ホテルアイリス

劇場公開日:

ホテルアイリス

解説

芥川賞作家・小川洋子の小説「ホテル・アイリス」を、永瀬正敏主演で映画化した日本・台湾合作による恋愛ドラマ。海沿いの寂れたリゾート地。日本人の母親が経営するホテル・アイリスを手伝っているマリは、ある嵐の夜、階上に響き渡る女の悲鳴を聞く。男から罵声と暴力を浴びせられ取り乱す女の姿に衝撃を受けるマリだったが、その一方で、自分が男の振る舞いに激しくひかれていることに気づく。男はロシア文学の翻訳家で、小舟で渡った孤島でひとり暮らしているという。住人たちは、男が過去に起きた殺人事件の真犯人ではないかと噂する。一方のマリもまた、台湾人の父親が事故死した過去を持ち、心に深い闇を抱えていた。2人はいつしか愛と死の香りに満ちた禁断の世界へとのめり込んでいく。男を永瀬、マリを台湾の新星・陸夏(ルシア)が演じ、「郊遊 ピクニック」のリー・カンション、「赤い雪 Red Snow」の菜葉菜、「菊とギロチン」の寛一郎が共演。監督・脚本は「青い車」「黒四角」の奥原浩志。

2021年製作/100分/R15+/日本・台湾合作
原題:艾莉絲旅館 Hotel Iris
配給:リアリーライクフィルムズ、長谷工作室
劇場公開日:2022年2月18日

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映画レビュー

4.0奇異な作品

2024年6月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

謎だらけの作品。
簡潔に言ってしまえば、主人公マリによる妄想が描かれているだけとも取れる。
マリの妄想は、寂れた小さな町の変化のない日常とその枠から逃れたい思いの表れ。マリの心の中にある孤独というイメージを感じる。
彼女が作り出すマリーという女性は、おそらく鏡に映るマリ。
裸で椅子に縛られるシーンは、母による彼女を縛り付けるような管理とそれを受け入れている自分自身を表現している。縛られることの最大の妄想であり性的欲求不満。
人にとって認識とは後付けの産物で、マリにとっては父が好きだったこととその父が殺されたこと、その犯人が母といつも一緒にダンスをしている男かもしれないこと、その父に性的虐待を受けていたこと。
このマリの歪んだ認識のようなものが彼女の妄想を作り出す。
翻訳家の男の正体は謎で、ホテルアイリスで商売女に暴力をふるったことと、尾行したこと、そしてある日浜辺で男の死体が見つかったこと以外すべてがマリの妄想だろう。
妄想を日記に書くことで暇な時間をつぶしているのがマリだ。
その背後にある要因のひとつが母への確執。父殺しの一端を担っていると信じている。
そしてもう一つ考えられるのが、
冒頭のラムネを飲むシーンと島に渡って入った家の中にあった日記。または小説。
そこに書かれていたホテルアイリスとその場所の描写や「マリー」という主人公がそこで体験する殺人事件の物語。
マリはマリーになりきり、小説の中の体験を妄想する。そこに父や男の身内などを加えながら自分なりの物語を妄想する。
最後のホテルにチェックインした母子を見て、その男の身内に仕立て上げて息子との性的接触を妄想した。
しかし、
「あなたは誰?」「私はあなた」「私は誰だ?」「私はあなただ」と繰り返すセリフは何を意味しているのだろう?
さらに「私が憎いか?」「あなたを愛しています」とはどう受け取ればいいのだろう?
それはマリ一人の人間の妄想だからかもしれないし、この作品が妄想だということを視聴者に伝える手段かもしれない。
マリの着るジーンズと黄色いサマーセーターは、現実のマリの世界を描いている。
冒頭のラムネ 島の空き家で見つけた本 浜辺で見つかった男の死体 母子のチェックイン
そして、彼女の妄想は続くのだ。
とても奇抜な作品だと思った。

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R41

2.5微妙にキレイな娘(コ)ですね

2023年6月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

永瀬正敏演じる無国籍映画。
オッサンが好きな流れになるのか!と期待するも
へへ、ギリギリそこへはいかんぞ
とブロックする。
そんなことよりこの娘(コ)の内面を考えてやってくれ
いや、もう少し表現してくれんとわかりまへんわ。
50点
1
京都シネマ 20220315

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NWFchamp1973

2.0アイデンティティ

2022年11月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

何かしらの非日常がなければ、自身のアイデンティティが確保出来ないマリなのでは。
映画だけでは、理解し難い作品。

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上みちる

3.0危険な恋、マリ,その男変態よ

2022年10月9日
iPhoneアプリから投稿

 台湾の海沿いにあるホテルアイリスの娘マリは島に暮らす翻訳家の男に惹かれて、彼の家に行くようになり、関係を持つ。でもいきなり裸にされて椅子に縛り付けられる。変態よ!二度と行っては行けません。でもマリは危険な男にさらに惹かれてしまう。
 ある日、彼の義理の息子が死んでいて、自分も裸で縛られる。普通危険を感じるよね。ハサミを身体に這わされて「舌を出して」と要求される。ひぇ〜ハサミで舌を切らちゃう、出しちゃダメ〜と思ったら舌を吸っていた。やっぱりこの男変態じゃっ!
 とにかく翻訳家が謎だらけ、娼婦を殺したのは確かだろうが、マリのパパを殺したのも彼なのか?彼の妻が死んだのはホントに事故だったのか、義理の息子の舌がないのはホントに病気だったのか疑問だらけ。
 そんな不気味で変態な中年男、永瀬正敏はまさにハマり役。危険なのに、どこか魅力的な男がホントにハマっている。彼あっての映画だな。

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アンディぴっと
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