MINAMATA ミナマタのレビュー・感想・評価
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史実に基づく
シアターキノ最終日
滑り込み笑
映画館で観れて良かった!
ジョニーデップかなり実物に近づけて役作り、素晴らしい。
ジョニーデップ太ったなぁと数年前から思っていたが、この為だったのか!
と納得。
水俣病は学生時代必ず習う出来事で、テストの試験にも出たりしたので、日本国民はみんな知っている。
こんなに奮闘してくれた写真家が居たなんて
主人公ユージンスミスは、戦場カメラの仕事をしていて、その時のフラッシュバックに悩まされ、アルコールないと生きていけない。
死ぬ事ばかり考えていた時に水俣病を世界に発信するべく熊本へ
当時の映像と、本当の写真が出て来て、尚良かった。
エンドロールも世界で起こった歴史的写真達で、観ている私達へ訴えかける。
アイリーン役の美波良かった
ユージンスミス役のジョニーデップが、アイリーンの言うことを聞くシーンが面白くて良かった😊
青木柚君も良かったなぁ
一瞬、柚君?と見違えるほど、役になってました。歯は入れたのかなぁ?指は手はどうしたら、あの指に?
ビルナイ、加瀬亮、國村隼、浅野忠信、真田広之、脇を固める役者達ももちろん良かった!
追記
ユージンスミスのジョニーデップが、言葉が通じない日本人夫婦(浅野忠信夫婦役)の家に行き、もてなしを受ける時の笑顔が、言葉が通じない日本人に向ける外国人の笑顔まんまで、すごくリアルだった。そこにちょっと感動。映画だけどリアル
凄い。
近隣では公開終了ギリギリ、神奈川県では最後の一館。
なんとか間に合って観賞。
いやー物凄く重厚な作品。
ジョニー・デップの新たな一面も見れた。
しかも史実に基づいた実話。
物語後半、ユージン撮る写真に魂が宿り出す辺りからは、とても胸が熱くなった。
良作。
公開終了に間に合って良かった。
声なき叫び
華やかなオーラを消し、晩年の報道写真家ユージン・スミスをジョニー・デップが見事に演じる。時折キラリと光る鋭い眼差しはジョニー・デップでしたが。
映像や教科書に載っていた程度の知識しかなく、多くの日本人が知っておくべき事実だと痛感した。
ユージン・スミスがジョニー・デップの身体を借り、声なき人々の声を再び世界に向け発信しているように感じた。
ー写真は撮る者の魂を奪う
映画館での鑑賞
知らなければならないこと、考えなければならないこと
水俣病という公害病があったことは
知ってはいたが、
何も知らなかったんだなと気づいた。
当事者や当該国の人間じゃない視点から見て
他の人の視点を通してみることで冷静に見つめられる事実というものがある
写真はそういったものに気付かされる
写真家として、ジャーナリストとして
彼の伝えたことは、とても価値があるのだろう
公害の問題は複雑で
様々な人々の
様々な事情や、利益、損害、被害、時代背景
複雑に混ざり合って、絡まり合って今もまだ、きっと絡まったまま
解決はしていないし
そもそも、起こってしまった事実は完全なる解決はないのだろう
そもそも何をもって解決というのか…
起きてしまった事実、起こしてしまった事実、
結果的に良かれと思ってやっていたことが、巡り巡って
どこかに不利益を生んでしまったり
誰かに取り返しのつかない影響を与えてしまったり…
ことの重大さに気がついた時はもう遅い
ただ、取り返しはつかないけど
そこからどう行動するかによって、そのさきは変わってくれる
事実は事実として見つめるしかない
原因を突き止めたのなら、
同じような事態を起こさないように対策を練るしかない
将来、次世代の為にも
私たちは、知っておかなければならないことや
考えて行動しなければならないことが
環境、公害に関してだけでなく山ほどあるのだろうなと。
そして、ジョニー・デップの多才さには毎度驚かされる。
スクリーンから写し出される緊張感
若い人ほどこのミナマタと言うおぞましい事件、人災、環境問題を知る機会が少ないので、現在進行形として学校の教材にすべき作品に感じました。
