かそけきサンカヨウのレビュー・感想・評価
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女子高校生の精神的な成熟度
原作と、それを仕上げた脚本がいい。
そして場面の切り替わり方 カットのタイミングが好み。
今泉監督作品を改めて評価したい。
もともと原作者の窪さんの思考は好きで、「ふがいない僕は空を見た」の短編集は勢いのある文章が印象的だった。
全員が静かなしゃべり方をして激昂する者がない。
とは言えただ静かに物事が進むのでもなく、誰もが幾つかの心のつかえ を持つ。
鈴鹿央士は広瀬すずが現場見初めてスカウト同然で役者を始めた話が有名だが、蜜蜂と遠雷で見た時に他に代わりのない役者になるだろう事を実感した。
それが今回も活かされていた。
菊池亜希子や石田ひかり そして西村尚美などの母親たちは言うまでもなく彼女たち独特の個性がひかる。
とびきりの不幸ではない
ないが、自分の環境の何か何処かに 歪みを感じる高校生たちが
真っ直ぐに立つ姿が微笑ましい。
美しすぎるかな
美しいお話でした。
が、美しすぎる。
お母さんが家を出ていき、
高校生ながら家事をこなしていたら、
父親が恋人とその子供を連れてきたって、
私だったら、はぁ?!な展開だけど。
主人公は悩みつつも、受け入れる。
素直すぎない?
俳優さんがステキ(すぎてウソっぽい)で、
若い人、特に鈴鹿君の魅力だけで、
見れてしまった。
たまには刺激のない薄味を試したい人へ
映画館で見た映画があんまりだったので、口直しに真逆なものを見てみようと思ってプライムビデオで見た。
絶品ではないけど良作だと思う。
各々の家庭の些細な出来事を高校生目線で捉え、それを淡々と紡いでいく物語。
特にドラマチックなことは起こらない。
日常は実際そんなに刺激的ではないし、ベラベラ自分の気持ちを喋ったりはしない、特に高校生は。
そんなところを画で見せているので見ている人によっては間伸びしているように感じられるだろう。
ただ、ふとした時に我が子の成長を感じられるような喜びはこの映画にはある。
まぁ、自分が似たような境遇にあるからそう感じるだけかもしれないが…
「かそけき」という言葉を聞いて、自分の一番古い記憶は古文の授業中に寝てしまい先生に怒られたことだったろうか
みんな優しすぎるこの作品。友人が個人タクシーを開業するにあたって「サンカヨウ」という屋号にしたためすぐに花を調べてみました。当時は「透明になる花なんてあるのか?」などと不思議な気持ちになったものです。山にでも登らないと滅多に見られない花。しかも、雨が降ってたら山にも登りたくありません・・・
映画の編集作業をしているお父さん。二股の結果が死だなんて・・・それこそ儚い内容だったけど、この劇中劇の赤い服の女の子。違いをくみ取る主人公の陽の感性も父親譲りなのだろうか、互いに信頼し会える親子の形もいいな~と思う。
本当はいつでも壊れてしまいそうな家族の関係。思いやることができる子ばかりでうらやましいとも思う。大きな事件と言えば実母が自分のことに気づかなかったんじゃないかと悩む陽と、陸の心臓手術くらい。「好き」だと告白することだって日常だと思うし、ドラマとしてのメリハリはないのに、なぜか優しい気持ちになれる。そんな作品。
今の世の中、友達が風邪で休んだとしても、コロナじゃないかと疑ってしまいがち。こんな日常が早く戻ってくればいいな・・・
テンポがゆったり独特すぎる
幼い女児を連れた父の再婚相手との生活を通して少しずつ本当の家族になっていく心の描写を描く。流れが遅くテンポがゆったり独特すぎる。つまらなくて途中で見るのをやめたくなった。
それぞれの家族のかたち
どうってことの無い日常
そこには学校生活や家族のことなど
小さな悩み大きな悩みごとが
