靴ひものロンドのレビュー・感想・評価
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不倫する夫/父に対する妻のもやもや、子のもやもやを“エンタメ”として楽しむ余裕のある観客向き
日本で劇場公開されるイタリア映画が決して多くないなか、ダニエレ・ルケッティ監督作が昨年の「ワン・モア・ライフ!」、そして本作と2年連続で新作が上映されるのは、何かしら日本人観客に好まれる傾向があるのだろうか。「ワン・モア・ライフ!」はルケッティ監督のオリジナル脚本だったが、今作はイタリア人作家ドメニコ・スタルノーネが著して国外でも高評価された小説を原作としており、脚本にはスタルノーネも参加した。
1980年代のナポリで暮らす4人家族。父アルドはローマのラジオ局で朗読の仕事をしているのだが、職場の魅力的な女性リディアと不倫し、家を出て行ってしまう。
場面が変わり、老夫婦が暮らす家に若い女性の配達人が訪れ、その後しばらく留守をした夫婦が帰宅すると、家の中がひどく荒らされている。
しばらくは別々の家族の群像劇的な作りかなと思ったが、じきに30年後のアルドとその妻ヴァンダのエピソードだとわかる(老夫婦を演じる2人が、80年代の夫婦を演じる2人と似ていないのが難点)。映画は80年代と2010年代を行ったり来たりしながら、家族4人それぞれの思いや、アルドと愛人との暮らしぶりなどを描いてみせる。
イタリア人なら自由恋愛にもっと寛容かと思っていたが、どうやら偏見のようで、少なくともヴァンダはずっともやもや、いやそれどころか整理のつかない感情を募らせ、極端な行動に走るようになる。幼かった姉と弟も、もやもやを抱えたまま成長し、大人になる。
そんなもやもやが映画の大半を薄暗く覆い、観る側もすっきりしないままストーリーを追うことになる。心に余裕があれば、こんな話もエンタメとして楽しめるだろうか。実体験として過去に大切な誰かの不倫や浮気でつらい思いをした人なら、どんな気持ちで鑑賞するのだろう。そんなことを想像して、またもやもやする。
【”倦怠期に有った妻ある夫の浮気が齎した事。”子供の成長の中で、親の不仲が与える影響は多い。だが、そんな中、子供達は父親の変わった靴紐の結び方を覚えていて・・。30年に亙る家族関係を描いた作品。】
■1980年初頭のナポリ。
ラジオ朗読のホストを務めるアルド(ルイジ・ロ・カーショ)、妻・ヴァンダ(アルバ・ロルヴァケル)、姉弟のアンナとサンドロの4人家族の平穏な暮らしは、夫の若きリディア
(リンダ・カリーディ)との浮気で終わりを告げた。
だが、ヴァンダの飛び降り自殺未遂により、家族関係はギリギリ続くのである。
そして、アルドとヴァンダが老齢となった今でも冷え切った夫婦生活は続いていた。
◆感想
・フツーであれば、アルドの浮気が発覚(というか、自ら妻に告げている。文化の違いを感じる。)した時点で、アルド一家は崩壊するが、妻・ヴァンダの自殺未遂により家族4人は、再び一緒に住み始める。
ー 当たり前であるが、長女の父を見る眼差しは冷たい。-
◆アルドが、アンナとサンドロに靴紐の締め方を見せるシーン。二人は、”ちょっと変だけれども”そうやって、教えて貰ったよね”と確認するシーン。
今作の胆であるシーンでもある。
・父が隠していたカラクリ細工の中の、浮気相手との写真を大人になった姉弟のアンナとサンドロが見つけるシーン。
ー 大人になった彼らは”しょうがねえなあ”と言う表情である。-
・そして、年を取ったアルドと妻・ヴァンダは、今でも一緒に暮らしている。
ー それは、アルドの妻・ヴァンダに対する贖罪で有ろう。-
<家族とは、人間とは複雑で難解で完璧な人などいないというメッセージが詰まった作品である。
だが、私は家族の絆は複雑で難解で完璧でなくても、強く繋がれているのだと思った作品である。>
これで家族の木綱がとけて 第2ラウンド
これで家族のキズナがとけて、自由に恋愛が出来る。つまり、第2ラウンドさ。しかし、後は等しく天に召されるのみ。
ヨハン・セバスチャン・バッハの作品988が天国へいざなってくれる。グレン・グールドの演奏のようだが、あの唸りは消されていた。
DNAを受け継いだはずの息子は、ヒゲを剃っていた。一方、逆ギレするバカ親父は最後まで髭面のまま、空気が読めていない。声だけの商売だからね。自分の醜さが分かっていない。空気が読めていないってことさ。
傑作だ。
追記 『ジェンカ』だったと記憶する。坂本九さんの歌で、その前に確か別の人が『レッツキス』って歌っていた。
ラベス
男最悪でしょ 自分が悪いのにまるで妻が悪以下の言いようなんじゃそりゃ。子供達にも責任感なさ過ぎでそれの片棒を担ぐ友人も最悪。勿論不倫相手も悪くってそんな男とならさっさと別れればいいのに何故?各人の年齢設定が過去と現在で分かりにくい。あんなに可愛いかった娘があんな風にに変貌を遂げるのか。子供の頃に負った傷故なのか。それにしても40過ぎての爆発はどうかな?
