そして、バトンは渡されたのレビュー・感想・評価
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原作が好きすぎるのか、、、
余りにも長く退屈なイントロ
巻頭4人の登場人物を紹介し、各々のキャラクターとその環境に個性的な魅力を漂わせ、作品への期待感が膨らませますが、これが本作の大いなる伏線であり、観客を巧妙に騙します。伏線が実に巧妙に仕組まれた作品です。
しかし、そのためのイントロが余りに長過ぎ、主要人物であるミータンと優子の、まるで日記でも綴られていくように、事件も波瀾も起きないまま、物語は極めて淡々と単調で平凡な日常が、約3分の2が経過するまで執拗なほど繰り返されます。少なくとも私は、倦怠感に襲われて完全に辟易し、離席しようかとも思いました。
しかし、この非常に退屈で間怠い長い長いイントロにこそ、残り3分の1の尺の罠が、実に巧妙に仕組まれています。
視聴後の多くの人の講評が滂沱に包まれた感動を論じている、そのエピソードが綴られます。
本作は、永野芽郁がヒロインとしてタイトルロールの筆頭に流れますが、本作は、間違いなく石原さとみ扮する梨花が真の主役であり、物語の核となります。自由奔放で、天真爛漫で、陽気で、大らかで、気儘なマイペースの、典型的ジコチュー女。映像では斯様に描かれて、いつの間にかイントロの中でフェイドアウトしていきますが、その真相とのギャップが、多くの観衆の涙を誘うことになるのでしょう。
総じて高評価で、感動したという声が多いのには納得はいきます。ただストーリー展開には、やや強引で辻褄が合わず首を傾げる箇所が散見され、またとにかく前半の退屈な尺のあまりの長さがあって、後半の裏事情の披露には、少なくとも私は感情移入することは出来ず、多くの人のようには感涙に耽ることは出来ませんでした。
従い役者自身が号泣しているのを、非常に冷静に客観視してしまっていました。
原作から余計な変更が多くてツッコミどころ増えた
色々と細かい所を原作と変えているが、余計な変更が多すぎて、ツッコミどころが多い。
子供よりも自分の夢を選んで外国に行ってしまう実父はサイテー。単なるバカ親に見えた。こんなの、優子が『私は父に捨てられた』って思うような重大案件。
子供がいる事を披露宴当日まで隠していた梨花がやってる事は詐欺師レベル。
それをのほほんと受け入れる森宮さん、こんな人いるかよ?
いじめていたクラスメイトが手のひら返して優子に近づき、それをなんとも思わずに優子は受け入れて仲良くなる。ここまで来ると、優子が単なるお人好しのバカに見えてくる。
原作の
『やむを得ず外国に行かざるを得なくなった実父の苦悩』
『子供を安心して託せる人を命懸けで探した梨花の意志』
『子持ちなのを知りながらも結婚を決めた森宮の決意』
『友達が何よりも優先と思いがちな10代において、優子は友達は優先ではないと考えるに至るまでの優子の複雑な生い立ち』
この要素って『家族のつながり』を描いている映画なら、このような変更をすべきではなかったと思う。
映画もそれなりに感動物語ではあったけれど、なぜこんな余計な変更をしちゃったかなぁ。
必ずしも原作に忠実にする必要は無いと思うけれど、これなら変更しない方が良かった。
ただ、この映画自体は好きです。キャスティングも素晴らしいと思いました。
人の子、人の親であれば感動しないではいられない!!
