〈主婦〉の学校のレビュー・感想・評価
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生きるということを学ぶ学校
こんな学校に行きたいと思った。
ここで学んだら
生き方が変わるだろうと思う。
例えば
<主婦>の学校では
裁縫だけで終わるのでなく
布をつくる機織りまで学んでいた。
日々の暮らしに専念し
ひたすら実践していく中で
心を込めて生活し
自分自身で暮らしを深化させていくことが
どんなに人生を大切にし
生き方を豊かにしていくものかということに
気づき繋がっていくと思う。
末永く続いて文化を継承してほしい
「いまどき主婦の学校?花嫁学校?」
予告編の冒頭を見たときにぎょっとしましたが、男性(卒業生)が登場して興味がわきました。ドキュメンタリーを映画館で見るのは初めてでしたが、最後まで興味深く鑑賞しました。
映画は現在の学校への取材と、過去の記録映像、卒業生のインタビューを織り交ぜながら進みます。ここを出ても何か学位や資格が取れるわけではなく、生きるための基本的な家事・テーブルマナー・人にふるまう料理を学ぶという感じです。志望動機は人それぞれのようですが、「専業主婦になる」という目的の人は映画の中には登場しませんでした。
字幕以外のテロップは無かった気がするし、料理の説明などもありません。その中でソーセージのようなそうでないような料理が気になりました。検索したところ、内臓のソーセージ 「スラウトゥル」というもののようでした。それを見て、この学校は「文化の継承地」としても機能しているように思えました。
ロハスなカフェやインテリアに憧れている人はこの学校ですべてを学べそうです。(アイスランドの言葉が理解できれば)
ここを卒業した男性は、パートナーに家事を丸投げして喧嘩や離婚になることもなさそうです。恩師と楽し気に会話しながらアイロンをかける卒業生を見るとそう思います。できあがった洗濯物をカメラに見せるときの誇らしげな顔が素敵です。
先生も生徒も生き生きしているように感じます。特に校長先生がとても良いお顔です。豊かな人生経験が現れていて、自分もこんな風になりたいと思いました。
映画を一度見ただけの記憶なので不確かかもしれませんが、この学校は開校日の一か月前に継続するかどうか決まるそうです。おそらく国や自治体の援助で運営されているからでしょう。(全部自費だとするとものすごい学費になると思います)
とても素敵な学校なので末永く続いてほしいと思います。
ヒマなら見てね
主婦の学校 と言うから主婦になったヒトが学ぶ学校かと思ってが、地球温暖化の影響で、これまでの生活が維持できなくなった時に役立つ事を学ぶ学校だった。
便利なもの、豊かなものばっかりを追い詰めるのではなく、それまでに培った事柄や手仕事を丹念にやっていく事の大切さがわかった。そしてこの映画を見て幼い頃の祖母を思い出した。
ばあちゃんは、シャケの頭をザックリ落として鍋煮てた。梅干しをひっくり返して陽に当てたり、反物の洗い張りをしたり、ぬか漬けかき回し、あねさんかぶりをして、布団の綿入れをし、胡桃の実をほじって、胡桃豆腐を作り、ストーブの上で煮豆をコトコト煮て、遊びに行くと、笹巻き、ゆべし、たまにフレンチトーストを作ってくれた。そして背を丸めて、古いセーターを解いた毛糸玉を転がしながらいつも夜なべで鍵編みしてた姿を思い出した。
なんだ、それとおんなじじゃん。
ドキュメンタリーにしては、それぞれの過程がキチンと描かれて無かったが、学校の在り方はよくわかった。最後、アイスランドの女の子たちが集合するが、皆、長い髪で、おんなじような恰幅よい体型なんだ!とそれにビックリしてしまった。
魅力的な家事スキルの専門学校
料理にテーブルメイク、裁縫、編み物、掃除、洗濯、マナーなどを教えてくれる家政学校の話。どれも、ちゃんと出来たら暮らしが明るくなって人生も楽しくなるものたち。実用的な家事のテクニックを習得することで、使い古された言い方になるけど“丁寧に暮らす”価値観などが醸成されていくようで、その順番がいいなと思った。理屈を理屈のまま押し付けるのじゃなく、手が先に覚えて、頭に入ってくる感じが。
映画は、学校の風景や在校生、卒業生、先生たちのインタビューで構成されているけど、インタビューもそう重い内容は含んでおらず、わりとたわいなくて、でもそれがよかった。
野生のブルーベリーを摘みに出かけたり、マットを布団たたきのようなものでバシバシやったりしているシーンに、全然それっぽくない音楽がかかるのが面白い。
生徒たちはほとんどが女性で、若い人が多い。何も競わず争わず、協力して作業に当たっている。だいたいは熱心に何かしていたり、時にはかったるそうに何かしていたり、誰かの失敗を笑い飛ばしたり、とても普通。ほのかな友情が流れている様子で、楽しそう。
家事の話はジェンダーの話に結びつきやすいので、そういう話も出てくるかなと思ったけど、そこはごくソフトタッチで。ただ、“良き妻”になるために学校に通ってくる生徒っていうのが実は少ないことは明示されていた。
男性の生徒が初めて入学したとき、先生が生徒たちを呼ぶのに、最初は「いいわね、ガールズ、あ、キッズ」と言い直していたけど、そのうち男性も含めて「ガールズ」で通してしまったという話を、当の男性が愉快そうに話していた。おおらか。その男性は「女性たちの仲間に入れてうれしかった」と言っていた。心に残る。
不景気になると入校の申し込みが増えるそうだ。2008~2010年頃がピークだったって。今また多いんだろうか。
丁寧な暮らし
アイスランドと聞いても、アイルランドと間違えたり、どこにあるかわからない、という日本人が多いかもしれない。地図でいえばイギリスの左ななめ上、スカンジナビア半島の左、グリーンランドの右の、小さな島だ。面積は北海道と四国を合わせたくらい、人口は40万に満たない、独立した小国である。バイキングの末裔が住み着いたとも言われ、何代か遡れば、島中が親戚、という説もあるらしい。アイスランド出身で有名なのは、ビョーク、シガーロス、ムーム、かな。
首都レイキャビクにある、主婦の学校は、学位が取れる大学でもないし、数学や歴史を学ぶわけでもない。料理、テーブルセッティング、マナー、裁縫、編み物、洗濯、アイロンがけ、掃除、消火器の使い方まで教わる。驚いたのは、機織り。えー、私も習ってみたいー。生活に必要な技術を習得する「だけ」だが、とても丁寧な仕事の仕方を教えている。生徒たちが作る料理も、すごく凝った手間のかかるもので、本当に美味しそう。BGMもなく、無言の中で、その手仕事を見ていると、すごく穏やかな気持ちになる。
スローライフを好む人にはいいと思う。寮もあり、共同生活も和気藹々で楽しそう。ただ、学校として経営するのは、けっこう大変そう。少ない生徒数で、濃い授業をするには、それなりの学費を設定してるだろう。卒業して、確実に仕事に役立つかというと、うーん、どうかな。でも、映画に出てくる元生徒たちは、満足してその後の人生を送っているので、私塾としては価値があるのだと思う。設立1942年ということは、もう80年近く存続しているわけで、それなりに評価されているのかもしれない。
内容はBBCのドキュメンタリーっぽい。が、ブルーベリーをとりに行った時や、生徒の地元など、アイスランドの風景が見られて、良かった。ほんとに木が生えてなくて、風が強い、だだ広い土地だなぁ。
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