ムーンライト・シャドウのレビュー・感想・評価
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小松菜奈の現時点での代表作
執筆したインタビューに詳細は記述させて頂いているが、小松菜奈の女優としての魅力が存分に詰まった作品だ。7~8年前、「渇き。」の撮影現場で、中島哲也監督の陣取るディレクターズチェアの真横で大粒の涙を流しながらワンワン泣いていた少女が、素晴らしい女優への成長していることに感慨深い思いを抱かざるを得なかった。そんな小松の魅力を引き出したのは、エドモンド・ヨウ監督であり、相手役を演じた宮沢氷魚。有名原作ではあるが決して派手な作品ではない。だが、喪失の痛み、悲しみから如何に立ち直っていくかを丁寧に、そして優しく描いている。
小松菜奈の“素の美しさ”をとらえた宝石のような映画
意外にも、小松菜奈にとって長編映画単独初主演だそう。モデル出身の恵まれた容姿に、どこかはかなげな存在感、ポップなラブコメのヒロインからエッヂの効いた役まで幅広くこなす豊かな演技力により、2014年の「渇き。」以来コンスタントに年2~3本のペースで大作や話題作に起用されてきた。観客が惚れるくらい女優を美しく撮るのは(特に恋愛物では)常道だが、過去作での小松はメイクアップと照明によりきちんと造形された美として映画の中に存在していた印象がある。
だが「ムーンライト・シャドウ」は、何者でもない20代前半の女性が恋に落ちるもストーリーの半ばで恋人と死別してしまい憔悴する(そのためメイクもほとんどしなくなる)という役どころに加え、被写界深度を浅くして背景をぼかし被写体の顔をじっくり映す撮影スタイルも相まって、小松の素の美しさをとらえることに成功している。マレーシア出身のエドモンド・ヨウ監督とタイ出身の撮影監督コン・パフラックによるアジアコンビが、吉本ばななによる日本発の物語と情景を外国人の感性で再構築することにより異化効果が生まれた点も、ファンタジックな要素を含む世界観に奏功していると感じた。
小松のこれまでの代表作に比べると、小品の味わいではあるが、それがまた心の片隅にいつまでも残るような愛おしさにつながっている。
月影現象で会ってみたい人。 ヒトラーと毛沢東かなぁ。
月影現象で会ってみたい人。
ヒトラーと毛沢東かなぁ。
まぁ、若いうちは恋愛も良いが、逢瀬を繰り返せば、その内に飽きる。絶対に飽きる。あと、1時間も鑑賞しなけりゃならない。飽きた。
もみ上げ弟とまつ毛の青は寒気がする。
もみ上げ男は七光りの月影?
日藝の学閥か?
10分の短編で良いんじゃない?
前に誰かがいないと演技が出来ないのだと思う。それが、この映画に出ている役者の技量なのかもしれない。どうでも良い事だが。役者は知らない人ばかり。
喪失と再生の物語
少し難しさのある作品。
失恋を経験したことのある人なら、失恋というのは一つの死だと思うかもしれない。
それが失恋でなくても、実際にその人が亡くなってしまえば、それはもちろん言葉通りだが、もう何もできないということが辛さに輪をかけるのだろう。
この物語の「喪失」はそうして起きてしまった。
その「再生」を「死者との邂逅」という奇跡的な出来事によって叶えようとしたのがこの物語の目的となっている。
ミステリアス感満載の登場人物ウララ。彼女が案内人となり、満月の明け方のまづめ時に死者と邂逅できるという「月影現象」にかけてみるふたり。
ヒイラギのいつもの居眠りによってヒトシがユミコを送っていく途中でふたりが交通事故死したことが、ヒイラギの自責の念となっている。
彼は当初月影現象に参加しないと言った。
しかし当日、邂逅できたのはヒイラギで、サツキには鈴の音だけしか聞こえなかった。
作品の描き方の特徴に、感情をストレートに表現しないことで、登場人物たちの考えていることがよくわからないようになっている。
これがこの作品の難しさの要因だろう。
なぜサツキがヒトシと邂逅できなかったのか?
