「4人目の父親目線」そして、バトンは渡された 赤ヒゲさんの映画レビュー(感想・評価)
4人目の父親目線
予告編を観た印象では、大体想像できそうで、感動もお約束のような印象だったので、失礼ながらそれほど目新しさを期待せずにDVD観賞しました。まずもってよかったのは、どの登場人物も等身大かつ魅力的だったこと。森宮壮介(田中圭)の平凡の中に光るものがあるキャラ設定に共感でしたし、何よりも森宮優子役が永野芽郁だからこそ、この映画全体を包み込んでいる清々しさが存分に表現できていたように感じました。そしていよいよ混迷を極めた親子関係からの巣立ちの時に、とっても好青年に見える早瀬賢人(岡田健史)だからこそ、モノローグ「そして、僕にバトンが渡された」が心の隅々まで染みて、まるで優子の4人目の父親目線で見守ってしまいました(笑)。この物語はかなり特異なシチュエーションを描いていますが、親から子へと命のバトンが渡されるイメージとも重なって、多くの人に響いたように感じました。エンドロールに前田哲監督の名前を見つけて、「見覚えがあるなぁ」と確認してガッテンしました!比較的最近観た「老後の資金が足りません」(21)もとても好きな作品だし、何よりも「極道めし」(11)が大好きなので、着々と傑作を撮り続けていることが嬉しかったです。
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