「世界中の人に観て欲しいと心の底から思う。」MINAMATA ミナマタ 涼介さんの映画レビュー(感想・評価)
世界中の人に観て欲しいと心の底から思う。
リタイヤ寸前のカメラマンをジョニー・デップ、被害者の代表を真田広之。普通の人を演じるの久しぶりに観れた。
1971年、通訳のアイリーンに教えられて、日本の水俣病に興味を持ち、半ば強引に日本に取材に出向くジジイ。そこで実際に触れ合う事になった被害者家族達。とにかく悲惨、可哀想すぎる被害者達。プロのカメラマンは感情に流されてはいけない。と、分かっていても目の前の人達に感情移入してしまうジジイ。
この映画、悪人はいません。問題の元凶のチッソの社長さんの考え方も理解できる。自分の会社が科学や法律的に悪い事をしていると証明されてないし、まさかウチが原因だなんて信じたくないもん。お金あげるから、もう抗議運動やめてよ〜ってね。社長以外にも、チッソに味方して放火した奴も、最後は主人公に謝罪。日本人の性善説を見せられているようだった。
エンドロールで見せられる世界の環境汚染被害。多分こんなもんじゃないんだろうな。福島の汚染水放出も心配。自然と科学物資、相性悪いもんね。
なんか、オープニングからジジイに共感しちゃって、最初から最後までウルウルしっぱなしでした。
あ、最後に1つ。熊本弁を聴き取るのが、ちょっと厄介だった。わし、岡山出身じゃけん熊本弁は、よう分からんけん、微妙なニュアンスを聴き逃しとると思う。日本語字幕つけて欲しかったわ。