逆光のレビュー・感想・評価
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【気怠い夏休み、尾道に戻った僕と先輩の情愛をどこかエロティックに描いた作品。】
■大学生・晃は、好意を寄せる先輩・吉岡を連れて尾道の実家に帰省する。
晃は吉岡を退屈させないよう、幼馴染みの文江や変わり者の彼女の友人・みーこと4人で過ごすように。
やがて、吉岡はみーこのことが気になり始め、晃を悩ませる。
◆感想
・如何にも自主製作映画っぽいが、晃の事を心配する幼馴染みの文江の姿が、善性を感じさせて良い。
・晃が三島由紀夫に嵌って居たり、学生同士が机上の空論の討論をする場で、”皆ピカで死んだんよ!”と叫ぶ女性の声なども印象的である。
<恋愛は時代に有害であるべきとは、私は思わないけどなあ・・。>
すごく好き
ストーリーが好みすぎたのもありますが本当にドストライクでした。
映像の質感もすごく好きです。キャストの皆さんも素晴らしかった。キャラクターも良かったです。とにかく先輩がクズで最高でした。はっきり書かないのも、ありがとうございます!!ってなりました。
不思議な気分
そもそも本作を観にくるきっかけとなったのは、我が家のある街京都六曜社のワカのブログ投稿だった。
クラファンがどうだとか、出演者がどーたらとか。
ワカは昔岡崎までの川沿いでソルケッサと言うカフェをやってはってその時から不思議でしたが、この映画でより一層の不思議さが増しました。
で、映画の方はというと三島が出てきた時点で僕の警報はリンリン。やっぱりかい。と言う展開。そして尾道と言えば昭和風と言う脚色でサヨデッカ◎と言う内容でしたわ。しかしこの映画で三島とビートニクを繋げる何かを見つけたような気がしてええ拾いもんがでけた。とおもとりますw
美しいのがとても印象的
田舎と都会、保守と革新など様々な対比がされていて面白かったです。
作品全体を通して美しくしあげているのが印象的で、帰り道で何度も思い返しました。僕はとても好きな作品です。須藤監督はまだお若い方のようで驚きました。これからの作品も追いかけてみたいです。
最後のシーンは特にグッときました。感情が伝わってきました。
これが才能というものなのか
70年代の尾道が舞台になっているが、尾道で撮影を行うことによって当時の雰囲気が見事に再現されているのが素晴らしい。また、吉岡が海に飛び込むシーンでの水中の描写や、晃が吉岡に氷枕を届けるシーンでの蚊帳をめくるあたりのそこはかとなく淫靡な様子など、カメラワークや画作りにこだわりぬいたと思われるあたりに非凡さを感じた。失礼ながら20代の俳優が主役を演じつつ初めて監督した作品とは思えないほどの映像美だった。
また、抑制した描写でありながらも見るものに情感がありありと伝わってくるあたりなど、脚本と演出が見事に噛み合っていて、これも実に良い。
作中でガジェットとして扱われる三島由紀夫や、頻繁に出てくる喫煙描写、あるいは学生運動の尻尾を感じさせるシーンなど、時代を示唆する演出も見事。70年代の熱気と、晃の吉岡への密やかな想いとが、良い対比になっている。あの時代を生きた者にしかわからないと思っていたあの空気感を、若い監督がどう吸収し消化して再現したのか。これが才能というものなのか。
音と映像、所作の美しさ
なにげないシーンでも艶めかしさが伝わってくる。
晃の吉岡を想う一途な気持ち、所作が美しい。
また晃の心情を理解する文江の存在が重苦しさを中和してくれている。
70年代の活力を感じる。
あの時代の学生達は読書や世を論じることも娯楽のひとつだったかもしれない。
IQ148くらいにして観たい
25歳俳優さんが企画から監督、主演とやられているので凄く気になっていた。
直接的に分かりやすく、よりも
匂わせ、というか想像させて肝心なところを見せない
控えめな色気
須藤さんのインタビューの言葉を借りるなら
わかりやすいテーマを前に置かず人物の関係性や置かれている背景などから、自然と観る人の頭の中にテーマが浮かび上がってくる
まさにそうでした。
服装、地方、その雰囲気凄く好きだった
でもあきらをかっこつけるのか、ぼくちゃんなのか、どっちかに寄せたのも観たいと思った。
カメラワークが独特
最初ちょっと見辛いと思ったが後半の夜のシーンはよかった。主演の方、夜のシーンが似合う。
喫茶店でのあきらとみーこは絵になりすぎてた
たばこ
三島
傷つけられたい、について
どういうことだったんだろう?