離婚率の多くなった、現代社会ならではの設定にも思えるかもしれないが、親と子に「血の繋がり」がないというのは、なにも離婚だけではなく、戦争や災害によっても起こり得ることではあるし、海外においても2000年代以降、パートナーがいなくても人工授精によって妊娠したいという女性が増えたことや、LGBTがオープンになってきたこともあり、養子をとるという家庭も増えている。日本もそういった家族関係が今後増えていく可能性もある。
あらゆる状況によって、血の繋がらない家族関係というのは、今後増加傾向にあることは間違いない。そこで問われるのが、血の繋がりがなければ「母性」や「父性」というのは、芽生えないのだろうか?ということ。
『MOTHER マザー』(20)『マー -サイコパスの狂気の地下室-』(19)のように、実親であっても、いわゆる「毒親」と呼ばれる親を描いた作品も多く存在している。これも言ってみれば屈折した母性からなるものである。母性というのは、単なる形式的なものでしかなく、重要なのは血の繋がりの有無に関係なく、いかに相手を思いやることができるかだ。
森宮も初めて結婚というだけで、ままならない状況の中、さらに子供がいるということを土壇場で知らされ、急に環境が一変してしまう。「父親」とは何か?ということを常に自問自答しながら、自分なりの父親像を築いていく……。この過程が大切だと感じさせてくれる田中圭の好感度は上がりっぱなし。
ミステリー要素もある作品ではあるが、映画の宣伝においても頑なに隠され、ネタバレ規制をされている「秘密」や「嘘」は、正直言ってしまうと、前半でなんとなくわかってしまう。この秘密が何かを言葉ではなく、表情で感じさせる石原さとみの演技も必見だ。
今作が優れているところは、親と子のそれぞれの視点が絶妙なバランスで交差する点である。観る世代によって感じ方は違うかもしれないが、その時の自分の立場によって、感じ方がまた変わってくる作品だけに、何度観ても楽しめるだろう。
感情移入は無理でした。
3人の女性が主軸となって物語が進んでいました。
ですが、結局のところ『りかさん』に振り回される人々の物語のように感じました。
まずこの人に感情移入するかいなかで、この映画を感動作と嘯けるか否かで分かれると思います。残念ながら私は圧倒的後者でした。
『りかさん』が個人的な欲求のために水戸さん(みいたん=優子のぱぱ)と結婚し、海外にいくと優子が可愛そう(それは分かる)という理由で親子を離れ離れに。そうかと思えば、優子のためにとお金持ちの人と再々婚し、時期が来たら優子をおいていく。再々婚相手の泉々原さんもだが、実父もいないなか1番信用していた人に置いていかれる優子が可哀想だった。そして次は、エリートで貯金のある森宮さんと再々々婚し再度置いていく。
要するに、男性方はりかさんの欲求を満たすための手段でしかなく、自分のことしか考えていない女だと思いました。
登場人物みんな脳内お花畑すぎて、「それでも君(優子)をりかさんは愛してたんだ」みたいなセリフを言っていたが実の親子を引き離した上に音信不通に意図的にさせる、寂しい老人の優しさに漬け込む、初婚の男性に子供がいることを隠し、強制的に父親にさせた上に子育てをさせる、、、
見ていた人は泣いていた方もいましたが、私はりかさんの身勝手さに呆れて終始失笑でした。
「ここで泣かせるぞ!」みたいな演出もお笑い種です。お金を払ってみたことに対して悔し涙はでましたけども。
キャストの演技が素晴らしい。その点においては満点。大満足。
家族の愛が溢れるストーリー。
まず、タイトルにした通りとにかく演技がすごい。
ある家族の父娘を演じる田中圭さんと永野芽郁さん。実の親子ではない距離感がなんとも言えなかった。血の繋がらない親子がどのような関係かなんて知らないが、「きっとこんな感じなのだろう」と納得させられるほどの演技力だった。
永野さんは本当にウザがっているように見せつつも親を想うシーンではまるで甘えるような表情。田中さんは剽軽だけれども、真剣な表情で娘にアドバイスしたり、笑顔で助力を加える。状況に応じた表情や声の使い方の豊富さに、驚嘆して作品に集中できないではないか。