あとから後から湧いてくる
相手を思うことや
自分は本当はどう思って
いるのかも分からない
思っている気持ちを言葉に出して
自分の想いを伝える
出来そうでなかなかできません
言わずにうやむやにしてしまうこと
がある結局疑問を抱いて相手を疑ったり
いいことは無いです
上手く話せたら……と思ったり
家族もいろんな家族かたちがあり
親の想いだったり
子供の気持ちだったり
お母さんと呼べた時は…
いい子だな~と
緩やか過ぎるところもあって
すこし退屈に感じるところもあるけど
雰囲気やこの空気感がいい
【”心、清浄化映画。”幽けき様々な想いを抱える高校生男女の、少しづつ心が成長していく様を優しき視点で今泉力哉監督が描き出した作品。】
ー 今泉力哉監督は、若き男女の繊細な心の機微を描かせたら、邦画界では頭一つ抜けていると、私は思っている。
言葉の微妙な使い方、僅かな仕草をワンショットでさり気なく見せながら、彼は小さな出来事を積み重ね、登場人物たちの世界を少しだけ変えていくのだ。-
・サンカヨウ(山荷葉):雨に濡れると、花びらが半透明になる繊細な風合を持つ植物。
花言葉は”清楚な人””親愛の情”。
大学の時に、花に詳しい先輩から、登山中に偶々見つけ、教えて貰った花である・・。
・陽(志田彩良)は幼少期に母親(石田光)が家を出て、父親(井浦新)と二人暮らし。ある日、父に再婚の意思を告げられ、相手の美子(菊池明子)と4歳のヤンチャな娘ひなたとの4人の生活が始まる。
- という物語の流れを、淡々と今泉監督は描いていく。
新しき母の作ったものが少ししょっぱくても言えなかったり、ひなたちゃんに大切な本を破かれてしまったり、細やかな事を織り交ぜながら・・。-
・そんな気持ちを同級生で、仄かな恋心を持つ陸(鈴鹿央士)に明かす陽。そして、気になっていた母親のギャラリーを二人で訪れるが・・。
・親の子に対する想い、子が親に抱く想いなども、絶妙に盛り込んでいる所も、良い。
<登場人物が、皆、心優しく、穏やかに話す姿や、淡いトーンが印象的な作品。
鑑賞後、少しだけ、心が軽くなるような気持ちになった作品でもある。>
<2021年12月12日 刈谷日劇にて鑑賞>
崎山くんが好きで、彼の曲の世界観と響き合う映画に興味があり鑑賞。確...
崎山くんが好きで、彼の曲の世界観と響き合う映画に興味があり鑑賞。確かにかそけき映画でしたー。
マックじゃなく喫茶店にたまる高校生、時代が少し前なのか?と思ったけどスマホ使ってるから現代なんですね。
父と娘の良好すぎる関係にも多少違和感が。
でも、よくある思春期の反抗物語を見せられても仕方ないし、今はこういう、それこそ幽けき心の機微をかかえた女子が多いのかも。派手な反抗などしなくても、たくさんのことを考えている。見えるような見えないような、哀しみや幸せ。
何もないから自分の気持ちにも自信が持てない鈴鹿くん。悪意ない二股状態にこっちはイラっとするけど、リアルではある。いちばん感情移入できるかも。
ボヤボヤして煮え切らない主役たちよりスパイシーなサキちゃんが素敵で悲しい。
演出もセリフもシンプル、映像で伝える
余計なセリフは排除して、シンプルな演出で魅せてくれます。
女性陣はしっかりしたキャラクター。
父と陸くんには、ツッコミたいところはありますが。
共通するテーマの「そしてバトンは渡された」と比べると面白いです。
こちらは、前半???だらけで、ラストに向けて、謎が解明されていきます。
どちらが好みか人それぞれです。
間や余韻のなかに何を感じるかの物語
お恥ずかしながら「かそけき」という形容詞も「サンカヨウ」という花も初めて聞いたため、最初タイトルが全く入ってこなかったが、映画を通してそこに込められた意味がじんわりと染み渡ってきた。