ユージンの晩年のドキュメンタリーを見ているようで、緊張感のある作風でした。
國村さん演じるの社長の表情はとにかくリアルで惹き付けられました。
ジョニーが主人公ではあったものの、最後にお風呂に入りながらカメラに写し出された母と子の物語でもあったように思う。
ジョニデはいない
アメリカ人写真家
ユージン・スミスのフォトエッセイを元に
水俣病を題材に映画化された真実に基づく作品
今作にはあのハンサムでオシャレなジョニー・デップはいない。
ユージンのファンであったジョニーが自ら映画化を切望し、制作・主演した今作は、彼の遺作となった写真集
『MINAMATA 』がいかにして作られたのかが描かれていて、ドキュメンタリーの要素もある。
ニューヨークの片隅で飲んだくれて過ごし、別れた子供達に幾ばくかのお金を残すために、商売道具のカメラや機材を売り払うまでに落ちぶれていた、かつては名声を得たカメラマン。ユージン。
LIFE誌での厄介者であり、唯一無二の高潔なカメラマン。
彼が水俣で起こっている事の重大さを世界へ知らしめたいと突き動かされ、熊本県で過ごした3年間。
どのシーンも彼の瞳のファインダーを通すと美しくて愛おしい世界に映る。
胎児性水俣病のために生まれつき目も見えず、耳も聞こえず、話すことも笑う事も出来ない少女、アキコを「1時間だけ見ていて」と託され、戸惑いながら慣れない手つきで彼女を膝に抱き、子守唄のように口ずさむ
ボブディランのForever Young
神様が君を祝福し、いつも見守ってくれますように…
…
君が星へと続くハシゴを作り、
その一段一段を登っていけますように…
とてもとても美しいシーンで涙が出ました。
1枚の写真に計り知れない思いを費やし、
撮る側の責任を果たそうと、真摯に向き合うカメラマン。
ユージンが世界に発信した数々の写真によって世論が動き
大企業が動いた。
未だに解決を見ない公害問題を題材にしているだけにテーマは重い。エンドロールでは世界中の公害問題を取り上げ、声を上げる事の大切さを語っている。
ジョニーデップは演じるというより
ユージンだった。
無知の知
71年生まれの私にとって「水俣病」は、恥ずかしながら社会科の教科書による知識に止まっている。それも、四大工業地帯のカウンターのように教えられた四大公害病(「水俣病(熊本)」「イタイイタイ病(富山)」「四日市ぜんそく(三重)」「第二水俣病(新潟)」)を、試験のための暗記が勉強という教育だった気がする。
実際に水俣病発症が認識され始めたのは1952年からだったと言われるが、そのことが認定されたのは20年後になる。そのことに大きな影響を与えたのがまさにこの映画で語られるユージン・スミスの写真であった。
町山智浩さんの解説によれば、映画の中で語られる当時の衝撃的なエピソードが、どれも「映画的な表現」に見えるが、実際にどれもこれもきちんと事実に基づいているらしい。エンタメのために偏ったり、感動を煽ろうと変な作りこみをしていないという信頼感は大きい。
撮影地は日本でなくセルビアだったらしいが出演は日本の役者が中心で、海外の監督作品にも多く出演する真田さん、國村さん、加瀬さん、浅野さんなど信頼のメンバーに、アイリーン役の美波さん、アキコの母役の岩瀬晶子さんなどの演技も素晴らしい。
物語に留まる話ではない。
登場人物含め、事実に基づいた話し。
教科書で学んだ4大公害は、
まだ終わっていないこと、そして、現場で何が起こっていたのか、大変勉強になる作品。
さらに知識を得ようという良いきっかけになった。
脚本、演出、音楽は素晴らしく、胸を打つものだった。
実際どうなのかはわからないが、大きく脚色はされていないのではないかと感じるリアルさがあった。
エンドロールでは曲も相まって涙が出たが、
クレジットを観て納得。さすが坂本龍一…。。
ただ、エンドロール前の、他公害紹介で
政府や企業による人災として3.11の福島原発が出ていたが
あれは天災なのでは…?