そしてある家族の母娘を演じる石原さとみさんと稲垣来泉さん。こちらも血の繋がりがないのだけれど、あからさまな愛情表現をぶつけ続ける石原さんに心酔する。「こんな奥さんが欲しい」と、思考が映画の本筋から外れて明後日の方向に行ってしまうレベル。稲垣さんはやはり前述の方々に比べると経験値の差なのか、表情はすごいのだけれど声の使い方がまだ自然ではない気がした。いや。十分すごい。すごいのだけれど、他の3人がどうかしているのだ。
これらのことから、演者に関しては本当に満点をつけたい——、などと私が評することがおこがましいと思うほどの作品だった。素晴らしい。
ではなぜ満点ではないかというと、ストーリーの構成がよくなかった。
本作は「〈命をかけた嘘〉〈知ってはいけない秘密〉」とキャッチコピーを打っているのだけれど、これらが推測しやすいのだ。恐らく大抵の人が序盤で、大オチの想像は出来てしまうだろう。
「あ〜、そのシーン見せないで! わかっちゃうからダメダメ!」などと心の中で叫びながら鑑賞していた。「伏線」ではなく「ネタバレ」に近いものを散りばめている感覚。正直、もっと分からないように工夫して頂きたかった。「〈命をかけた嘘〉〈知ってはいけない秘密〉」なのだから。
後は、リズムが急に悪くなる。
中盤で1つの感動の山が来るのだけれど、そこまではストーリーに無理があるにしろ進行スピードは悪くない。トントンと場面が切り替わり、時間が流れて行く。その後、ラストの大オチまでが長い。長すぎる。この物語の根幹を成しているのが終盤のシーンなのである程度間延びするのは致し方ないとして、そこに不要なシーンまで詰め込んでいる印象。
例えば永野さん演じる優子は、専門学校卒業後就職するが肌に合わず退職してニートのように過ごす期間が流れる。そしてその設定は以降どこにも掛かってこない。ナレーションで5秒で終わらせられる、特に意味を成さない映像を放映する必要はない。どうも尺稼ぎをしている感覚に陥って、好きになれなかった。
「ネタバレ映像」と「無駄なシーン」をカットすることで、中盤の山と大オチとの間隔、そして全体の放映時間を短縮できていれば、より鑑賞者の気持ちを盛り上げることができる作品だと感じた。
キャストが度肝を抜かれるほどの素晴らしい演技をしているので、この辺りまで気を配れていたら満点をつけていた作品。
PS これから鑑賞する方がいらっしゃれば、それぞれの親の秘密を推測しないでおこう。秘密が分かってしまうと驚きも感動も薄れてしまうので、成り行くまま鑑賞することをお勧めする。
出来すぎ
深い
長文失礼します。
もともと、この小説が好きで瀬尾まいこさんを好きになるきっかけの本でした。
本を読んだ時も後半は涙涙で声を出して泣きましたが、映画は映画でとてもよかったです。
愛の形にもいろいろあって、梨花の不器用な愛も田中圭さんが演じる父親も全てが素敵でした。
瀬尾さんの本はいつもみんな違ってみんないい。と言っているような気がします。
細かいところにも一つ一つ意味があって、親子で料理を作るシーンはほんとに親子だって思いました。語彙力なくてすみません。
血の繋がりだけじゃなくて、子を大事に思うことバトンをしっかり受け取って責任をもつことがとても感動的でした。
梨花のがむしゃらの愛も憎めず、あなたがいたからみんなが繋がったんだと思えました。ほんとに素敵な映画で見る人によって見方も考え方も違うと思います。
私は親からの愛を再確認できた映画でした。
面白かったよ(でもみんな、ぜひ原作も読んでみてね)
どんなときも笑顔を欠かさない主人公の優子を中心にひろがっていく、小さな愛情にもとづく行動の数々... 幸せな感じになり、温かく涙できる映画、でした。
作中で「いいな、お互いを尊重してる感じでさ。実の親子より、よっぽどいいよ」と、主人公の彼は言うが、本作はそういう "比較" ではなく、実の親子も、結果的になった親子も、どちらもいいものなんだよという話なんだと思う。その点で、上の彼のセリフは少し残念だった。
以上がこの映画の感想です。ちゃんと面白かった。
ただ、原作とこの映画は、まったくべつのものだと思います。映画を観た方にも観ていない方にも、原作は読んでみてほしい。映画観た人も、まっさらな気持ちでぜひ読んでみてほしい。