「幽けき」と書く通り、幽霊のように今にも消えてしまいそうな薄い、淡い、仄かな様子のこと。
「サンカヨウ」は成長が早熟で水に濡れると透明になる花。そして、花言葉は「親愛の情」だった。
原作があるからか今泉力哉監督らしい恋愛群像劇は見られなかったが、自然体のやりとりで間を巧みに使い余白を残すことで観る者に多くを想像させる優しい演出は健在。
役者たちの表情の機微で魅せる。カットがかかるまでの余韻を上手く使っている気がした。
やりたいことを実現する、家族や大好きな人と一緒に暮らす…人生において何が正解かではなく、その人にとってどうすることが幸せなのかを見つめ直すことが大切。
価値観は人それぞれ。状況や心境によっても変わるもの。
自分では何も持ってないと思っていても、誰かにとっては力になったり必要とされる存在だったりする。
何者かになろうとしなくても、想いを明確に決めなくても、流れに身を任せることも大事。
一方で生き続けることが幸せではないこともある。
そんな、あまり多くを語らず答えをしっかりと出さない、でも外側からふんわり包み込んでくれるような作品。
しょっぱいってちゃんと言えて良かった。
急ぎ足で大人になろうとする陽。父と二人だけの家族。幼い自分を置いて家を出た母の背中で聞いた水に濡れると透明になる花の名前。それが一番古い記憶。
高校進学を目前に父が再婚し我が家に新しい母と5才の妹がやって来る。静かなる思春期を送る陽の心が揺れる。密かに想いを寄せるとらえどころのない同級生。自分をさん付けで呼ぶ新しい母。そして勇気を出して会いに行った産みの母。誰との距離もなんだか縮まらない。
それでも側にいる人達と大切な関係を築こうと踏み出す陽が眩しかった。ただ全体的にちょっと単調な印象。好きな世界観だけど期待し過ぎたかも。陸の独壇場はまるで全編アドリブかと思える程にリアルで笑えました。登場人物それぞれの視点や立場で見方が変わるような構成は今泉監督っぽかった。
カヨさん賭け競う
家族に軽めの事情がある少女と少年の青春もの。
あくまで自然な描写が多め。退屈だが嫌いじゃない。
良い点
・子役が結構自然&笑い要員
悪い点
・人物関係が若干わかりにくいか
・タイトルが暗号文のよう
道徳の授業の様な現代アルアル家族。
へぇ〜、花びらが透明な花ってあるんだ。成長のバランスが悪くて、葉っぱの成長より早く花が咲くって?でもとっても綺麗。
主人公は女子高生。父親と2人暮らし、母は彼女が3歳の時に離婚して出て行った。で、父が再婚することになり、新しい母親と妹ができる。父親は井浦新なので絶対いい人だ。もう一つの家族は、同級生の男子の家。父親は海外を転々とする仕事でほぼウチにいない。彼と母親とお婆ちゃんの3人暮らし。嫁と姑は長年に渡り喧嘩多いみたい。で、彼は心臓に持病があり手術をする事に。
血の繋がりのない家族を構成する話。自分に自信を持てない男子との恋バナ。実の母親との関係話。幼なじみ達との友情話。強烈な個性の持ち主や悪人がいない、優しい人達だけの世界。
昭和世代の俺には理解できない親子関係や周囲の心遣い。現代の中学生や高校生に是非観て欲しい道徳映画でした。
恋愛と友情
恋愛と友情
10代の好きを描いたり
家族の関係を映し出している映画
かなりショッキングな出来事が起きたりする事はなく
淡々と進む
陽役の志田さんが透明感があり、とても綺麗だった。
大河と時代劇も行けそうな方だなぁと思った。
陸役の鈴鹿央士君も、優しく、そして不安定な10代を演じていた。
少し物足りない感じはしたが、こうゆう感じの映画だなぁと
以下小言
井浦新が演じたお父さん
優しいけど
娘に料理させていて、産みの母に対しても、そんなんだから、出て行ったように思えた。娘のためならもうちょっと家事とか協力して欲しいと思った笑
今の時代特に
