「2人の母親、3人の父親は衝撃!」そして、バトンは渡された 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
2人の母親、3人の父親は衝撃!
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涙暇なしのあったかい物語で、間違いなく力作です。登場人物の人生が、テンポ良く流れていきますが、人生は川の流れのように愛おしいと思わせてくれます。テーマはいくつもありますが、ピアノ、料理、結婚がメインの秀作です。最初見ていた物語の流れが、途中で全部謎が明かされ、まさにどんでん返しの波状攻撃です。例えば、石原の役所は最初はとんでもない悪女っぽさで描かれ、見ている方としてはこんなポンコツの役を、彼女もやるのだと感じました。ところがどっこい謎がどんどん明かされていくと、一番の良いところを全部持っていきました。すごい作り方です。また、何も予備知識なく見ていたので、二つの家族の同時進行と思っていたのが、実は一つの家族だったということが後で解ります。まさに衝撃です。単なるシンクロではなく、まさに一人の女性を中心にした物語だったのです。田中圭の役どころも人格としては優柔不断ではありますが、天使のようです。この映画を観て思ったのは、いろんな人生の行き違いや不幸や幸せは、全てその人にとって必然であるということを想起させてくれました。2人の母親に3人の父親って凄すぎでしょう。それも血がつながっている、つながっていないは関係なく、全部愛なのです。タイトルの「バトンが渡された」については、伏線から見事にラストで回収されて、原作者、監督の最高のテクニックに唸りました。
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