「物言わぬ父の怒りと哀しみ…なのだが」キャッシュトラック Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
物言わぬ父の怒りと哀しみ…なのだが
ギャラは?
第一の襲撃事件があったのに、その直後も男たちは制服に着替えて、細かにチェックされて、施設に入り仕事の説明を受けて……一つしかない命を晒して、淡々と輸送車に乗り込む。序盤はとにかく、こんな仕事で彼らはいったい、幾ら貰っているんだ、いつまで続けるんだと言う疑問ばかりが、胸に渦巻いていました。
素手の殴り合いみたい
本作はHの闘いぶりについて言えば、腹にずっしりと来るアクションの印象でした。細かな動きが繰り返されるのではなく、敵の弾道を見抜いて、自分の弾丸は寸分狂わず一撃で相手の頭を撃ち抜く。素手のストリートファイトそのままでした。そうなれば、ジェイソン・ステイサムの独壇場。
一つの襲撃事件が警備会社、Hと息子、襲撃犯たちの三者の視点で、なぞりながら描かれて、アクションに加えてサスペンス要素も盛り上がりました。
悪い奴コンテスト
作品の基本コンセプトは、犯罪における「地獄送り野郎コンテスト」だと思いました。警備会社のリーダーの1位と、傭兵の裏切り者の2位は動かない…と思います。リーダーの奴は仲間を何人撃ち殺した?
現金強盗のその他のグループや、粛々と事を進める傭兵のリーダーも悪党極まりない。もちろんHも含まれます。犯人に辿り着くまでに、少し殺し過ぎでしょう!
ポスターのジェイソン・ステイサムの鬱っぽい感じは、その後ろめたさですか。
ゴワゴワの肌触りのトレーナーのような、アクションストーリー。
しかし、最後にHが傭兵の隠れ家を突き止めた仕組みは、私には分かりませんでした。Hの仲間たちのサーチの力?
警備会社と息子と強盗他闇勢力、それにアンディ・ガルシア他の、でしゃばらないFBIが軽いスパイスをきかしていたと思います。
Hが傭兵の隠れ家を突き止めたシーンもFBIが手引きしたものと思います。
職務質問や勾留でドラマを間延びさせることなく黒子に徹していてよかったです。
警備会社の悪リーダーは同僚を
躊躇なく、撃ち殺しましたが、殺された側の殺られ映像も省略して、映画のスピード感を大切にした感じも好感を持てました。