「徹頭徹尾なサム・ライミワールド!」ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス regencyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0徹頭徹尾なサム・ライミワールド!

2022年5月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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サム・ライミと言えば『死霊のはらわた』が出世作のホラー畑出身者。ザック・スナイダー、ジェームズ・ワン、デヴィッド・F・サンドバーグ達がDC作品に参加したように、ホラー映画監督とアメコミヒーロー映画はマッチング度が高い。MCUでもオカルトホラー物を得意としていたスコット・デリクソンが前作の監督だった。そういう点でも、魔術という妖しき能力を持つドクター・ストレンジは、悪霊ゾンビ物を得意とするライミにうってつけのヒーローだったのだろう。
そんなわけで続編となる本作は、予想以上にライミ節炸裂のホラーテイストで、エグい描写が結構多い(それでも過去のライミ作品より抑えめ)。特に魔女の暴走を止めるキャラが“らしさ”全開で、よくディズニーマーベルが許したなと思うほど。おそらくだけど監督オファーを受けた際に、「やりたいようにやっていいから」という条件を受けたor提示したのだろうと予測。盟友ダニー・エルフマンが劇伴を担当すれば、ライミ作品に欠かせない幼なじみのブルース・キャンベルがカメオ出演している事からも、徹頭徹尾ライミワールド。
要のストーリーはMCUらしく良くも悪くもな混雑渋滞ぶり。特にドラマ『ワンダヴィジョン』を観ている前提で作っているのは不親切(それを補う為にパンフを販売していた)。まぁ前作同様、お化け屋敷のアトラクション感覚で観られるから良しとしよう。
お楽しみの隠しキャラ登場もあるけど、あの俳優って確か『〇ーガン』出演時に「もうこの役を演じるのは最後」って言ってなかったっけ…

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