「ヤング・ギフテッド・アンド・ブラック」サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時) カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
ヤング・ギフテッド・アンド・ブラック
1969年ウッドストックが開催された同じ年の夏にニューヨーク・ハーレムのMt.Morris公園で行われたハーレム・カルチュラル・フェスティバルでの映像と音源に当時参加した市民たちや出演アーティストたちの懐述や当時の状況の説明を挟み込んだドキュメンタリー映画。アポロ11号の月面初着陸ニュースの直後でもあった。「月なんて俺たちには関係ない。月に行く金があったら俺たちに回して、景気をよくしてくれよ。」
キング牧師が暗殺された翌年のハーレムでの無料コンサート。3万人も集まれば、警備面での懸念材料は多かったに違いない。ニューヨーク警察の警備は控え、ブラックパンサー党に自警を任せた。当時のニューヨーク市長も司会者と一曲歌う。黒人たちのガス抜きと支持層拡大のために出演者を超豪華にしたのだと思う。運営準備、アーティスト招聘に奔走した司会者トニー・ローレンス。行政側と民衆との橋渡し役を任され、そのプレッシャーは大変なものだったに違いない。元気な司会進行ながら、油断できないぞといった並々ならぬ緊張感を感じた。このフェスティバル自体は3回目だったらしいが。50年間この記録は公開されることはなかった。BLMが叫ばれる50年後にルーツのクエストラブの監督作品になった。
いきなり、スティービー・ワンダーのステージ。声は少年。続いてドラムソロ(ちょっとしくじってだけど)からのインスト。
彼は後で出てくるマヘリア・ジャクソン、モンゴ・サンタマリア、マックス・ローチ、アビー・リンカーンに比べれば、まだまだ幼稚園。
こてこてのソウルをバックに学校をサボって行った、親に買い物に行くと嘘ついて行ったとおじさんやおばさんが次々にインタビューに答える。
B.Bキングもスリムで声が全然若い。間奏のギターもそこそこに引っ込んじゃう。
フィフス・ディメンジョンのステージ。マリリン・マックーに一目惚れした幼い日を興奮気味に話すオッサン。マリリン・マックーとビリー・ディビスJr.もロックミュージカル【ヘアー】のオープニング曲のアクエリアスを歌うことになったいきさつを楽しそうに話してくれる。タクシーに財布を忘れたら、拾ってくれたのがヘアーのプロデューサーだった。
男3女2、合わせて5人のフィフス・ディメンジョンのステージは華やかで素晴らしいコーラス。この年に2度目のグラミー賞をとっている。
ステイプル・シンガースは三姉妹をお実の父さんが束ねるコーラスバンド。すごいパワフル。
ステイプル・シンガースのメイヴィスはゴスペルの女王マヘリア・ジャクソンをサポート。
マヘリアの犬歯が両方抜けてしまっているのが気になってしまった。歯がなくたって全然関係ないすごい歌唱なんだけど。マヘリアはキング牧師と共に活動していた。
この時期、モータウンは黄金期。テンプテーショーンズを脱退していたが、長身のデビット・ラフィンがマイ・ガールを熱唱。聴衆も歌う。すごい歓声。グラディス・ナイト&ピップスもこの時期モータンファミリー。ソウルの女帝の異名を持つグラディスはものすごくパワフル。結婚歴も4回ある。
スライ&ザ・ファミリー・ストーンは当時は珍しい黒人と白人の混成バンド。ドラムとアルトサックスが白人男性。ホーンはほかに女性のトランペッターがいて、この人のボーカルもなかなかパワフルでカッコいい。スライの妹はキーボードで、弟はギター。スライはアフロヘアーに大きなサングラスに揉み上げで蠅みたい。ファンキーでポップなバンドで、「なんだドラムは白人じゃないか」と言っていた聴衆もたちまちノリノリに。
このバンドは1ヶ月後のウッドストックにも出ている。エブリディ・ピープルがよかった。
後半はジャズ系。キューバやジャマイカなどのラテン、アフリカンパーカッションとの融合、フュージョンの創生につながったムーブメントでもあったと解説していたような。
二ーナ・シモンの過激な煽りトークにはびっくり。二ーナ・シモンの曲を挿入曲にしている映画(アサシン、ビフォア・サンセット、コードネーム U.N.C.L.E、クルエラなど)が多いもので、CDを聴くようになった。バックグラウンドやお人柄などは全然知らなかったもので、その凄さにびっくり。
歌った曲も聴衆へのメッセージ性が非常に強いストレートな歌詞で、瞼が熱くなってしまいました。
マックス・ローチ、アビー・リンカーンらもキング牧師をサポートする活動家であったとのこと。
ステージ映像や音源は期待していたよりもよかったです。ただ、一曲をフルに最後までは聴かせてはくれません。それでも、ちょっとダラダラした感じのウッドストックよりも熱くて、パワフルで緊張感があってよかったです。
今晩は。
その通りです。
完成試写会まで行い、フライヤーまで製作し、彼はどのように償うのでしょうか。
アメリカ映画界だけではなく日本でも・・。
良い子ぶる積りは毛頭ありませんが、優先的地位に立った男として、夢見る女優さんに対する破廉恥な行いは許しがたいと思います。
私の部下にこういう輩が居たら、普通気付きますがね。業界全体の問題ではないかと思っていますよ。哀しいことですが・・。では。