「【記憶/菊池亜希子さんとレシピ】」かそけきサンカヨウ ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【記憶/菊池亜希子さんとレシピ】
僕の一番古い記憶は、実家が現在の場所に引っ越す前に住んでいた家で飼っていた犬、日本スピッツと玄関先で遊んでいたことだ。
よく吠える犬だったが、真っ白で無茶苦茶美人の犬だった(と記憶にある)。
事情があって引っ越しの際に手放すことになった犬だったが、3歳の僕の唯一の記憶らしい記憶で、随分経ってから、僕がその犬の名前も覚えていたことに、僕の両親は感慨深げだった。
少し視点を変えるだけで、少し踏み出すだけで、ちょっと辛い記憶も、優しい記憶に甦るかもしれない。
それは、生きている今も同じだ。
ちょっと考えてみたり、ポジティブなスパイスを振りかけるだけで、前向きな気持ちを後押しして、良い記憶として残り続けることはあるのだ。
映画のレビューだって同じだと思う。
シュートしたボールが、失速して手前に落下するように、想いが届かないようなこともきっとあるだろう。
でも、チャンスは一回だけじゃない。
バスケのゲームだって、4つのQで合計40分は続くし、人生のゲームも一瞬で終わりなんてことは決してない。
だから、可能な限り何度でも繰り返してみたら良いと思う。
サンカヨウの花言葉は幸せだ。
※ この作品で、菊池亜希子さん演じる美子が、陽の大切にしてるレシピノートを手に取る場面がある。
随分前に、「問題のあるレストラン」というドラマがあって、レストラン企業で働く菊池亜希子さん演じる五月が、ハラスメントの末、そこを辞め失意のうちに実家に帰る際、両親から受け継いだ手書きのレシピノートを仲間に残し、その中でも特に格別なポトフのレシピを中心に、近くのビルの屋上で仲間たちが青空レストランを始め、このハラスメントのレストランに一矢を報いるという物語だった。
これを思い出した。
坂元裕二さん脚本で、僕は、このドラマで初めて菊池亜希子さんを知った。
キャストはそうそうたるメンツで、僕の大好きなドラマでもある。
今回、わざわざテアトルの舞台挨拶をの回を予約したのは、菊池亜希子さん見たさだった。
やっぱり素敵な女性だった。
マイペースでも着実に作品に出続けて欲しい。
いろんな意味で、大好きな作品。