「哀しき糧」復讐者たち MARさんの映画レビュー(感想・評価)
哀しき糧
家族をナチスに殺されたと知ったユダヤ人、マックスが復讐を目標に、ユダヤ旅団や過激派集団ナカムを渡り歩き、ひとつの答えに辿り着くまでを描いた作品。
罪のない家族を殺されたら、あなたならどうするか?…を観客側にも問うている映画。
比較的テンポよく進み、2時間弱の時間を全く感じさせないつくり。しかし、その時々のマックスの心をしっかりと理解していないと、ちょっと混乱するかも。かく言うワタクシは、「え、つまりどっち!?」と思ってしまった場面がチラホラと…。
希望を持たせる…マックスにその意図があったかはともかく、残酷なやり方だ。。それでいて、少し感心してしまった自分が恐ろしい。。そんな能力(⁉)が買われ、ユダヤ旅団のミハイルから仲間に入ることを許可される。
程なくして、ユダヤ旅団から、過激なナカムの調査の為、同団体に潜入するマックス。
確かに、「なんでいきなりその気に?」とは思ったが…。つまり最初から…!?
そして、映画に招待したのは、寧ろその意図があってのことだと思ってたんですけど、逆だったのか…。確かに、どちらともとれるのかな。奥深い…。
そして理解力の低い自分には、結局アレが何だったのか良くわからなかったのですが…スピリチュアル的な何か?
そんなこんなで、個人的に少し難しい作品でしたが、とにかく「復讐」というものについて考えさせられる作品。
目には目を歯には歯を、という言葉もありますが、やり返す内容によっては、その嫌な相手と同じレベルに落ちる、ということも意味しますからね。
…とは言えどうだろう。自分が同じような立場になったとき、冷静でいられるだろうか?
そんな時には、「二度と繰り返してはならない」という言葉を思い出せるように、しっかりと生きていかねばですね。
そして、本筋とは違うけど、一番印象に残ったのはアブラハムの言葉かな。
命があるのは善行のおかげか、あるいは悪行か…。平和とは離れた世界においては非常に深い意味を持つな~とハッとさせられた。
嫌~な雰囲気の世の中になってきましたが、どうかこんな恐ろしいことが起こらないように、或いは既に起こっているなら直ちに止まるように、切に願うばかりです。