「しょっぱいってちゃんと言えて良かった。」かそけきサンカヨウ はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
しょっぱいってちゃんと言えて良かった。
急ぎ足で大人になろうとする陽。父と二人だけの家族。幼い自分を置いて家を出た母の背中で聞いた水に濡れると透明になる花の名前。それが一番古い記憶。
高校進学を目前に父が再婚し我が家に新しい母と5才の妹がやって来る。静かなる思春期を送る陽の心が揺れる。密かに想いを寄せるとらえどころのない同級生。自分をさん付けで呼ぶ新しい母。そして勇気を出して会いに行った産みの母。誰との距離もなんだか縮まらない。
それでも側にいる人達と大切な関係を築こうと踏み出す陽が眩しかった。ただ全体的にちょっと単調な印象。好きな世界観だけど期待し過ぎたかも。陸の独壇場はまるで全編アドリブかと思える程にリアルで笑えました。登場人物それぞれの視点や立場で見方が変わるような構成は今泉監督っぽかった。
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