それはおそらく、サツキが彼がいなくなったことを実感できていないし、別れる決心をしていなかったからだと推測した。
そして、最後にサツキは一つの答えを導きだす。新しい人生の歩みをし始めることだ。
「私はここから離れる。止めることのできない時間の流れがある。また会える人、二度と会えない人」
「幼かった当時の私と、当時の彼はいつもそこに一緒にいる」
サツキが腹を決めたとき、見えたヒトシ。
奇跡は、自分の考え方ひとつで起きる。そこに至るまでの苦しみをウララは「風邪」に例えた。「人生で起きた風邪」
ヒイラギはユミコの服を毎日着て、そうすることで自分の心の中を確認して、そして受け入れることができていたのだろう。それが彼が邂逅できた理由だ。
サツキも感情を話さない設定なので、そこにあるはずの「なぜ」が登場しないことで作品が難しくなる。
何度も彼女の走るところが出てくるが、それは過去に戻りたい衝動であり、何もなかったことにしたい、または忘れたいという葛藤だ。
サツキの感情を行動で示すことがこの作品が表現したかったことだろう。
しかしその裏にあるご都合主義的なプロット。これを良しとしない視聴者も相当数いるように思う。それを難しさによって中和しようとしたように感じてしまうのだ。
タイトル通り、最初にあるのが「月影現象」
その奇跡は死者との邂逅。そのために行われる謂れについてのトーク。
二組のカップルとその相違。
そして鈴というありがちなアイテム。
感情表現しない登場人物たち。特にミツルの話を聞きに集まった人たちの顔にはどこか不自然さを感じた。当然そのように設定されているのだろう。
ミツルの世話人のウララは一般的な人物だろうが、黙々と、または上の空でパンを食べる二人には、彼女がいつ帰ったのかわからなかっただけなのだろう。画面上突然現れたり消えたりしている。
それを第三者的視点で撮るので……そう見てしまう。
しかし多少考えることができたので、良しとしよう。
サイコロを振ったら、百回連続で同じ目が出た、みたいな…
十数年前に原作を読んでて、幽かに雰囲気を思い出した様な……氣分にはなれた。
小説の世界観を表したいのが解るが、映画として観ると間延び感が先立って、退屈に感じられてしまった…。
今ひとつ入り込めなかったが、原作を読んだときの雰囲気はなんとなく味わえた氣がした。
この世界観は…
夢を見てるような、スピリチュアルな感じ。
原作が吉本ばななと知って腑に落ちた。
昨日まで普通に楽しく過ごして次の日会う約束をしていた相手が突然この世から居なくなるってこういう感じになる。(経験あり)
原作は昔読んだような気がするけど柊の彼女は外人だったっけ?でも黒人の女の子なのに「ゆみこ」って…おいおい。(せめて「キャシー」とか「レベッカ」にしてほしいわ馴染めないよ!)
まぁ最近じゃ黒人の男の子でも「たくや」だったりするから良いんだけど33年前の原作だから当時は有り得なかったでしょ?
彼氏が死んでから食欲が無かったさつきが天そばの海老を食べるシーンがあり人はどんなに辛い事があっでも食べて寝てやがて忘れていくんだな、風邪引いて回復していくみたいなものなんだな、と。
ソレが生きて行くってことなんだな。
【”彼が遺した鈴の音。されど、川は流れる。”今作は、マレーシア出身のエドモンド・ヨウ監督が日本の名作短編をアーティスティックな世界観で描いたニュー・アジアン・フィルムである。】
■今作は、「渇き。」で度肝を抜かれた小松菜奈さんと、「his」でビックリした宮沢氷魚さんのW主演という事で、観る気満々だったのだが、私が当時影響されており、且つ私がこの映画サイトを鑑賞記録用に使っていたのを、”レビュー、投稿してみようかな‥”と思わせてくれた素敵なレビューを挙げられていた方の”まあ、ちょっと、惜しい感じだった・・。”と言うコメントを見て、観賞を見送った作品である。
だが、フライヤーはしっかりと、取って置いた・・。
◆感想
・確かに鑑賞すると、原作の設定は残しながらも、独特のアーティスティック且つ不思議なエドモンド・ヨウ監督が作り出した世界観は、評価が分かれるな・・、と思った作品である。
・近作で言うと、中国のチャン・リュル監督の「柳川」を思い出させるテイストの作品であった。
ー 「柳川」は、個人的にはジョン・レノン&オノ・ヨーコの名曲”oh my love"が印象的な、好きなテイストの作品である。-
・今作での、小松菜奈さんの立ち居振る舞いや、唯一無二の”凄い目”(喜怒哀楽を、目で全て表現する。)は健在である。
ー それは、冒頭のさつき(小松菜奈)の憔悴した目からの、等(宮沢氷魚)との恋を紡いでいく時の輝く目である。-