旦那の浮気が原因で離婚した夫婦、旦那も旦那だが奥さんの方も相当にヒ...
旦那の浮気が原因で離婚した夫婦、旦那も旦那だが奥さんの方も相当にヒステリックな性格、そして2人の子どもも問題あり。
家族の絆がテーマのようだが、この家族は最後まで崩壊したままで絆などほとんど感じられない。
監督はこの作品で一体何を伝えたかったのだろう。
かなり多くの時間で男女の罵り合いを見せつけられるのは不愉快だ。
共犯者たちに軽く乾杯
ダニエレ・ルケッティ監督作品。前作、ワン・モア・ライフを見損ねてるワタクシです。
これは面白かったです。と言うか、好き。
シニカルです。苦いです。甘っちょろくない。夫婦のどちらにも肩入れ出来ません。で、その全てが伏線だと言う、手の込んだ、意地悪な建付けもさることながら。30€をだまし取る信用ならん女と言うフェイクをかましといての回収劇。
ほのぼの家族愛、なーんてからは程遠い、両親への復讐で幕を閉じる家族の物語りなんて、今まで記憶にない。ホラーの類にはありますけどね。
淡々と、畳みかける様な最後のネタバレパートが面白かった。
良かった。
かなり。
たまったもんじゃないよ
父親の浮気により崩壊する家族と狂い出す妻。
浮気した時点でもう駄目なのに逆ギレする父にウンザリ。
母親も子供のために一緒にいようとするが、次第にヒステリックになっていく。
時が経ち夫婦の仲を取り戻したのかなぁと思ったらだんだんと違和感が。
時系列、視点が入れ替わりながら進んでいくから飽きない。そして母は元々狂っていたのかな、だから父は窮屈に感じて浮気したのかなとか思いながら観ていたら…
とにかく1番の被害者は子供達、不憫で仕方がない。
ラストはあんぐらいやってもらわなくちゃ。少しスッキリして終われた。
何かを得ようとしても、何も得られない映画
なかなか評価が微妙で、自分も見て楽しんだのか、そうでないかも、うまく表現できない。退屈はしなかったが、感動はしていない。夫がなんともつかみ所のない男で、なぜモテるのか分からないが、煮えきれないのがヤキモキするものの、愛人がセクシーなので、あれだけ美人だったら、そりゃ迷うよなと変に納得もしてしまう。(私もバカな男だから。ただ彼のようにはモテない。)確かに現実に気持ちを殺しあって牢獄のような家族は結構あると思う。だから、あんな最後もありかとは思うが、途中から展開は予想できてしまった。私は妻役のロルヴァケルが大好きで、あんな美人を邪険にできる夫にイマイチ感情移入できなかったことも、ストーリーを楽しむのに邪魔をした。
死ぬまでに処分しなきゃ
まともに見えるけど、最初からこのオヤジ変わってる。空気が読めないとか、自己中なんてもんじゃない。ただ、己の下半身に馬鹿正直なだけなんだろうけど。
これが普通のイタリア人?
ラジオでの小説の朗読がお仕事なのに、軽薄過ぎない?
あの綺麗な奥さんの方が愛人より、ずっと素敵だと思うんだけど。
おとなになった姉弟の行動は溜まりにたまった憤怒の噴出と受けとめた。
なんかわかる。
でも血は争えないというか、破壊が好きなのね。
アンナが思春期にすごく美人さんになって驚いたけど、そのあと中年になった時の変わりようにガッカリ⤵️
ある視点部門グランプリ賞をあげます。
原題は Lacci 。
靴ひも?
なんだかピンとこなかった。
罠とか縄っていう意味もあるらしい。
人生(親子)は糾える縄の如し?
ロンド… 輪になって踊る事、舞踏歌、回旋曲、輪舞曲
足元から始まるオープニングがカッコ良くオシャレです。
最後まで観ると結末は…
イタリア映画って詳しくないんですけど、こんな皮肉っぽいんですかね?