個人的には並べられるのが納得いかなかった。
本編から逸れるが、、
ジョニーデップが日本の役者と絡んでいるのを見るとなんだか不思議な、嬉しいような気持ちだった。
アルコールに依存し、呂律が回らずふらふらと話す演技は、パイレーツを感じてしまったが、、
経済成長の功罪
「水俣病」、正直当事者ではない自分は教科書のひとつの歴史としてしか捉えていなかった。
しかし世界中には今もなおそういった公害に苦しめられている、と戦っている人たちがいる。その現実を改めて知り、考えさせてくれる映画。
それは人々が豊かになろうと選んだ経済発展の代償であり、SDGsが求められる現代に背負わなければいけない十字架である。
同時にジャーナリズムの存在意義も描いている。
社会問題という負の現実を伝えるためには、真面目さだけではなく人の目を惹きつける美しさも必要になってくる。1枚の写真が世の中を動かし変えることができる。
目先の注目や利益のために権力との癒着や捏造が横行するメディア業界において、信念を持って真実を追求する大切さを教えてくれる。
なによりこの映画も人の心に届くための映像美が素晴らしい。カメラワークが巧みで、ボケやなめ、手ぶれを上手く活かしたカット割が印象的だ。
ストーリーはシンプルだが、苦悩する主人公の感情にフォーカスを当てた展開となっている。
ただその分ちょっと回りくどく感じたが、ジョニー・デップをはじめ世界で活躍する俳優陣の確かな演技で惹きつける。
この行き過ぎた資本主義と持続可能な世の中を叫ばれる今つくられたことが意義ある作品。
映画館で観て良かった
なんと言っても観終わった後の余韻が凄い。心から見るべき映画を見せてもらったなと思えました。
題材的にも周りのお客さんの年齢が高かったのですが、若い世代にこそ観てほしい作品。
ジョニーデップの自然体の演技に鳥肌立ちます。と言うより日本人俳優の中にジョニデがいる...といった非現実感の中に自然体の演技が映えて凄くよかった。
水俣病の現状をよく理解していなかったし、地元の方や被害を受けた方の中には映画に否定的な気持ちの方もいらしたそうですが、個人的にはこの規模の映画にして見せてくれたことに感動しました。
映像が暗く内容が重いので苦手な方もいるかも。でもユージンのいい加減さと良い塩梅で中和されて話が進んでいくので、なにかわからないけどとんでもないものを見せられているような感覚で最後まで集中して観ることができた。
被害を受けた方々の気持ちや事件のことを理解するにはこの映画では全く足りないけれどもっと日本人として目を向けなきゃいけないことがたくさんあるなとかなりのショックを受けることができました。
お茶の間だったらながら見したり途中で目を離してたかもしれないと思うと映画館でしっかり観て本当によかったです。
自分の国のことなのに、よく知らなくて恥ずかしいと思った…
ユージーン・スミスのことは全然知らなかったが、日本とは縁があったそうで、水俣だけでなく、沖縄戦や日立製作所でも来日したらしい。何よりも、あれだけ妨害されたにも関わらず、あきらめずに撮り続けてくれたことは、ありがたくてありがたくてたまらなかった。あの暗室小屋を焼かれた後、住民の前で家族の時間を撮らせてほしいと申し出た時、はじめは誰の手も上がらず落胆したところ、一人また一人と手が上がったシーンは、思わず涙がこぼれた。ジョニー・デップが、老け役を見事に演じていた。ミナマタの写真集を見てみたいと思った。