映画は、梨花さんの話になっている感じがするけれど、原作は優子と彼女を取り巻くみんなの話。映画よりも、もっと広い "世界" というか "人々" に対して幸せを感じられるかと思います。また違うテイストで楽しめて、もっともっと幸せになれると思います。
------以下はネタバレあります。ご注意。
「私が勝手にブラジルへ行ってしまったから。いまさら後悔してもどうにもならない」という父のセリフにも、(原作は)そういう話じゃないんだよなあと強く感じる。上の本編に書いた彼のセリフもだけれど、反省とか比較とかじゃないんだよなあ・・・このなんだかもどかしい気持ちを、みんなにもわかってほしいな。
伏線のせいで展開が丸わかり
血の繋がらない親の間をリレーされ、4回も苗字が変わった森宮優子。義理の父親、森宮さんと二人暮らし。将来のこと恋のこと友達のこと、うまくいかないことばかり…。 そして、夫を何度も変えて自由奔放に生きる魔性の女・梨花。泣き虫な娘のみぃたんに精一杯愛情を注ぎ共に暮らしていたが、ある日突然、娘を残して姿を消してしまう―。全く違う2つの物語が繋がったとき、驚きとともに、今年最大の感動が訪れる、というストーリー。
名前を出さずにずーっとみぃたんと呼ぶので、これはきっと誰かなんだろうなぁと思ったら…。体の頑丈さに触れるところがあったので急に倒れたり死んだりするのではないかと思ったら…。というように丁寧に伏線が張られすぎて後々の展開が完全にわかってしまうので驚き、感動がやや薄い。
話自体や構成というより卒業式、結婚式、久しぶりの親子の再会などのシチュエーションにぐっと来てしまうのでこの話に感動させられてる感じがない。どの場面でも全員泣きすぎだし。
1番気になるのは、娘のためなら手段を選ばなさすぎる点。夫を変えたり、姿を消すことが最善と考えており、そして、それを全員が受け入れている点に違和感しかない。
特に手紙を送らないし、受け取ったものを渡さないのは非常に悪質で、あとから言い訳してもリカバーできない。
キャストは田中圭と石原さとみについてはやや無理のある世界観を成立させていたが、岡田健史の表情の硬さが気になった。
家族映画の最高峰と言っても差し支えない
レビューサイトでの評価が非常に高かったため鑑賞しました。原作小説は未読です。
鑑賞後にYouTubeでレビュー動画を探してみたら意外にも酷評が多いみたいです。レビューサイトは評価めっちゃ高いのに、なんだかギャップがありますね。原作が本屋大賞を受賞するほど人気の作品で、どうやらその原作小説から改変されている部分が結構あるみたいです。本作の肝の部分であるラストの伏線回収は映画オリジナルのようですね。軸となるストーリーは一緒なんですが、構成を変えることでまるでミステリのような伏線回収が繰り広げられるように改変されていて、その部分を「原作の雰囲気が壊れている」と感じてしまう人が結構いたみたいです。最近の邦画にありがちな安直なお涙頂戴に見えるシーンも正直あったので、そういうところが嫌われる原因なのかなぁ…。
しかし私個人はめちゃくちゃ楽しめました。本当に面白くて、家族映画の最高峰と言っても差し支えないレベルに気に入った映画です。キャストの演技、脚本やストーリー、演出に至るまで、挙げればキリがないほどに気に入った部分が多かったです。小説を読んでいないため「小説と違う」と憤慨する原作ファンの気持ちは推し量ることしかできませんが、原作を知らない身としては「一つの映画として観れば泣いて笑って楽しめる作品」という感想です。
予備知識は無い方がいいかもしれません。できれば予告編も観ないほうがいい。まだ観ていない方はこのレビューも今すぐ閉じた方がいい。そして今すぐ観てきて欲しい。面白いのは保証するので。
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幼いころは泣き虫で「みぃたん」というあだ名で呼ばれていた高校生の森宮優子(永野芽郁)は、両親の離婚や再婚によって4度も名字が変わり、現在は血のつながらない父親である森宮(田中圭)と生活している。クラスに馴染むことができないでいた彼女は、卒業式でのクラス合唱のピアノ奏者を半ば強制的に押しつけられてしまう。しかしピアノの練習をきっかけに天才的なピアノ奏者である早瀬(岡田健史)と仲良くなり、優子は早瀬に惹かれていくのだった。
