MINAMATA ミナマタのレビュー・感想・評価
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控えめなドキュメンタリー風の映画
水俣病が題材との事で本作には期待したがあんまりだった。ラストを映像ではなく文章で説明してたが映画なら映像で表現して欲しい。本作はドキュメンタリー風だがリアルさはあまり感じない。こういうのが得意な監督に作って欲しかった。よく分からないがマーティン・スコセッシとか?もっと国や企業への糾弾とか闘争とか被害者の苦悩を徹底的に描いた問題作になるくらいの勢いで作って欲しかった。それくらいの事件だと思うのに。国家ぐるみの物凄い世紀の大事件の割には本作は控えめだから印象が薄い。ユージンの写真を主軸に置いた作りになってるせいか。
あとエンドロールでの世界の公害病の羅列はちょっと嫌だ。日本の大事件描いた映画なんだから最後まで日本から気をそらさせないで欲しい。映画の内容反芻してる時に世界のこと出されると話広げられた感じで水俣病への思いが薄まる。本編で世界の公害病にも触れてるならともかくエンドロールで次々と羅列するだけって逆に軽薄に感じる。この映画外国人観客向けでユージンの写真もLIFE誌も全世界対象だから世界の公害を入れたのかな。なら別にいいが。タイトルMINAMATAなのに水俣病というよりユージン物語になってる感はあるが。
この映画はあんまり良くはないが映像は好きだ。ユージン・スミスが魅力的な人物に描かれてた。ジョニー・デップはさすが上手いし爺さん役なのに格好良い。
國村隼が出てきてテンション下がる。演技は良いんだが日本映画続けて観たとき全部國村だったから飽きた。美形なら別にいいが。同じ役者を馬鹿の一つ覚え的に使う日本映画。洋画ではモーガン・フリーマンだ。この人が出てるだけで私はチャンネル変えるかな。押し付けがましい演技をする。
結果的には國村で満足だが。國村の英語の発音の良さにびっくりなので。こんな英語上手いとは知らなかったので思わず調べたら英語凄い勉強したらしい。國村に少し好感持てた。
あと浅野忠信が冒頭だけとはもったいない。浅野は台詞読んでる感満載で演技成長しないのが残念だが魅力と迫力あるのでもっと全面に出る役が良かった。本作の印象の薄さが多少マシになるんじゃないか。せめてチッソ社員の誰かを浅野にして欲しかった。真田広之が何故か今回あまり迫力感じない。加瀬亮は手首切る前の憤慨する演技素晴らしい。音楽が坂本龍一らしいので期待したが結局音楽の印象残ってない。
2023/01 CS
今も続く公害病の数々
あの水俣病が発生した当時の現地でどんな事が起こっていたのか
映画ではほんの一部かもしれない。
とても伝え切れるものでは無いが、発展の影にこういった現実があったのだという事実。
1人のアメリカ人フォトグラファーによる認知拡散
SNSのある時代ではない。
エンディングロールで思い知らされた数多くの公害病が世界にこんなにあるのかと知らされた。
庵野秀明みたいなジョニーデップ。
写真家ユージーンは、LIFE誌の仕事で米軍に従軍し、沖縄戦を取材していた時に、日本軍の迫撃弾が炸裂。左腕をひどく損傷し、顔面の口蓋を砕いた。その時26歳。歯の噛み合わせが悪くなり、ほとんど食べられなくなったそうだ。
妻アイリーンが言うには、「毎日10本の牛乳と、オレンジジュースに生卵を入れて混ぜた飲み物が栄養の補給源だった。それとサントリーレッドの中瓶を1日1本、ストレートでチビリチビリ飲んでいた」。
映画でも描かれているが、水俣病患者や支援者とチッソ労働組合との激しい衝突で、ユージーンは左目を負傷。失明の危機にさらされ、コンクリートに頭を強く叩きつけられた後遺症で激しい頭痛に苦しんだ。被写体をレンズを通してとらえながらシャッターを切る時、心の深いところに刻み込まれて、心が無傷ではいられないだけでなく、その身もボロボロになりながら数々の写真を世に送り出したカメラマンだった。