なんかタランティーノが浮かんだ。
話の落としどこ、終わり方、がタランティーノっぽいな…と。
エンドロールで流れる曲もオシャレな曲で、この結末に、とても合ってるし、エンドロール自体オシャレです。
歪んだ家族関係…
アイロニカルな映画です。
奥さん役の人は『3つの鍵』にも出てて、同じく奥さん役です。
なので、たまに、2つの映画を混同します(笑)
オレは同じ日に観ました(笑)
倫理観のずれ
最後まで、猫ちゃんがどんな状態なのか「だけ」が心配でした。
人間たち?
自分の倫理観だと、どーでもいいや。
イタリアとかフランスとか、自分の下半身の欲望が人生に優先するって、どうにもなじめないですわ。
もしも、自分の妻より好きになった女性が出来たなら、浮気が先ではなく、まず別れてからの肉体関係でしょ、けじめつけろよとしか思わず。
また浮気された奥さんも、憎しみ合って傷つけ合う状態で一緒にいるのは、人生にとって損しかないわけで、とっとと別れて慰謝料をぶんどれと。
なのに別れずにグダグダと。
そんな環境に置かれた子どもたちが、かわいそうでした。
あほらしいお話。
まわるまわる輪舞曲🎵
80年代のイタリアのお洒落家族の小洒落た物語だと勝手に予想しておりました…
が、夫が浮気をし、妻は全力で夫をつなぎ留めようとするが挙げ句の果てに自殺未遂まで…
2人の子を持つ夫婦のまぁ、ありがちなストーリー
その後、いきなり場面が変わり歳を重ねた夫婦が自宅ですったもんだした後、バカンスに向かうが…
その留守中に夫婦の自宅は泥棒に荒らされ
飼い猫までいなくなる始末に
夫が過去の隠し物の為に必死になる姿が滑稽で
意地悪な傍観者になってしまいました😁
実際3部に分けて物語が繋がれ観ているうちにこの家族への没入感が増してきた
「そう来たか!?」
両親への思いや視点を子供達を軸としてすすむ3幕目
普通の家族の絡まり…歪み
靴ひもの結び方次第で歩き方や歩き心地が違ってくる様に
この家族が人生の紐結びを今更ながらも
しっかり結び直して行ければ良いのだが…
ダニエーレ・ルケッティ監督ならではの人生語りの奥行きさを感じさせられた
救いようがないが、これも人間の真実だろう。
夫の浮気によって、夫婦関係がおかしくなってしまった家庭。また、その家庭で育った子供たちは、どのように成長するかを描いた映画。
愛人の元を去り、家庭に戻ったがお互い愛情はなくなり、仮面夫婦を続ける。子供達は幸せな家庭をもつことは出来なかったようだ。親の責任だ。その報いを受けることとなる。観ていて辛い映画だ。
イタリア人の夫婦感?
こんな感じのフランス映画は多いが、イタリア映画は珍しいかな
フランス程はおおらかでは無いらしいが、日本人の感覚からはずれるお話
子供のためと思いながらの生活
しかし、子供は子供で思いがあっても親の庇護下で暮らすしかない
結果的に、夫婦にとっても、子供にとってもそれが良かったかは分からないんだな
そこは日本でも同じなんだろう
イタリアではそんなに不倫しやすいのか!とは思ったが
テーマになってる曲って、なんて曲でしたっけ。
一つの家族と夫の愛人、それぞれの視点から切り取られた場面や、過去と現在の時系列がうまく絡み合ってて、面白かった。視点が違えば見えることもあるし、父母の紛争に巻き込まれた子どもの心情はやはり複雑だな。。
音楽とステップを踏む靴のアップから始まり、それからタイトル「Lacci(靴ひも)」がででーん、と出てくる感じ、すごくいい!ファッションも素敵過ぎました。
犯人はお前らだったのか〰️
複雑な家庭環境の中で育つと…😢
娘は小さい時あんなに可愛かったのに、変われば変わるもんだ。
子供の気持ち、痛いほどわかるけど、ちょっとやり過ぎかな。
でも我が子もそうなるかも…怖い😓
いやー!やめて!なクライマックス。
テキトーでその場限りの思いつきで行動する夫。縋る妻の深謀遠慮。いつからか、仮面を被った子どもたち。なんとも背筋が凍る家族の物語が、時系列を錯綜させてコメディータッチで描かれてゆく。しかし大詰めで、舌を噛み切りたくなるような事が数十秒後に発生する予感で、エンドクレジット。うーむ、欧州映画だ。
60年前なら、妻役は絶対にソフィア・ローレンだったろうなあ。
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