前科者のレビュー・感想・評価
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犯罪者は悪人ばかりではない。
ドラマ鑑賞済。今まで映画やドラマでもたまに出てきてた保護司。どんな仕事なのかハッキリしてなかったけど、このドラマを観て大枠が分かりました。国家資格が必要なのにボランティアなんてね?
このシリーズの主人公、阿川佳代は自己の経験から前科者の更生に寄り添いたくて、コンビニでバイトをしながら保護司をやっている。この地味な感じが有村架純がはまってる〜。
お話しは、前科者の再犯問題が主題。更生が順調に進んでいた男が突然いなくなり殺人犯の容疑者として警察に追われる身になる。困惑する佳代の所に現れる磯村勇斗演じる同級生の刑事。チラッとラブシーンあり。イェーイ!
何より自分がハマってしまうのは、リバーランズスルーイットの様な兄弟モノ。今作は前科者の兄と弟の復讐話。自分はどうしても兄貴目線で観てしまう。もし、弟が目の前で殺人を犯してしまったら、自分はどうするだろうって、真面目に考えちゃうんだわ。
森田剛演じる工藤誠は悪い奴じゃないのに、なぜ殺人を犯してしまったのか。弟の復讐のターゲットになった犯罪者でない人達。確かに、世の中は法律では裁ききれない出来事だらけだよね。俺も知らないうちに誰かに恨まれて殺されちゃうかもな。もしくは殺す。
もちろん、ハッピーエンドにはならなかったけれど、最後は涙が止まりませんでした。
重たい話だけど、チョコチョコ出てくる最初の前科者、ミドリのおかげで、気持ちが和らぎました。脇を固めるキャストもバッチリで大大満足。
良作
どの目線で観たらいいのか覚悟がいります
惚れるなよと言われても
漫画原作なのも知らず、WOWOWのドラマも知らずに行きましたが、すんなり作品世界を楽しめました。
架純ちゃんの表情というか、演技力に「惚れるなよ」と言われても惚れちゃいます。
架純ちゃん演じる佳代の、中学時代の彼氏役が磯村勇斗なんですが、この二人『ひよっこ』で結婚した配役だったから狙いすぎだなと思いました。
ほかに配役では、リリー・フランキーがツボ。
重い、絶望・悲しみの中の光を感じる映画
被害者・加害者、取り巻く人たち、傍観する人たち
世の中生活していく中、色々な立場に臨むと望まざるにかかわらず遭遇してしまう。
劇中殺されてしまう、殺されかけた人たちが出てくる。
死という人生最大の悲しみが突然訪れた人たちの辛さ・悲しさ、それに巻き込まれた人たちの人生の急変
二十代の保護司がいるのかと有村さんの設定に疑問だったのだが、実際にいらっしゃるようで、若さの未熟さを若いということで乗り切る保護司さん、佳代さんみどりさんのような関係も成立するのかなと思いました。
保護観察中の再犯率が世の中での生き辛さから起こるのなら、こんな規則は規則と守りながら、怒って笑って泣いて真剣に向き合い寄り添ってくれる方が一人でもいてくれるなら世の中捨てたもんじゃないと頑張れると思いました。
工藤さんが佳代さんとラーメンでお祝いする工藤さんの再生のスタートがあると思え良かったです。
ストーリー的に誇張もあるだろうが、それに近いことも起こっている。
親身に相談を聞いてくれなかった、上位機関への報告連絡を忘れてた、守秘義務が漏れていた。工藤兄弟はその連鎖で母親が殺されてしまった。
どうしてR12かなと思っていましたが、会話・映像の端々で見受けられました。
若葉さんさん演じる工藤守の人生が、生きていくために俺を買ってくれる人もいるの言葉、復讐にしか生きることを見いだせなくなっていた人生再開した兄弟が一緒に生きていこうとしたときは既に弟は人を殺め復讐を進めていた。兄工藤誠に葛藤はあっただろうに仮釈放反故の弟守に寄り添う道を選ぶ。
森田さんの演じるこれからを頑張ろうとしている兄工藤誠、若葉さん演じる壊れていしまって復讐に残りをかけた弟工藤守、お二人とも良い演技で重い・辛い・悲しいです。
有村架純の有村架純による有村架純のための
有村架純の声が完全に心理カウンセラー
人が人を思う連鎖で紡がれる結末が持つ温かさ