分からないことが多くて、解説聞いてからまたみたいな。。
画がキレイでした。それだけです。
アングルがカッコいいとか、画がキレイとか、そういうのにこだわって撮影してるのは分かるけど、この映画にあるのはそれだけなんですよ
登場人物の心情を一切演出できてないし、それを撮れてもいない
主人公が先輩を好きな気持ちも伝わって来ないし、主人公が先輩とアホな女の子の関係を不安に思ってるのも伝わらないし、先輩が主人公を弄んでるのも描けてないし、幼なじみが主人公を好きなのは彼女の演技が上手いから伝わったけど、幼なじみは何を持って先輩の人間性を否定的に捉えたのか、それがどこかも分からない
脚本がそうなってるからストーリーは強引に前に進みますが、次のシーンでも次のシーンでもやっぱり登場人物の心情ではなく景色を優先した画が続いて、30分ぐらいでもうギブアップでした
あと、気になったのは展開が異様に遅いこと
2倍速ぐらいでようやく普通の速さです
だから本来は30分ぐらいのショートフィルムが適正の脚本です
あと、登場人物にタバコを吸わせすぎです
時代設定が昔なのは分かりますが、役者に演技力も無くて監督に演出力も無い映画はとにかく役者にタバコを吸わせがちです
三分の1シーンぐらいでタバコを吸わせてるから、呆れました
タバコにすぐ頼るぐらいだから主演としても演技が全然上手くないし、監督は監督業に手を出す前にまず役者を頑張るべきだと思いました
1番に監督をやりたいなら少なくとも自分の映画には役者として出演するべきではないし、あと渡辺あやさんの脚本や人脈や知名度に頼らないで自分1人の力でやるべきです
誰でも渡辺あやさんの脚本を監督できるわけじゃないから、彼女みたいな実力ある脚本家と関係性を築いたことは素直にすごいと思います
でも、それに頼っていると後で必ず破綻しますよ
多分、この監督さんでは脚本の面白さをスポイルしているはずだから
普段よく仕事してるNHKの監督さんがこの脚本を演出したほうが絶対面白かったはずですからね
脚本本来の面白さを損なう演出しか出来ていないのに渡辺あやさんの知名度に吊られて評価されていたら行き詰まるに決まってます
あ、それと舞台挨拶が予定になかったけど飛び入りで観客に挨拶するヤル気は良いと思います
ですが、一カ所しかない出入り口を塞ぐように立つなよと思います
せめて前から入って壇上で話して、後ろの出入り口は開けておけと
正直、映画を観に来た人たち全員があなたのファンじゃ無いし、次の予定とか帰りを急ぐ人もいます
そういう人たちが監督本人に悪いからみんな帰りずらそうにしていました
観客たちの心情も察することが出来ないで、知らず知らずに帰りたい人たちを帰りづらくさせる同調圧力を掛けてしまうところが、自己中心的で人としてダメダメだなと思いました
他者の心情をおもんばかることが出来ないから、この人は監督していても登場人物の心情を描けないんだと思いました
やはり、尾道は絵になる。
若い監督だが、今ではなく、70年代という時代を描いている点がユニークといえる。
やはり、尾道は絵になる場所だ。広島弁の響きも心地よい。
同性愛や日米安保闘争、三島由紀夫など深入りせず、触れるように描いている。
一遍の短編小説を読んでいるような作品。佳作と言えるのではないだろうか。
ぜひ、劇場に足を運んでみてほしい。
静寂の中に熱量を感じる作品
舞台は1970年代、まだ日本社会が成熟する前の時代であると僕は考えてますが、どこか危うい今の時代と重なるようにも思います。そんな時を生きる若者四人の話です。
一面的には決して対等ではない四人ですが、それぞれに不思議な色気と魅力がありました。また、主役の物悲しい表情や優しさ、時折見せる辛辣な言動等、危なっかしさを感じさせつつも、尾道の綺麗な夏景色と相まって何とも言えない美しさがある作品でした。
予告にある晃が飛び降りるシーンすごく好きですし、晃と文江の終盤シーンも自分なりに背景を想像してました。