ユージーンの水俣以外の作品をネットで見たが、絵画のようだった。非常に作り込まれた感じの作品が多かった。「入浴する智子と母」がピエタを思わせるのも、最初からそういうイメージがちゃんとあって撮られたものであることが分かる。その撮影スタイルに賛否両論あったかもしれないが、見る者に訴えかける強烈な一枚であることは、言うまでもない。
映画を観賞後、色々記事を読んでいたら、この入浴の作品が現在では簡単には見られないこと(実質、封印されている状態)、その経緯や、アイリーンさんの思い、上村夫妻の思いを知り、非常に考えさせられた。智子さんの父、上村好男さんは2022年10月5日に亡くなっている。
アイリーンとユージーンが出会った時、彼女はスタンフォード大学の学生で20歳、ユージーン51歳。「ニューヨークでアシスタントになり、一緒に暮らして欲しい」と熱烈に口説かれ、アイリーンはそのまま大学には戻らなかったそうだ。
10年程前、水俣に出張に行った関東出身の友人から聞いた話だが、居酒屋でチッソの社員が飲んでいると、「あんたらはいいね、人をあんな目に合わせて酒を飲んでいるなんて」と言われるそうで、それを聞いた時は根深いものを感じ、まだ終わっていないのだと思ったことを覚えている。2006年には損害賠償訴訟でチッソが時効を主張、非難を浴びている。
石牟礼道子の「苦界浄土」を、読もう読もうと思いつつ、なかなか気持ちを整えてからでないと手にするのが難しく、いまだに読めないでいる。映画を見て、必ず読む、と思った。
あと、どうでもいいことなんだけど。
ほんとにこの流れで…だけど。
ジョニーデップが庵野秀明にしか見えないよ…
映画自体は、関心をもつきっかけとして良いと思う。
水俣病の実態をスクープした記者のお話
日本の授業で習ったが、正直詳細を話す事が出来ない。
隠蔽体質・利益追求の企業が招いた悲劇。
しかし、世界各地で似たような事件があるようだ。
産業の発達に規制が追いつかなかった事が原因だと思うが
被害者の方が気の毒でならない。
イケメン鑑賞
ジョニーデップが好きなので鑑賞。けっこうお爺ちゃん役なのねと思っていましたが、イケメン顔の画を見逃しませんでした!やる気が出た時の一瞬「キター!」って感じでした。真田広之も好き。國村隼はいつもあんな感じなのね。日本は水俣やハンセン病や戦争など、ちゃんと教育を受けているのではないかと思います。このような映画を見る時間があれば実感体験もできるということでしょう。
渾身の映画。でも、それを超える1枚の写真。
水俣病を活写した世界的な写真家ユージン・スミスを描く物語。
史実をもとにした映画ですね。
名優ジョニー・デップが主演で(暗い歴史とはいえ)日本を描き、そして真田広之が脇を固めるとあれば、個人的には注目せざるを得ない作品でした。
そして、その注目と期待を損なわない、レベルの高い作品だったと思います。
物語のテーマは二つ。一つはユージン・スミスの物語。年をとり、トラウマを抱え、酒に溺れ・・・時代に取り残されたスミス。その彼がアイリーンという理解者を得て、水俣の惨状を目の当たりにし、水俣の人々と触れ合うことで、カメラマンとしての矜持を取り戻す姿を活写します。
もう一つは水俣の人々の物語。公害、病気・・・そして世間体。ある人は障害に苦しみ、ある人は介護に疲弊する。そんな市井の人々が、それでも家族を慈しみ、前を向いて闘う姿を描きます。
最後に写された「入浴する智子と母」。素晴らしい写真でした。2時間に渡る名優たちの迫力ある演技、その全ての演技に負けないだけの迫力と慈しみが、1枚の写真から溢れ出してきます。まさに、歴史の一ページを刻む写真だったと思います。
私的評価は4.5にしました。
「ラム ダイアリー」でジャーナリストを演じたジョニーデップ。そこで...
