちゃったの。
なんで拳銃奪ったのかが謎で。
あと、交番勤務の警察官さん。
同一の派出所に10年以上も勤務できていたのかどうか?
ここ、よく知らないので、これ以上はツッコミませんが、そこちょっと不思議に思ったのですね。
あと二人の所在は掴めたとしても、よほどの計画的ストーキングでもしなきゃ、あんなにタイミングよく射殺なんてできなかったろうと思うし。
誠があの切羽詰まった状況で、DNA鑑定の捜査を混乱させるための偽装工作なんて瞬時に思いつかないでしょ?だとか。
そこの実と誠の行動に疑問を感じたの。
あとね、あれだけの犯行重ねておいて、自分たちが追われる身になっていることに気付かないかなぁ?普通。
大いなる謎パート
若き日の真司が、図書室の中也の詩集に殴り書きした恐ろしい文字の数々が一体何だったのか、ちょっと訳がわかりませんでした。
いつもながら、なんなん、このクソレビュー。
いやね、やはりこの手の真面目な作品と私のレビュースタイルは相性が悪いのよ。
影がある役…
森田剛の熱演が素晴らしい。実際に前科者の社会生活での更生は相当厳しいと思う。この映画で初めて保護司という仕事があることを知った。非常勤の国家公務員でありながら、ボランティア。何でそんな仕事を引き受けるのか。。有村架純演じる新米保護司の阿川は自身の過去の出来事から本職についた。ストーリーは近しい人物が偶然出会うなど、出来すぎている部分が否めないが、実力派俳優陣が派手な演出をせず、静かで温かみある演技に徹している。
保護司役にぴったりはまった有村架純
最近の有村架純にはずれはない。『花束みたいな恋をした』、『るろうに剣心』、そして本作。
いまらさらながらに可愛いだけの女優ではない。こころが演技に沁みとおっている。
彼女の熱演で、保護司という仕事の理解度が深まる。
『護れなかった者たちへ』にも通じる、弱者と決めつけられがちな、生活保護者や前科者に寄り添うことの難しさ。彼女の演技でそこが痛いほどに伝わってくる。
仕事と割り切りすぎると上から目線とみなされ、距離感を縮めすぎると突き上げられる。
その彼女の苦悩の向こうに事件が顔を覗かせる。
コンビニでバイト、趣味は読書、中原中也のファン、得意料理は牛丼。
これが等身大の有村架純なんだ、と思わせる彼女が凄い。
『ヒメアノール』の凶暴な役柄とはまた違った味わいを見せる、森田剛も見逃せない。
悲しい現実
全242件中、41~60件目を表示