「死霊のはらわたミーツMCU!」ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス Movieアパートさんの映画レビュー(感想・評価)
死霊のはらわたミーツMCU!
呪われた書 に絡んで化け物化した女性が追いかけてくる話‥ って書くと 死霊のはらわたのパクリじゃん!
となるがこれが今作のあらすじ かつ パクる権利を持った人が監督しているので全く問題なし!
ということで
事前に 完全にホラー映画として演出している 的なことをサムライミが言っていたので、そうだろうとは思っていたが今作は完全に そういう映画笑
マーベル映画的文脈で行くとサムライミはもちろん
スパイダーマンの監督だった人 となるが本作ではよりルーツに戻り 死霊のはらわたの監督だった人 として理解する必要がある。
普通に いや怖いよ!ビックリするわ! ってなる所が随所にあり、楽しませてもらった。
マーベル映画史上最も 恐ろしい 映画になってるんでは無いだろうか。
途中のワンダとかもう完全に キャリー兼ゾンビ みたいになってて
どーしちゃったの笑
と少し心配になるレベル。MCUシリーズ最新作としての今までのキャラクターの流れとかよりも今作単体の成立を優先している感もあり、サムライミという監督の流れを理解していないと結構戸惑いそうではあるなとも思う。でもマッドネス ってタイトルに入ってるからまぁいいのか。
でも序盤のニューヨークでの化け物とのバトルシーンはスパイダーマンテイストを感じる動きが多数あり、意識はしているのを感じる。
あと、個人的にはこのシーンで化け物の目ん玉が取れる時の 音 にめっちゃ笑った笑
映像的にはかなりグロいんだけど音がキレーイな
キュポンっ!
って音すぎてギャップに爆笑
ホラー映画化しているというところに繋がる部分では、ストレンジの魔術は前作ではいわゆる ドラッギー な感覚として解釈され映像表現されていたのに対して今作では 呪術 的なニュアンスが多分に含まれていて、特に終盤は恐ろしいものがワンサカ出てくる。
ただ、ストレンジが初めて マルチバース を文字通り横断するシーンはめちゃくちゃドラッギーで、今まで見たことのない映像体験という意味ではこのシーンがベストだった。
マルチバース という部分の本作での置き所はノーウェイホームとは違っていて、あり得たかも知れない自分 とか こうならずに済んだかも知れない自分 みたいなものを登場人物が見出す要素として描かれていて、物語的な処理もキチンとしていたかなと思う。
仕掛けとしての マルチバース の マッドネス に作り手側が陥らないようにやはり気をつけているのかな。
ファンを喜ばせるためだけに話が破綻して空虚な大作にならないように注意してるんだと解釈すればやはりMCUはしっかりしているなと個人的には思う。
※スターウォーズの二の舞はもう見たくないので笑
サムライミ印のホラー映画をMCUで展開した興味深い作品 としては全体的にかなり満足度の高い映画だった
ただ、以下は個人的には少しどうなんだろうなーと思った部分。
一つ目は ワンダ の抱える背景について。
これ普通に ワンダビジョン 見てないと、なんで彼女あんなことになってるのかよくわからなくない?笑
なんなら見てる自分も戸惑うぐらい悪役化してたけど、参照を前提とする作品として配信限定ドラマまで混ぜ込んでくるのはちょっと苦しいなと感じる。
二つ目はプロット上の話運びの流れについて。
黒幕がワンダとわかって物語が動き出すくだりとかちょっとぎこちないというか、単にワンダが悪役ですよー というのを説明するためだけの段取り臭い展開に見えて乗りづらく感じる。
手早くホラー映画ゾーンに突入するために説明的な流れにせざるを得なかったのかも知れないけど根っこのところでスムーズじゃないと感じたせいでその後のワンダ周りの話が全体的に飲み込みづらくなってる気がした。
三つ目はストレンジのキャラクターについて。
この人こんな人だったっけ?笑 と少し思うような、
過去作と比べると 単にいい人 的な人物に変わってるように感じるところがいくつかあって、ストレンジの行動の動機とかにやや引っかかる部分があった。
もう少し身勝手というか高飛車な雰囲気があったところが個人的には好きだった。
あとは不満ではないけどイルミナティ周りのサプライズキャスト達について。
ノーウェイホームでぶち上がった後なのもあって少しどうでもいい感があったかな。
まぁこれは個人の好みの問題。
でも ゾンビ化したストレンジさんとかも結構盛り上がる というか これでクライマックス行くんだ笑 という面白さもあって色々とみる価値があるのは間違いない。
どーせならDolby とかのしっかりした形態でも見ようかなー
以上!