陸も陽から、母子家庭のサキに乗り換えるのかと思ったが、サキがちゃんとセリフで言ってくれて、観ている私は救われた笑
今泉力哉監督ならではのツーショット会話シーンを観ると、やはりこの構図だよなぁー好きだなぁと思った。
良い親子関係
高校生の陽(志田紗良)は、幼い頃に母の佐千代(石田ひかり)が家を出て、父の直(井浦新)とふたりで暮らしていた。しかし、父が再婚したため、義母となった美子(菊池亜希子)とその連れ子のひなたとの4人での新たな暮らしが始まった。陽は美子が作るスープの味付けが濃いなど、新しい環境への戸惑いを、同じ美術部の陸(鈴鹿央士)に話していた。実母・佐千代の事が気になってた陽は、画家・佐千代の個展に陸と一緒に行った。さてどうなるという話。
陽の父が陽の部屋でお母さんが出て行った事を話すシーンや陸の母(西田尚美)と陸がテーブルで祖母の事を話すシーンは良い親子の会話が出来てるな、ってほのぼのと出来た。
陽の女友達の沙樹(中井友望)が陸と雨の中バスケットコートで話すシーンも陽の気持ちを代弁してて良かった。
美子が倒れてた陸を介抱し、家で話すシーンも良かった。
佐千代の水彩画も良かった。
陽役の志田彩良は目力が有る良い演技だった。沙樹役の中井友望は可愛かった。
直役の井浦新、陸役の鈴鹿央士、美子役の菊池亜希子、陸の母役の西田尚美も良かった。
優しくなれるとても良い作品だった。
今泉監督のmellowに続く優しい作品
父方の祖母と母のやりとりをいつも見てる陸。
父との関係がうまくいかず、陽を置いて出て行ってしまった母。
その人の行動だけを見ていて感じるものとその行動の裏に隠された、本当の気持ちには実際かなりの差があることがある。それは実際言葉で伝えないと伝わらない。
陽は随分と聞き分けのいい子に育ったね。
それがいいか悪いかは難しいとこだけど。
もし、父一人子一人で育って、家事もずっとやってきて、15歳の年頃の女の子が、お父さん恋人ができたって言われたら、まぁ、恋人はいいとしても、すぐに一緒に住んだりとか今まで自分がやってた家事をやってくれたりとか、急に妹ができたことを嬉しかったって言えたりって、なかなか自分が同じ年だったら、そんな素直に受け入れられないと思っちゃうんだよね。
それは、陽が本来の根っからの心の優しい性格の持ち主だったからかもしれないけどね。
家族の形はいろいろある。
陽はせっかく一緒にいるんだからねと自分からお母さんと呼び、言えなかった味付けのことまで言えるようになっていった。
お互いが歩み寄ることで心の距離が縮まり、新しい家族を作りあげていった。
そして、実の母と会うこともできた。
彼女はきっと陽のことを一日たりとも忘れたこともないだろうし、3歳で別れたときから、陽の幸せを願わなかったことはないと思う。それがわかっただけでも、陽は自分の存在が救われたと思っただろうね。
だけど、もう少しゆっくりでもその関係づくりはよかったかなと思う。本当にお父さんも優しい人だから、ちゃんとそれを理解してて、陽を早く大人にさせてしまったのは申し訳なかったと謝っているんだから。
大切なことを簡単に言えないのも、言えるのも
その人を大事に思ってるからってことなんだろうね。
ラストはみんなが笑顔で終われてよかった。
キャストの皆さんも優しいふんわりとした空気感を見事に演じていらして、志田さんと鈴鹿くんのお2人の雰囲気も素敵でした。そこに遠藤雄斗くんのスパイスが加わって、ピリっとアクセントができる気がします。
今泉監督の作品はmellowもそうだったけど、いろんな優しさに涙しちゃいますよね。温かい気持ちになれるんです。
だから、きっと監督も繊細な心をお持ちなんだろうなといつも心配してます。
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