赤の他人に寄り添い更正へ導くことは、類いまれな体力と努力が必要だ。主人公の阿川(有村架純)は、コンビニで働きながら無給の保護司を続ける。過去から現在に至る阿川と滝本(磯村勇斗)との引き離せない関係性を、回想を交えながら盛り込むことで、阿川の保護司に懸ける想いを描く。命を燃やしてまで取り組みたいことは何かということを、彼女の生き様を通して観客に投げかけている。
優しく、時に激しい口調で前科者を叱咤激励する姿に、おしとやかで品のある役柄が多い有村架純の新たな一面を見た思いがした。
一方、職場での凄惨ないじめをきっかけに先輩社員を刺殺し仮釈放された工藤(森田剛)。目の前でDV夫に母を殺されたことに始まる"日陰な生涯"を送ってきたと言える。しかし、口ベタながらも愚直に生活を営む彼からは、前科者であることを感じさせない。
ところが偶然にも、生き別れた弟の実(若葉竜也)と再会する。弟への思慕から大きな犯罪に手を染めずとも社会復帰への歯車を少しずつ狂わされていく役柄を見事に演じきった。
ビンタから始まる、病室での阿川から工藤への言葉がハイライト。"人"として戻るフックを残したい阿川だが、理想を語るだけではとどまらず、厳罰化が叫ばれる現代社会での更正の難しさも浮き彫りにした。そして、あんなに美しい鼻水を今まで観たことがない(笑)
加えて、冷徹ながらも兄にはトラウマで苦しむ怪演を見せた若葉竜也など、余念のないキャスティングも見所のひとつ。個人的には、落ち込んだ阿川に対して励ますみどり(石橋静河)が作品全体で一番ぐっと来た。(ドラマ版は観ていない)
今の世界を構成しているのは、不完全で今にも崩れ落ちそうな人々なのかもしれない。そして、自分もその一人なのだと思い知った。
コミックを読み、TVドラマを見て、そして劇場版を
予習すると冒頭で笑えます。
ベテラン演技派森田剛
正解は無い
辛いときは辛いと言ってください。私に伝わるように叫んでください。
物語は、日常社会にある、いたって"ふつう"の話。いつの時代も犯罪者はいるし、その犯罪者が社会に戻ってくるときもある。そんな前科者は、どうしようもない奴も多いだろうが、なかにはそうでもない奴もいる。そしてそんな彼らに寄り添う人もいる。
そんな社会の片隅に追いやられた"ふつう"が、出てくる役者の好演で、まるで身近な出来事のように迫ってきた。イモくさい有村架純の醸す誠実さ、ヤンキーが板についてる石橋静河のぶっきらぼうな優しさ、おどおどした森田剛の惨めさ、ほか脇を固める役者陣のクオリティ。なんだか世間は、"弱さ"が重なり合って、それが厚みと深みと温かみを増すことで、支え合って成り立っているんだなあと思わされた。なにより、"国家公務員だが報酬はない"という保護司の社会的役割の意義をかみしめながら。
また別の楽しみもあって、「ひよっこ」の二人と、「ぐるりのこと」の二人が、こういう関係で再会してしまったと空想もしてしまう。
帰ってから、アマゾンプライム。ドラマ版6話鑑賞。
石橋演じるみどりと、有村演じる阿川の、友情にも似た信頼関係が熟成していくのがたまらない。そして、劇場版には出てこなかった古川琴音の存在の確かさに目を見張った。本日どっぷりと「前科者」の世界。
「大切なのは"ふつう"だと思います。"ふつう"は人それぞれですけど。」と阿川は言った。いま、自分は彼らの憧れる"ふつう"なのだろうかと自問している。
テレビドラマと是非セットで
切なかった。。
良い、心に沁みる作品でした。
みのる君の最期の言葉、
「兄ちゃん!!」
があまりにも切なかったです。。
そして保護司さんの
「いつかラーメン食べましょう」
がこんなに暖かい言葉になるとは。
(例えあなたがまた刑務所へ行くとしても私はあなたの帰りを待っているから、出所したら私と一緒に)いつかラーメンを食べましょう。
自分を待っててくれる人が1人いるだけでいい、それだけでいい、そして自分が道を踏み外しそうになったら本気で叱ってくれる人がいるのは、本気でそばにいてくれて「あなたは弱くていいんだよ、そのままでいいんだよ」と言ってくれる人がたった1人いるだけで違うんだ、と改めて実感しました。
殺人をしたことのある人を、「人」に戻す有村架純さんは、るろうに剣心での剣心の妻の役を思い出しました。森田剛さんも良い演技ですごく自然に物語に入っていけました。
みのる君の切なさが沁みる、、良い作品でした。。!
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