「『ざんねんないきもの』一番それに近いのはやはり人間だと思うぞ」映画ざんねんないきもの事典 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
『ざんねんないきもの』一番それに近いのはやはり人間だと思うぞ
2022年映画館鑑賞35作品目
8月2日(火)イオンシネマ石巻
ハッピーマンデー1100円
原作未読
子供のコアラがウォンバットなど仲間たちの助けを借りて自立するオーストラリア編『リロイのホームツリー』
監督はイワタナオミ
脚本は『劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』『劇場版 ひみつ×戦士 ファントミラージュ! 〜映画になってちょーだいします~』『劇場版 ポリス×戦士 ラブパトリーナ! ~怪盗からの挑戦!ラブでパパッとタイホせよ!〜』の加藤陽一
3種類のペンギンが迷子になったメスのコンテイペンギンを送っていく話の南極編『ペン旅』
監督と脚本は『神兎ロペ』の内山勇士
強がり野兎とヘタレ月の輪熊が親元から離れプチ冒険する日本編『はちあわせの森』
監督は由水桂
脚本は『ぱいかじ南海作戦』『オケ老人!』『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』の細川徹
MCを務める2匹のモグラが三編を紹介する形
オスモグラの声はムロツヨシ
メスの声は伊藤沙莉
彼女の声は声優としても存在感を示すがムロツヨシの場合は良さが生かしきれていない
原作からしてそうだが何をもって残念なのか理解に苦しむ
動物の個性的な習性を残念という言葉に集約したのは商売としては有能だが
調子に乗り便乗して人間編をやったらかなり危ない橋を渡ることになりそうだがそんな無闇はしないだろう
一見子供向けだが大人が見たらつまらないかといえばそうでもない
そのなかでもペンギンの話は面白い
特に年寄りペンギンがコウテイペンギンを「厚生年金」と聞き間違えるところが秀逸
うんこネタが多い
そのわりに子供たちの笑い声はあまり聞こえなかった
今の子供たちは僕らドリフ世代と違い笑いの壺が違うのだろう
そのドリフ世代もおじさんになった今ではうんこやおならではなかなか笑えない
うんこで老若男女幅広く笑いがとれるならお笑い芸人ほど楽な商売は無い
3時のヒロインのリーダーだってネタづくりに悩むことはないだろう
親の躾がいいのか怖いのか知らないがみんな大人しく座っていたのが意外
兎は自分のウンコを食べコアラは自分の母親のウンコを食べる
体の構造が違うわけだし生きるために必要なんだから残念かと言われたらかなり微妙
それを思えばアラカンの甥としても知られる山本竜一なんて他人のウンコを食べるんだから
当時の嫁に「ウンコとわたしどっちを選ぶの」と問い詰められウンコを選ぶんだから兎やコアラより山本竜一の方が残念かもしれない
沙莉の声は残念だけど残念ではない
コンプレックスを逆手に取りそれを強みにしている
感動した