「キャスティングの勝利」そして、バトンは渡された コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
キャスティングの勝利
悪人のいない、全て愛に埋め尽くされた世界。
テレビ画面っぽさが漂っていて、リアリティが薄いシナリオにかなりの無理を感じなくもないのですが、全てオッケーとしてしまう説得力を石原さとみさがもたらしていて、配役の勝利でしたね。
バトンの意味がわかるラストには、場内のあちこちからすすり泣きが。
最近は「1,900円払って失敗したくない、外したくない」ってユーザー心理を突いて、感情を揺らすのが効果的って狙いで「泣ける」「感動する」などを宣伝のキャッチに入れ込むことが多いけど。
個人的には泣かせにくるあざとさが鼻につき、「自分の感情は自分に任せて決めつけるな」って思って斜に身構えてしまい逆効果。
キャッチコピーと予告編が、ミステリー的な展開となるはずの母の失踪理由も観る前に予想できてしまう素材として機能してしまい。
そのせいでうっすら涙ぐみつつも、「なんだ、娘視点の和製『マンマ・ミーヤ』はお涙頂戴かよ」「予想の範疇を超えず意外性がない」と、否定的な気分が心の半分くらいを支配してしまい、もったいなく思いました。
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