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「みぃたん=優子」というのは映画後半で明かされるどんでん返しらしいんですけど、私は一番最初のシーンで「みぃたん=優子」だと気づいてそれが前提条件のように鑑賞していました。『アヒルと鴨のコインロッカー』とか『佐々木、イン、マイマイン』みたいな感じで現在と過去を交互に見せている演出なんだろうと思って観ていたので、普通に鑑賞後に他の方のレビュー見て「あれって別々の家族のように見せる伏線だったのか」って逆にびっくりしました。
登場人物全員が良い人でほっこりします。
主人公の優子も名前の通り優しくて思いやりのある子ですし、彼女の親代わりになっている森宮さんは言わずもがな。「歴代お父さん」「歴代お母さん」がみんな良い人ですね。
映画化もされた伊坂幸太郎の作品に『オー!ファーザー』という小説があるのですが、それとちょっと似た印象を感じました。
『オー!ファーザー』は母親の浮気によって父親が4人もいる高校生が主人公で、全く性格の違う父親たちとの交流によって主人公が色んなものを学び、成長していくという物語です。
本作の主人公である優子も、3人の父親と2人の母親から多くのものを吸収し、成長していきます。一見すると複雑で不幸な家庭環境のように見えますが、優子自身は全く不幸だとは感じておらず、むしろたくさんの愛情をしっかり受けついだことで、愛情あふれる優しい女性に成長できたのだと感じます。
自分も親の一人として優子の成長を見守っていたかのような、そんな気分になる素晴らしい映画でした。オススメです!!
しっかりと泣けます。
映画は、二つの家族のストーリーが進む。
すぐに泣く主人公優子(永野芽郁)は、みいちゃんとみんなから呼ばれ、実父はチョコレートの原料カカオを栽培する夢を追いかけ、単身ブラジルへ。実母を幼くして亡くしていた。
実父の再婚相手になった梨花は、ストーリーが進まないと病気である事をひた隠し、なんとか優子を再婚相手の裕福な新しい父(市村正親)に、ピアノの基礎を教われる環境をもらい、
新しい父は少し歳を取っていたため、3番目の再婚相手森宮さん(田中圭)と再婚し、優子を預け、隠れて闘病のためいえをでます。
ずっと、小さな子供(みいちゃん)と高校生の永野芽郁のストーリーが並列化で進むので、違う話が最後に繋がるんやろと思っていたが、なんとみいちゃんが大きくなった優子であり、
闘病後、梨花は亡くなっていた事を知る。
ここで大泣き。素晴らしい展開だわ。観て良かったぁ。
ちょっと白けた
やわらかで自然体な永野芽郁さん、フレッシュさ溢れる岡田健史さん、若者2人の存在感は素晴らしく、見ていて応援したくなった。一方で「隠れ主役」の石原さとみさん、田中圭さん、そして市村正親さんはいずれも個人的にはトゥーマッチな演技で、途中からはあざとすぎて胃もたれし、アレルギー反応が出てしまった・・・ いずれも名だたる俳優さんなので、きっと彼らの責任ではなく、監督や演出と自分の相性がダメなんだろう。オープニングの日テレのロゴで嫌な予感がしたのが、残念ながら当たってしまった。
父親3人、母親2人という複雑な物語を、永野さんが抑制の効いた演技でうまく表現していて、後半はグッとくるシーンが幾つもあった。ただ、ラストで「バトン」の意味が明かされた瞬間に、正直拍子抜けしてしまったのは自分だけ?(小説は未読) 安易に「女性蔑視」という言葉は使いたくないけど、あれだけ運命に翻弄されながら懸命に生き抜いてきた優子が主人公かと思ってたら、じつは「バトン」というモノ扱い。主人公は彼女(大切なモノ)を支えてきた人達が主人公だったと分かり、「なんじゃこりゃ」と白けてしまいました。彼女=バトンの「意志」はどうでもよいのか、バトンは自分一人では前に進めないと言いたかったのか…等々、観終って一人でぐるぐる考え込んでしまった。
周囲の人々が彼女に注ぐ愛情は(クセはあれど)素晴らしかったと思うが、個人的には無味無臭なモノ(バトン)よりも、自分の意志で奔放に生き抜くヒトの方に興味があるので、光るものはあれど全体的に低評価の作品とさせてもらった。
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