「ラム ダイアリー」でジャーナリストを演じたジョニーデップ。そこで、アンバー・ハードと出会っちゃって・・その後地獄の日々を迎えるのですが・・。「MINAMATA」でフォトジャーナリスト、ユージン・スミスのを演じることで、一つの区切りにしたのでしょうか。 水俣でユージン・スミスはこんなにも重要な仕事をしていたのですね・・。「入浴する智子と母」は涙なしでは・・・。なかなか難しい題材を映画にしたことはもっと評価されていいのでは・・。 細かいことを言ってしまうと、ロケをどこで行ったのか・・ちょっと、日本の空気感が今一つ違う・・鉄道や、アイリーンの衣装やメイクも・・。 調べたら・・セルビアとモンテネグロでの撮影だったのね・・。
よければ知って欲しいと思います。
水俣病が正式に確認されたのが1956年5月1日と言われています。定義としては、「メチル水銀化合物に汚染された魚介類を長期間たくさん食べることによって起きる中毒性の神経系疾患」とされています。
以下、最初期に入院した子どもの記録です。(「水俣病」原田正純著より)
江○下○子 5歳4カ月。1956年4月28日ごろから歩くのがふらついて不自然となり、言葉がしだいに不明瞭になり、物が握れなくなった。5月8日初診。失調性の歩行。5月9日、水を飲ませるとこぼすことが多くなり、むせるようになる。5月10日には立てなくなり、16日にはなにも握れなくなる。17日には飲み込むのがまったく不能となり、四肢が硬直してくる。21日には肺炎を起こし、痙攣が頻発する。全身痙攣が強く、変形があって、意識が消失する。23日死亡。
この映画を最初に水俣で上映しようとした時には反対も多かったそうです。水俣市は後援を断りました。水俣病は今も続いています。
水俣病の悲惨さを訴える作品をアメリカに制作されたのは複雑なところだ...
水俣病の悲惨さを訴える作品をアメリカに制作されたのは複雑なところだが、質は高い。
写真を撮らせてほしいというユージンからの要請に何組かの家族が応えたシーン、裁判に勝訴した後の真田広之の演説シーンは泣ける。
若者にも観て欲しい
水俣病は知っていても、ユージン・スミス氏の写真集のことは知らなかった。写真を撮る事を許可した市民も勇気のある決断。でもその被害者たち、そしてスミス氏たちの勇気で、私たちはその悲惨な状況を知る事が出来たし、国や工場側の考えを変えることにもなった。
改めて公害の惨状を知ったし、水俣病以外にもエンドロールで映し出された世界中の多くの公害被害の様子も考えさせられるものだった。
このような映画も、中学高校などで是非観るようにして欲しいなあ!
内容も素晴らしいが、ジョニー・デップの振れ幅のひろさよ。最近「チャーリーモルティガイ」でふざけた笑えるジョニー・デップを観たばかりなので、こんなに真剣な重厚な映画を主演し、制作まで行うとは脱帽です。
ユージンスミス=ジョニーデップ
とても良かった。
当時のジョニーデップがハリウッドから弾かれて
今作しか選択肢としてなかったのかもしれないけど、
それでもこの映画からもう一度水俣病を知ってもらいたいという気持ちが伝わって来たし、
雑誌「LIFE」から弾かれ、水俣病と言う一点で
首の皮一枚繋がったユージンスミスとジョニーデップが
重なって、素晴らしい演技だったと思います。
脇を固める日本人キャスト達も素晴らしかった。
映画として嘘もあるかもはしれないし、
見栄えの良いように作ったかもしれないけれど、
その制約の中での、
ちゃんとした日本を世界に伝える気概が見えました。
僕的には外国人を前にした浅野忠信さんのへりくだった演技って日本人的で上手いなと思いました。
見て損はない作品だと思います。
ユージンとアイリーンの三年間の記録。
内容は、アメリカ🇺🇸の写真家ユージン・スミスと後に一時期彼と結婚する妻アイリーンとの出逢いから三年間の熊本県水俣市を舞台に繰り広げられるチッソ(株)の工場排水🏭(有機水銀)による生命被害を主題とした作品。好きな言葉は『写真は撮るものの魂を吸い取る』で写真という表現に対する呪われた何かを感じる一面が恐ろしくも魅力的な台詞でした。印象に残った場面は、抱えられた水俣病の子供の顔と血の色🩸かと思える真っ赤な暗室と軽快な音楽が違和感と爽快感を感じ、ハリウッド映画の作りらしいスタイリッシュさを感じました。映画も🎞綺麗な三幕構成で映像作品として纏まっていて、綺麗な脚本だったと感じます。これならドキュメンタリー映画で良かったのでは?!撮り直す必要があったのか?疑問でなりません。この物語は事実であると冒頭で唄うだけに内容については厳しく精査される必要はあると思いました。四大公害病の一つ新潟の痛い痛い病勝訴から50年。水俣病熊本地裁勝訴から49年と云う節目からこの映画を鑑賞しました。