劇場公開日 2021年10月15日

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「【”心、清浄化映画。”幽けき様々な想いを抱える高校生男女の、少しづつ心が成長していく様を優しき視点で今泉力哉監督が描き出した作品。】」かそけきサンカヨウ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”心、清浄化映画。”幽けき様々な想いを抱える高校生男女の、少しづつ心が成長していく様を優しき視点で今泉力哉監督が描き出した作品。】

2021年12月12日
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鑑賞方法:映画館

知的

幸せ

萌える

ー 今泉力哉監督は、若き男女の繊細な心の機微を描かせたら、邦画界では頭一つ抜けていると、私は思っている。
  言葉の微妙な使い方、僅かな仕草をワンショットでさり気なく見せながら、彼は小さな出来事を積み重ね、登場人物たちの世界を少しだけ変えていくのだ。-

・サンカヨウ(山荷葉):雨に濡れると、花びらが半透明になる繊細な風合を持つ植物。
     花言葉は”清楚な人””親愛の情”。
     大学の時に、花に詳しい先輩から、登山中に偶々見つけ、教えて貰った花である・・。

・陽(志田彩良)は幼少期に母親(石田光)が家を出て、父親(井浦新)と二人暮らし。ある日、父に再婚の意思を告げられ、相手の美子(菊池明子)と4歳のヤンチャな娘ひなたとの4人の生活が始まる。
 - という物語の流れを、淡々と今泉監督は描いていく。
   新しき母の作ったものが少ししょっぱくても言えなかったり、ひなたちゃんに大切な本を破かれてしまったり、細やかな事を織り交ぜながら・・。-

・そんな気持ちを同級生で、仄かな恋心を持つ陸(鈴鹿央士)に明かす陽。そして、気になっていた母親のギャラリーを二人で訪れるが・・。

・親の子に対する想い、子が親に抱く想いなども、絶妙に盛り込んでいる所も、良い。

<登場人物が、皆、心優しく、穏やかに話す姿や、淡いトーンが印象的な作品。
鑑賞後、少しだけ、心が軽くなるような気持ちになった作品でもある。>

<2021年12月12日 刈谷日劇にて鑑賞>

NOBU