地名なのに良くも悪くも印象が悪い
昭和時代、アメリカの写真家男が水俣に写真を撮りにくる話。
病気の描写はあまり凄惨すぎず、映画としての内容もしっかりとしている。
良い点
・SDGsやESGに関心が高まってる今に
・写真家男の性格
・きれいめな照明
悪い点
・読みが甘い。やりとりは小まめに。
・何が起きているのかよくわからない箇所が所々ある
・社長や社員は何故無事なのか
・最後のプロパガンダのようなものが余計(-0.5)。あくまで作品内で主張するのがよい。
その他点
・美人で浮きがち
・エンディングに写真あり
衝撃的な内容で心にずっしりくる
ジョニーデップの演技は最高すぎるほど最高で🥲
実際に日本で起きた世界的事件だから日本人なら観なきゃいけない作品だけど‼️
心が本当に苦しくなるし社会では教えてくれてないこんな事があったのかと衝撃をうける😭
社会の勉強教材として採用してほしいほどの作品‼️
一つ残念なのはこれはハリウッド映画…なぜ日本がこうゆう映画を作らない🤬
内容のないような映画を作らず…見習うべき…
素晴らしかったし…今も苦しんでる人がいると…ほんとに心が苦しい
ミナマタは今も世界中で続いている。
産業革命以降、ずっと自然を犠牲にして利潤を追求してきた、今もしている問題。人間も自然の一部なのに未だに現在進行中です。鑑賞後もいろいろ考えたりして、予想以上にインパクト大でした。ミナマタという言葉だけ聞くと時代を感じますが。。 特に、私はこの映画の中で企業の過ちを訴えている犠牲者や一般の人々の感情や行動の表現にグッと来ました。何も知らされて来なかった一般の労働者や家族のことはどうしようもなく悲しい。そういうところが無理なく描かれていたと思います。 全員無名役者の出演でも良かったかもと思いました。
MINAMATAミナマタ
写真を趣味としている私にとってユージン・スミスは例えばロバート・キャパのように偉大な存在です。当然、入浴する母子の作品やアイリーンの存在も知っており、映画化を知ったときは驚きと楽しみでいっぱいでした。自分は映画ファンというほどではないので、こんなに集中して鑑賞したのも、胸がいっぱいになったのも久しぶりです。
暗室作業のシーンで、現像液を手で撹拌していたのが印象的でした。
実は、アイリーンとは、30年近く前ですが、とある活動の場面で同席し食事をしたことがあるのです。その時に彼女のニコンF2フォトミックがユージンのものかどうか尋ねました。アイリーンは「ユージンのものではないが彼も使ったことがある」というので、触らせてもらいました。その時の感触は今も残っています。劇中、アイリーンが住民が集めてくれたカメラの中から自分用として手にしたカメラもニコンF2フォトミックだったように見えました。
そんなことを思い出しながら本当に集中して感動して鑑賞しました。
この映画は環境問題の映画というよりはユージンという人間のドラマのような気がします。
しかし、日本映画でも環境問題を真正面から取り上げればそこには必ず人間ドラマが付随すると思います。
この映画を通して、環境問題により関心を持っていただきたいのはもちろんですが、フィルムで撮るカメラにも興味を持つ方が増えることを期待します。
《水俣病は全く終わっていないことを国外から学ぶ》