監督兼主演の須藤蓮さんは初監督作品ということでしたが、今後注目したい方です。コロナ禍での自主制作は言い知れない苦労があったと思いますが、だからこその素晴らしい作品でした。ありがとうございました。
余韻が残る作品。
東京の大学に通う晃が大学の先輩、吉岡を連れて尾道に帰省する。そこに地元に残るフミエとみっこが加わり、4人の夏休みの一コマが描かれている。
吉岡 大学6年生で斜に構えている。
晃 4年生で留年決定。吉岡のことを慕う。
フミエ 地元で看護士をしている。田舎で鬱屈した生活しながらも周りの観察眼はするどい。
みっこ いわゆる不思議ちゃん。体は簡単に許すが口は堅い。自分の感情に素直に生きている。
晃の吉岡に対する思いを知りながらも、知らないフリをしつつ、尾道をまったり満喫しながら、吉岡は夏祭りの一晩の思い出もちゃっかりこなし、晃を翻弄する。
フミエは世話好きな肝っ玉母さんになるだろうなぁなんて思いながら、晃は東京に戻ったら吉岡のような大学で沈没した5年生になり、そして6年生になり・・・と想像してしまう。
三島由紀夫のことを崇拝する人たち、東西冷戦や核問題、70年代の時代考証もしっかりしてるし、着ている服や音楽もその当時を忠実に再現している。若い監督がそれだけの再現できたのはしっかり調べたからではないだろうか。
初監督作品らしからぬ非凡さを感じさせる佳作
「絵」と「言葉」の美しさが際立つ。
特に表題になっている「逆光」を生かした様々なカットが秀逸で印象に残る。
タイトルからして考察の余地を多分に残す語り口ではあるものの、静謐な佇まいの尾道でのんびりと夏休みを過ごすような心持ちでスクリーンを眺めているだけでも楽しめる。
時に、踊る女の子のキュートさに目を奪われたり、おだやかでない若者たちの議論にはっとさせられたりもするが、全体的に瀬戸内の波のごとく静かな演出で進むため安心して見ていられる。
同様に文学的な作品として、同時期に観た「ドライブ・マイ・カー」(そういえば、こちらも広島が舞台だった)と比べれば3分の1ぐらいの上映時間だが、見応えという面では本作の方を支持したい。
刹那のきらめき
最初の一声から引き込まれた。たぶんこの引き込まれ方は今までで初めてかなと思う。とってもユニークで楽しい。
本編の映像が本当に美しかった。役者の余白ある演技もそれに全然同調せずマイペースな音楽もとても心地よかった。途中、このシーンいる?って思うことが数カ所あったけど、観てから2日経って、思い出す余韻は美しさが先に立つ。刹那のきらめきがそこらにちりばめられていて緊張感と幸福感の狭間な感じ。
登場人物がみんなそれぞれ抱えてる気持ちがあって、その一部分しかおそらくこちらには見せてくれなくて(はっきりさせられなくて)その余白の気持ちを想像するのは観客で。そういう映画がなんだか久しぶりで心地よかった。
ちなみにパンフレットに映画本編の脚本が、、!
とっても読み応えがありました◎
BLというほどでもなくチョットエロい
1970年代の広島県尾道市。大学生の晃は、夏休みに好きな先輩・吉岡を連れ、尾道の実家に戻って来た。晃は吉岡を退屈させないよう女の子を誘って遊びに出ることにし、幼なじみの文江や彼女の友人みーこと4人で遊んだ。やがて吉岡はみーこのことが気になりはじめ・・・というBLっぽい話。
若者が安保とか原爆開発とか議論してたシーンは70年代だなぁ、と熱いものを感じた。
やたらと三島文学を絶賛するシーンもあり、三島由紀夫の割腹自殺からそんなに経ってない時代なんだろうと思わせる脚本は良いと思った。
尾道市から広島市へ行こうと晃が先輩を誘う時、広島市の事を単に「市内」って言う表現、他県からみたら変だと思うけど、これが、あるあるなんだよなー、って観てた。
吉岡先輩は晃に興味有ったのかイマイチはっきりせず、みーことは浜辺でセックスしだんだろうから、BLと通常の両方だったのかも。
みーこ役の木越明が不思議ちゃんでダンスも面白く魅力あった。
トップレスで踊ってた女優さんは誰だったんだろう?衣緒菜さんかな?
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