この映画を鑑賞後に伝えたかったテーマを考えましたが、脚色を踏まえた実録映画だと思うだけで深刻さによる笑顔は伝わって来なかった様に感じます。裁判所に押しかけるお遍路姿に『怨』の旗印には原告被告含む全ての人に降りかかる様に感じられ怖かったですし、今なお解決されない問題は山積みで、どんな事を言おうととも公の殺人である事に変わりはありません。歴史から学ことは大きいと感じました。結局は、人間はお金と土地と地位や名誉からは逃れられない正に怨嗟の渦中。正しい事が罷り通るなら世の中もう変わってるよなとつくづく感じます。いかに自分が共感しようとも出来無い浅はかさと自分の運の良さに安堵感を感じ、安心してしまう情け無い人間です。関係ないですが、主役のジョニーディップが庵野秀明に見えてしまったのは自分だけでしょうか。
目をそらさず凝視してしまう力
撮り方によっては何となく目をそらしたくなる気もするテーマなのに、逆に目をそらすどころか凝視してしまう。
そこには美と愛情があるからだ。
いつまでも観ていたい感じがするのは元々のユージン・スミスの写真の力があり、それを完璧な形で映画にしてくれたおかげだ。
絵が綺麗で坂本龍一の曲がかかるとパーフェクト。
日本で撮影していないのだろうけど、日本のよく知っている俳優が出てくることで日本に見えてくるし、真田広之なんて久しぶりに観て、こんな熱量のあるいい演技するんだと魅力再発見。
ジョニー・デップと美波もどんどん本人たちに見えてくる。
枕を元に戻すシーンはちょっとドキッとした。
買い物に行く間の1時間のシーンが好きだ。
そして、個人的にはビル・ナイが出演しているのも嬉しかった。
教科書でしか知らなかった水俣病。 水俣病を世界に発信した写真家ユー...
教科書でしか知らなかった水俣病。
水俣病を世界に発信した写真家ユージン・スミスの存在。
被害に遭う人々がどのように闘い、向き合っていたのか、元凶であるチッソの対応と妨害、全く知らなかった。
このような映画を日本が作製できないことが残念。
ジョニー・デップの苦悩しながらも水俣の人々と闘う姿がよかった。
アメリカ映画では珍しく、全ての日本人キャストもしっかりして、日本人キャストの演技も良かった。
映像もリアルで伝わってくるものがあった。
エンドロールでは世界中の公害問題が出てきて、日本だけではなく、世界中の問題で考えていかなければいけない問題なんだと考えさせられる映画でした。良作です。
アメリカ映画だということに意味がある
水俣病は日本人として知っておかなきゃいけないけど、公害問題は世界中にある。それも知っておかなきゃいけない。写真や映像は真実を残していく、知らせていくためにある。それぞれに闘う人たちがいて、残していく人たちがいる。私たちは目を背けず知り続けなければいけない。
「MINAMATA」を見て感じたこと 再レビュー
以前のアカウントが不明となったので、記録管理のため再レビューする。
1 水俣病を世に問うた写真家・ユ−ジンスミスの活動を描くとともに、ジャ−ナリストとしての矜持と信念を示す。
2 水俣に到着直後、スミスはカメラを手に外に出て、傍らの人にカメラを向けると、誰もが顔を隠す。スミスは著名な写真家であったが、地元民からすれば、しょせん「お客さん」にすぎなかった。そんな彼は、拠点を設け、患者・家族との交流や抗議集会への参加を続けた。企業は、影響力のあるスミスの本気度を感じとり、妨害工作や暴行を加えた。こうしたことで、患者家族は、スミスを「戦友」として受け入れ、患者と家族が慈しむ場面や壮絶な障害のある姿をカメラにさらけ出してくれることとなる。母と患者が沐浴する所を撮影している場面では静かな感動をもたらした。
3 スミスは、子の親としては失格、自分勝手、アル中、金欠と模範的な人間ではないが、弱者への温かな目を持ち、金に魂を売り渡さない矜持と信念の持ち主である。演じたジョニ-ディップは、その人物造形と演技ともに出色の出来であった。そしてアイリ−ンは、スミスの大事なパ−トナ-でありとても魅力的な人物であった。美波は好演。スミスとライフ社のボブとの長い付き合いは社会人としては羨ましい限り。
4 冒頭はカット割りがちょっとうるさかったが、次第に落ち着いてきた。画面の構図や赤や青の色合いが印象的でとても良かった。 5 水俣市は、原因企業の城下町故に住民に分断と対立があることも示していた。無くなったと思った写真のネガをスミスに届けたのは、恐らく社員でもある地元住民だったのであろうと思う。そして、水俣病での患者と家族の苦しみは今もなお続いていることを忘れてはいけないと思う。ただ、エンドロールで世界で発生した企業による公害が紹介されていたが、この映画との関わりを考えるとなくても良かったと思う。
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