1956年に確認された水俣病は2021年においても全く解決していないことに驚いた。身体の不調を訴えた人全てが、満足とは言えないものの折り合いを付けて生活できるだけの保障を、国と発生源の会社は支払った上で「終了」したものだと思っていた、なんと恥ずかしいことか!。
今もなお水俣病申請をした人たちの1割の人しか病気であることを認めず、9割の苦しんでいる人たちは救済されていない。これは金を払いたくない一心なのだろう。政権与党はお金の使い方を全く分かっていない、それは昭和時代も現在もだ!。
写真を撮ることで魂をすり減らすだけではなく、肉体的暴力を受け、それが遠因で若くして亡くなった故ユージン・スミス氏が今の日本を観たらさぞかしがっかりするだろう。
そんな反省できない国である日本で、今も原発反対運動などで当時の妻であるアイリーンさんが活躍されている。お二人とも広義の「ソーシャルワーカー」ではないか?。社会を正しく導こうとするエナジーをスクリーンから受け取った。
お二人から学んだことを行動に移そう。それが未来に対する今を生きる人の責任だ。
もう少し重厚感がほしかった
「映画は面白ければ、それでいいのだ」といつも言っている僕ですが、この作品はちょっとそれだけではすまされないような気がします。
その理由は、言うまでもなく、本作が、現在も継続している、ひじょうに重い、センシティブな問題を扱ったものだからです。
たしかに面白かった。いや、面白かったと言えば語弊があるな。
とにかくエンターテインメント作品としては、よくできていたと思います。
それでいいといえばいいのかもしれないけれど、でも、肝心なテーマの重さがいまひとつ伝わってこなかったようにも思う。ストーリーがテンポよく進むのはいいのですが、その分、テーマじたいの深刻さが薄れているような印象を受けたというか……。もう少し重厚感がほしかった。それに、これほどシリアスな題材なのに、全体的にイマイチ緊張感に欠けるようにも感じました。
要するに、うまくまとめすぎてない? という気がしたのです。「ユージン&水俣についてのダイジェスト版」みたいだなぁ、と。
まあ「事実に基づいたフィクション」なんだから仕方ないのでしょうが、その一方で、これでいいのだろうか? と僕はいささか懐疑的なものを感じてしまいました。このテーマは、そんなに簡単にまとめられるものではないはずであり、まとめてはいけないものだと思うからです。
タイトルを、『EUGENE SMITH』ではなく、『MINAMATA』にしたんだから、そこのところをもっと突き詰めるべきではないのか? 本当なら上映時間を3時間くらいにして、ユージンが地元の人々との関係をじょじょに築いてゆく様子などを、もっとじっくりと丁寧に描いてもよかったのではないか? などと思ったりもした。
今回もまたいろいろとケチをつけて申し訳ないのですが、ついでだから、そのほかに気になったことを以下に記します。
◇水俣の人々の「生活」にリアリティーが感じられない。これには、画面から湿度や匂いがまったく感じられないということも原因していると思う。季節を夏に設定して、「汗」を映し出したほうが効果的だったのではないか。
◇エキストラの地元住民たちから、辛酸を舐め尽くしている人々の雰囲気が感じとれない。手を使って、体をつかって働いている人の顔ではない。「頭の人」の顔が多すぎる。エキストラ選びにもこだわってほしい。
◇当時の水俣に、あんなリゾート地のコテージのような民家があったのか?
