「あまりに重い現実」MINAMATA ミナマタ うどん人さんの映画レビュー(感想・評価)
あまりに重い現実
色々不自然な点は確かに目につく。ヨーロッパでロケしたので水俣の漁師の家が石造りになってるとか、出てくる子役が明らかに日本人の顔ではない、とか。
しかしそういう欠点は水俣病という、おそらく世界の公害病の中でも最も悲惨な病、の前ではほとんど問題にはならない。ユージンスミスの最も有名な水俣の写真、胎児性水俣病の娘を風呂に入れる母親、が冒頭と最後に出てくる。圧倒的なシーン。
僕は胎児性水俣病の人達と同年代で、家も裕福ではない漁師の家に生まれた。生まれ場所が水俣だったら僕も病気になっていたかもしれない。
この映画が日本「水俣)で撮影出来なかった現実は水俣病が未だに終わっていないということをはっきりと表しているように思う。この映画を作ってくれたジョニーデップには感謝しかない。
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