<マレーシア出身のエドモンド・ヨウ監督が紡ぎ出す、不可思議な世界観は、原作と通じる所もあると思うし、面白くも感じた部分は多い。(それは、偏に小松菜奈さんの唯一無二の”目””であり、中性的な人物を演じさせたらこの人、宮沢氷魚さんの存在感である。)
アジアの若手監督が、日本の名作短編を描いたら、こういうふうになるのかな、と思った作品でもある。>
非現実さを含みながらどうしようなく現実味を帯びている
この作品の主軸は個人的には、ヒロインのさつき(小松菜奈)が恋人の等(宮沢氷魚)と過ごした尊い時間から等の死を受け入れるまで。等の弟の柊(佐藤緋美)が恋人のゆみこ(中原ナナ)の死を受け入れるまで。時間の流れとともに変化していく細やかなさつきと柊の感情を四季のように描いた作品だと思いました。
状況とは裏腹に淡々と進む部分もあり少々違和感もありましたが、特殊な設定でもあるのでそこはご愛嬌として鑑賞しました。
この作品を鑑賞して感じたのは、誰しもが大切な誰かを失った時言いようもないほどの悲しみに襲われ、そして不確かな何かに縋りたくなるということ。人は心では分かっていてもどれだけ非現実的でも一縷の望みに期待し諦められない。
悲しみから逃れるために、これが現実であると忘れるために忙殺されようとしたり、しきりに何かに没頭します。
呼吸をして生きているのにまるで生を感じられないさつきと柊の静かな悲しみがそこにはありました。
昔から幸せにはいつでも悲しみが付き纏い、幸せは一つ線を消せば辛さに変わると言いますね。
人間が目を逸らしたい悲しみからもがき苦しむ様は現実でもありえること。
この作品ではそこにスポットライトを当てて描いていたように感じました。
原作にあまり沿っていないため実写化は別物として観ることをおすすめします。
小松菜奈さんのファンでなければ見飽きてしまうかも。
小松菜奈さんと宮沢氷魚さんの共演自体は非常にエモーショナルでその点では良かったです。
最後まで観られなかった
小松菜奈ファンとして鑑賞したが、作品の仕上がりとは別物。
途中で観るのをやめました。
個人的に相手役の宮沢氷魚が好きになれない。
ま、小松菜奈さんにとってこんな作品にも出てたんだなという事で。
終わり。
難しい表現方法?
お別れ出来なかった人ともう一度逢える
そんな都市伝説的な物語?
と、思って観ていましたが、そうじゃないんだなぁ…
鑑賞後の感想は、そんな感じでした
前に進めぬ2人の為に、必要な都市伝説
本当か?
夢か妄想か?
それは、見た人の感じ方なの?
良い表現ではないけど、同じ環境の自分がいて
そんな気持ちで見たら、また違うかもしれないなぁと思いました(≧∇≦)
世界観がすごく好き
幻想的な景色
長い連休中に現実逃避していて
センチメンタルになっている気分とか
二度と会わないであろう人の香りや面影を思い出す感じ
夜ぽい映画。好きかも
それにしても小松菜奈と宮沢氷魚のビジュアルは
とても映画映えする。
雰囲気映画
邦画のいいところ満載の映画(個人的に)
ストーリーがどうとか内容がどうとか
そうじゃなく雰囲気を楽しむ映画やと思いました
出演者に違和感はあったけど小松菜奈はすごく良かった
音楽とライティングも最高
小松菜奈ってよく作中でパン食べてない?
淡々とした作品。 大きな事件さえも淡々と描かれており、正直退屈だっ...
淡々とした作品。
大きな事件さえも淡々と描かれており、正直退屈だった。
死者と再会できるという月影現象のシーンさえもさらっと流されており、なんだこりゃ、という印象。
時間は一直線に進む
小松菜奈さんが好きで見に行きました。
とても美しかったです。映画の撮影地の絵もとともよかったです。
内容に関しては、恋人を失ってしまった主人公がどのようにして悲しみを乗り越えて前を向いていくかというストーリーでした。
終盤で主人公が立ち直っていく際の心の声のセリフが印象的でした。確かに、時は必ず一方行に進むように、自分の人生も前に進むしかないなとこのセリフから思いました。
独特で綺麗な世界観は良いと思う。 主人公の少し進んでいく感じとか綺...
独特で綺麗な世界観は良いと思う。
主人公の少し進んでいく感じとか綺麗に描かれていたが、シンプルにあまり面白くなかった。最後の方は好きな感じだった。
心の機微を描く
静かで穏やかな生活、柔らかな光に包まれているゆっくりとした時間。
丁寧に発せられる言葉も色合いも美しくて引き込まれた。
ただ、感情は染み込むことはなく上滑り。
前作もそうだった様に、監督と相性が悪いかもしれない。
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