◇民家の内部にも違和感がある。とくに照明器具がお洒落すぎる。
などなど――。
それから、この映画を観た、水俣の人々、チッソの元社員、現社員たちはどんな思いを抱いたのか、そのあたりのことも大いに気になった。というか、それがいちばん気になりました。
ネガティブな意見を並べましたが、本作が、水俣をはじめとする環境問題に希望をもたらす契機のひとつとなることを期待しております。
追記
中盤、ユージンが奮起するところで流れる音楽が『ラスト・エンペラー』で使用された曲に酷似していると思ったら、この映画の音楽も坂本龍一なのね。教授、あれいくらなんでも似すぎでしょ。
今この作品を世に問うた意味
ユージン・スミスが水俣を取材した写真群のことは知っていたが、その機会を作ったアイリーンという女性(当時の妻)の存在は知らなかった。
映画では、二人の出合いと水俣に向かうきっかけは、あっさりとしか描かれていないが、実際はそこだけでも相当ドラマチックな気がする。
事実に基づくとは言え、創作部分は相当あるようだ。チッソの病院を関係者のように変装して探索するところ、特に、研究室で動物実験の結果を見つけるあたりは、ちょっとやり過ぎな感じも。しかし、ユージンがチッソの社員から暴行を受けたのは、場所は別だが、本当にあったことだそうだ。当時のチッソは株主総会の警備に暴力団も使っていたそうで、時代が時代とはいえ、おそろしい。
映画としては、ところどころ繋がりが悪いところもあるが、ユージンがチッソの妨害工作に挫けそうになりながらも、患者の家族の理解を得て、プライベートな姿を写すことになり、最も著名な入浴する母娘を撮った写真がクライマックス。ユージンから送られた写真を見たライフの編集長が「やりやがった」と呟くシーンにぐっときた。
ジョニー・デップは自らの姿を消して、ユージンになりきっていた。日本人俳優陣では、チッソの社長役の國村隼が出色。
ラスト、いまだに水俣病の患者認定や補償が決着していないこと、そして、タイトルバックで紹介される水俣以降も世界で続く公害・薬害・環境破壊の写真を見て、ジョニー・デップをはじめ製作者たちが、今この作品を世に問うた意味が分かった気がする。
塵も積もれば山となるですよ?
水俣病についての映画制作をジョニーデップが提案し、自ら主演と制作を務めた本作。一歩間違えたら批判殺到になりかねないテーマなので、期待はそこまでせず。
すごい映画だ...。
忠実に丁寧に分かりやすく、後世に伝わる歴史映画。目を離すことが出来ず、2時間驚くほど集中していた。
1971年ニューヨーク。かつてはアメリカを代表する写真家と言われていたユージン・スミスは、酒に溺れる毎日を過ごしていた。そんなある日、日本人女性のアイリーンから熊本県水俣市にあるチッソ工場が海に有害物質を流しており、それにより苦しんでいる人々を撮影して欲しいと言われる。
ジョニーデップだから出来た映画だと思う。
酒に溺れ子供の写真なんて撮ったことがない男がミナマタを通して、自分のあるべき姿に気づき成長し変わっていく。ユージン・スミスという男を丁寧に繊細に演じ、ラスト20分辺りは最初と対比しながら感動した。水俣病をテーマに映画を作ってくれてありがとう。
非常に分かりやすく見やすい映画。
ストーリー構成も脚本も、詰め込みすぎず緩すぎない。このような伝記映画だと、内容を少しでも多く伝えようとして見にくいと感じることが多いのだが、本作は所々でクスリと笑えるところもあるため、見やすく内容が頭に入りやすい。
映像もまた素晴らしい。
カメラワークが写真家を主人公にしただけにとても良く、目の前が1971年になる。ユージンが写真を撮影するシーン、現像するシーン、飛び込むシーン、暴行を受けるシーン、どれも斬新なカメラワークで見るものに現実を叩きつける。
映像よりも深く訴えかける写真。色があるよりも白黒の方が想像が広がり、恐ろしさが伝わる。たった1枚が重くのしかかる。ユージン・スミスに敬意を示したい。思い出すだけでも泣けてしまう写真。自分にとってすごく意味のある2時間だった。ありがとう。
しかし、すっ飛ばしている部分がいくつか。
それで終わりなの?とか深追いはしないの?とかそこ描かないんだ?とか、気になる点が多く見られた。最初のカメラマンとかもどこいったんだと思ったし。
人物関係性がイマイチ。
アイリーンとユージンは上下関係でもあるの?というくらい、ユージンは彼女に頭が上がらない様子だし、浅野忠信や加瀬亮の扱いも雑。水俣病については文句無しなのだが、ユージン・スミスについてはもうちょっと丁寧に描くべきだったのではと思った。
でも、とてもいい映画でした。
劇場には小学校高学年の男の子がおじいちゃんと一緒に見ていた。この子はどんなことを思ったのだろうかと考えながら、孫を連れてきたおじいちゃん素晴らしいなと感じた。
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