劇場公開日 2021年10月29日

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「涙と演奏の演技に役者魂を見た」そして、バトンは渡された 映画野郎officialさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0涙と演奏の演技に役者魂を見た

2021年10月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

本当の家族とは何か。そこに血の繋がりは必要なのか。人と人が共に支え合い想い合って生きていくことの尊さを描いた映画。

唐突な展開で進む2つの物語の点と点が結びつき線となったとき、血の繋がり以上の愛情に温かくなる。
特に涙のシーンが印象的で、田中圭の父としての涙、石原さとみの母としての涙は流石の貫禄で、オーディションで選ばれた天才子役の稲垣来泉も自然な演技で惹き込まれた。

ピアノが重要な役割を担ってくるが、永野芽郁も岡田健史も経験がない状態から3ヶ月〜半年の期間でレッスンを積んで撮影に臨んだようで、よくぞここまで仕上げてきたと代役なしのこだわりと努力に拍手を送りたい。
岡田健史は圧巻の情熱的な演奏を見せてくれるし、永野芽郁は演奏しながら泣くという難しい演技をやってのけた。

ただ(原作を読んでないから分からないが)2時間では収めきれなかったか、全体的にひとつひとつのエピソードが駆け足で浅く、すんなり上手く行きすぎる展開だったため感情移入がしづらかった。後半きれいに伏線回収してくれるがやや想定内で少し冗長に感じてしまった。

衣装や美術に料理と細部までこだわりが詰まっている作品。

もの語りたがり屋