ミラクルシティコザ
劇場公開日 2022年2月4日
解説
桐谷健太が主演を務め、1970年代と現在の沖縄市コザを舞台に描いたタイムスリップコメディ。かつて隆盛を極めた街コザは、今やゴーストタウンの一歩手前となっていた。そこで暮らす若者・翔太の祖父ハルは、若い頃はベトナム戦争に向かうアメリカ兵たちを熱狂させた伝説のロックンローラーだったが、現在はただの変わり者として周囲から疎まれている。そんなある日、ハルが交通事故で亡くなってしまう。現世に心残りのあるハルは翔太の体を乗っ取り、翔太の魂は1970年代へと飛ばされる。そこで驚きの事実を知った翔太は、あるサプライズを思いつく。クリエイターの発掘・育成を目的とする映像コンテスト「未完成映画予告編大賞(MI-CAN)」でグランプリと堤幸彦賞を受賞した作品を基に、沖縄市出身の平一紘が監督・脚本を手がけた。1970年代に活躍した沖縄県出身の伝説的ハードロックバンド「紫」が劇中に登場するバンドのライブ音源を担当し、劇伴音楽を同バンドベーシストのChrisが担当した。主題歌も沖縄出身のバンド「ORANGE RANGE」が手がけた。
2022年製作/119分/G/日本
配給:ラビットハウス
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一番の見どころは、アメリカによる占領下で、ベトナム戦争の特需に沸いていたコザの街の熱気と狂騒のはずだが、ネオンのきらびやかさ以外は、十分に再現されているとは言いがたい。当時の米兵たちを熱狂させたというロックの格好良さも、中心メンバーのジイジと孫が入れ替わってしまったために、あまり伝わってこない。
全体的に、占領やベトナム戦争といった世相の描写が希薄で、脱走兵のエピソードもインパクトが弱いため、ジイジがこの世に未練を残した理由も、今一つ説得力がない。
二人の入れ替わりにしても、せっかくタイム・トラベル的な要素を取り入れておきながら、その仕掛けを活かしきれず、キャラクターの違いによるドタバタだけに終わってしまっているのは残念。題材とアイデアは良いだけに、作り方によっては、もっと面白くできたような気がしてならない。
2022年3月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
何事もうまくいかない青年翔太が、死んだ祖父ハルに乗り移り、返還前の沖縄コザにタイムスリップする。
激動の沖縄の中、祖父や祖母、バンド仲間に何があったのか…
主人公が一歩成長し、最後のライブに取り組む姿は感動した。
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監督さんからTwitterのフォローがきてこの作品のことを知り、そういう新鮮な縁を感じ鑑賞。
序盤は割と寒いシーンが続き、これ大丈夫かな?と思いつつ観ていましたが、祖父が事故って天に召された後に孫と体を入れ替わるといういきなりなんでもありのファンタジーになったあたりから面白くなっていきました。
桐谷さんのナヨナヨした感じと堂々とした感じの演じ分けがお見事でした。ご本人とても声量の出る方なので、今作は最大限にその魅力が活かされていたなと思いました。ディープなまでに沖縄の歴史についても描いており、戦争だったり、日本返還前のコザだったり、人種や国籍の問題だったり、作り手側の沖縄への思いがひしひしと伝わってくる作品でした。
ライブシーンはやや少なめで物足りなかったのですが、ORANGE RANGEの手がけた楽曲はとてもカッコ良かったです。コザロックとはまた違う魅力が発揮されていました。あと爺ちゃん達が演奏するのはカッコいい…
人物描写がそこまで描かれていなかったり、演奏シーンの少なさは残念といった感じですが、トータルでは中々の良作じゃないでしょうか。今後沖縄に行くことがあればコザの街並みもたどってみたいなと思います。
鑑賞日 2/16
鑑賞時間 12:05〜14:10
座席 C-1
2022年2月16日
Androidアプリから投稿
50年の時を越えた入れ替わりもの、ときくと、ああはいはい、という気がするのだけど、返還前のコザという舞台設定と、今の若者の閉塞感をうまくコントラストで見せることで、どちらも肯定してみせる。、といううまい作品。
次の映画まで空き時間もあるからと見に行ったら予想外のよい作品だった。
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